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外壁塗装の単価をわかりやすく解説!屋根塗装や付帯部分の費用相場も
公開日:2021/04/28 / 最終更新日:2021/07/01
外壁塗装の見積もりをとってみて、「各工程の単価って、こんなものなのかな?」「使う塗料によって、どれくらい単価が違うのかな?」といった疑問にぶつかるのは、珍しいことではありません。
こんなとき、外壁塗装の単価の知識があれば、見積書の単価が妥当かどうか、塗料選びをどうするかの判断に役立ちますよね。
この記事では、外壁塗装の各工程の単価の目安や、塗料別の単価相場などを紹介しています。
外壁だけでなく、雨戸や雨どいなどの付帯部分の塗装単価の話題も取り扱っています。
外壁塗装の見積もりをとった方はもちろん、これから見積もりをとる方も、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の単価
外壁塗装の費用の内訳は、おもに次の内容となっています。
- 仮設足場
- 飛散防止シート(養生メッシュシート)
- 高圧洗浄
- 下地処理
- コーキング工事(シーリング工事)
- 塗装
- 諸経費
専門の足場業者に外注する仮設足場の価格を除いて、各工程の価格は、その工程を実施するのに必要な人件費と材料費の合計です。
各工程について、1平米・1メートルごとの単価と、一般的な戸建て住宅(延床面積30坪前後の2階建て)の工事で総額いくらかかることが多いのかを解説していきます。
※以下に示す各工程の「総額」はすべて、一般的な戸建て住宅(延床面積30坪前後の2階建て)の工事の場合の総額です。
仮設足場
仮設足場とは、職人が外壁塗装の作業をするために必要な足場です。
単価は1平米あたり600円から800円が目安です。
総額20万円以内に収まるケースが多いです。
飛散防止シート(養生メッシュシート)
飛散防止シートは、外壁を洗浄中の水しぶきや、塗装中の塗料が周囲の住宅や道路に飛散するのを防ぐ役割があります。「養生メッシュシート」とも呼ばれます。
飛散防止シートの単価は、1平米あたりおよそ200~400円です。
総額は5〜9万円ほどとなります。
高圧洗浄
高圧洗浄とは、外壁に付着している汚れやコケを、塗装作業の前に洗い流す工程です。
高圧洗浄の単価の目安は、1平米あたり100~300円です。
総額2〜5万円ほどとなります。
下地処理
下地処理とは、ひび割れを補修したり、ケレン(やすりなどで表面を研磨する作業)を実施したりして、壁面を塗装に適したコンディションに整える工程です。
ひび割れ補修とケレンの単価目安は、以下の通りです。
- ひび割れ補修:1,200〜4,500円/平米
- ケレン:200〜3,000円/平米
コンクリートの外壁の場合、内部の鉄筋のサビが原因でコンクリートが内側から破裂する現象である「爆裂」によって崩れた箇所の補修が必要なことがあります。
爆裂補修の単価目安は、1平米あたり1,000〜2,500円です。
コーキング工事(シーリング工事)
コーキング工事(シーリング工事)は、サイディング外壁の塗装で必要となる工程です。
ボード状の外壁材「サイディングボード」をつなぎ合わせたサイディング外壁は、外壁材同士のつなぎ目(目地)のすき間をコーキングで埋めています。
目地のコーキングは、外壁塗装のタイミングで補修工事をするのが一般的です。
コーキングの工事の工法は、古くなったコーキングを新しいコーキングと交換する「打ち替え」と、古いコーキングの上から新しいコーキングを打ち込む「増し打ち」の2種類があります。
それぞれの単価目安は以下です。
- 打ち替え:900~1,500円/メートル
- 増し打ち:500~900円/メートル
外壁塗装の際のコーキング工事は、打ち替え工法が基本です。
打ち替え工法の場合で、コーキング工事の総額は150,000~350,000円であることが多いです。
あわせて、古いコーキングの撤去費用として、約1〜3万円が別途必要になります。
塗装
下塗り塗料を1度塗り、その上から上塗り塗料(仕上げ塗料)を2度重ね塗りします。
単価の目安は以下です。
- 下塗り : 500~1,000円/平米
- 中塗り・上塗り : 1,500~4,500円/平米
下塗り・中塗り・上塗りの総額の相場が、200,000~700,000円ほどです。
外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があり、選ぶ塗料によって価格が変わります。
塗料の種類によっては、上記の金額の範囲外の単価・総額になることもあるでしょう。
諸経費
諸経費の相場は工事1件あたり約4〜8万円ほどです。
諸経費の内容には、材料運搬費や廃材処理費などが含まれます。
屋根塗装・付帯部分塗装の単価
外壁塗装とあわせて、屋根や付帯部分(外壁に付帯する部分)の塗装も検討している場合、外壁塗装だけでなく、屋根塗装や付帯部分塗装の単価も知っておきたいですよね。
屋根塗装の単価
使用する塗料によりますが、屋根の塗装作業の単価相場は次の通りです。
- 下塗り: 600~1,200円/平米
- 中塗り・上塗り : 1,500~3,500円/平米
ただし、屋根塗装の工程は下塗り・中塗り・上塗りだけではないので、上記のほかにもさまざまな工程の費用がかかってきます。
屋根塗装の各工程の単価や、屋根全体の塗装の費用相場についての詳細は、以下のコラムでご確認ください。
各種付帯部分塗装の単価
以下は、一般的な住宅に設置されていることが多い付帯部分の単価目安をまとめた表です。
施工箇所 | 単価目安 |
---|---|
破風(破風板) | 800~1,300円/平米 |
軒天 | 1,000円/平米 |
鼻隠し | 1,000円/平米
※破風や軒天の費用に含まれる場合あり |
雨戸と戸袋 | 雨戸:2,500円/枚
戸袋:3,000円/枚 |
雨どい | 800〜1,500円/メートル |
※下地処理など、塗装前の下準備の費用は含んでいません。
そのほか木部や鉄部
住宅によっては、先ほど紹介した付帯部分以外にも、ウッドデッキや外階段、霧除けなどの木部・鉄部を塗装するケースもあります。
諸条件によりますが、木部・鉄部の塗装の単価相場は、塗装前の下準備の費用は除き、1,000~2,000円/平米です。
塗料の平米単価
外壁塗装の費用相場を知る上で、塗料の種類ごとの単価目安は要チェックです。
外壁塗装で使われる代表的な塗料の1平米あたりの単価目安を表にまとめました。
塗料の種類 | 1平米あたりの単価目安 |
---|---|
アクリル | 1,500円前後 |
ウレタン | 2,000円前後 |
シリコン | 2,300~3,000円 |
ラジカル | 2,500~3,000円 |
フッ素 | 4,000円~ |
無機 | 4,500~5,500円 |
光触媒 | 5,000円前後 |
塗料にはグレードがあり、グレードによって耐久年数や機能性が大きく異なります。グレードが高い塗料ほど、単価は高くなります。
延床面積の坪数ごとの費用相場や内訳
外壁塗装の費用相場を知りたいなら、戸建て住宅の延床面積(全フロアの床面積の合計)ごとの相場感が参考になります。
戸建て住宅における延床面積ごとの外壁塗装の費用相場の目安は、以下の通りです。
延床面積 | 相場 |
---|---|
20坪(約66㎡) | 60~80万円 |
25坪(約83㎡) | 70~100万円 |
30坪(約99㎡) | 80~120万円 |
35坪(約116㎡) | 100~140万円 |
40坪(約132㎡) | 110~160万円 |
ただし実際の外壁塗装の費用には、次のようにさまざまな要因から決定されるため、上記はあくまで目安としてお考えください。
- 塗料の種類
- 外壁の面積
- 外壁の状態
- 住宅の形状や立地環境
大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社などは、実際の施工を下請け業者に依頼するケースが多く、中間マージンで総費用が高額になる傾向がある点も考慮に入れておくとよいかもしれません。
外壁塗装でかかる総費用をもっとくわしく知りたい方は、下記のコラムをぜひご一読ください。
お金の支払いや負担で知っておきたいポイント
外壁塗装を検討する上で、料金の支払いに関する部分も気になりますよね。
こちらでは、外壁塗装の支払いや負担について知っておきたいポイントを解説します。
支払いのタイミングや方法
外壁塗装の費用の支払いは、施工の後に現金振り込みで全額後払いが主流でした。
しかし、最近ではカード払いやリフォームローンに対応している業者も増えています。
いえふくも、下記のカード支払いに対応しています。
- VISA
- Mastercard
- American Express
- diners club
- JCB
- DISCOVER
外壁塗装の費用の支払いの種類や注意点をくわしく知りたい方は、こちらのコラムをご参照ください。
外壁塗装に補助金・助成金が使える?
自治体によっては、外壁塗装や屋根塗装に補助金・助成金を出しています。
ただし、多くの場合は条件付きで、さまざまな手続きが必要です。
外壁塗装の補助金・助成金の条件や手続きについては、下記のコラムで取り扱っています。
火災保険
外壁・屋根が災害(台風や地震)で損傷した場合、損傷した箇所の修理に火災保険が使えるかもしれません。
外壁塗装では、外壁のひび割れなどを補修した後に、塗料を塗るのがセオリーです。
たとえば、このひび割れが災害によるものであれば、ひび割れの補修費用については保険金が下りる可能性があるのです。
火災保険についてくわしくは、次のコラムをご覧ください。
外壁塗装をちょっとお得にする方法
住宅の外壁をしっかり塗装しようとすると、どうしても、10万単位のお金がかかります。
そんな外壁塗装を、ちょっとお得にするための3つのポイントを紹介します。
外壁塗装は屋根塗装とご一緒に
外壁塗装をお得に実施したいなら、屋根塗装との同時施工を検討するといいでしょう。
外壁塗装と屋根塗装を同時に実施することで、足場を組み立てるのが1回で済むためです。
逆に、外壁と屋根の塗装のタイミングがバラバラだと、足場を2度設置・解体せねばならず、そのぶん費用がかさみます。
屋根材によっては、外壁塗装と同じく、屋根塗装も必要なメンテナンスです。
たとえば、最近の戸建て住宅で主流のスレート屋根は、屋根の状態を良好に保ったり、きれいな外観を維持したりするのに、定期的な塗装が望ましいとされています。
いずれ屋根塗装も施工するのであれば、外壁塗装とまとめて実施して、高額な足場代を節約するのがおすすめです。
屋根塗装に関する情報は、次の記事でご覧いただけます。
自社施工の塗装専門店がおすすめ
外壁塗装を少しでも安く施工したいなら、大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社よりも、自社施工の塗装専門店へ依頼しましょう。
自社施工なら、中間マージンが発生しないか、発生してもそれほど高額にならないため、割安な適正価格で外壁塗装が行えます。
塗料選びは、価格だけでなくコスパやライフプランも踏まえて
「少しでも外壁塗装を安くしたい」と考えたときに、単価の安い塗料を検討する人は多いでしょう。
しかし、長期的に考えた場合、単価の安さだけで塗料を選ぶことが、必ずしも節約になるとは限りません。
塗料は、単価のほかに、次の2点も考えて選ぶのがおすすめです。
1つが、コストパフォーマンスです。
たとえば、シリコン塗料はウレタン塗料よりも単価は高いですが、耐久年数が長く、コストパフォーマンスに優れています。
ウレタン塗料の塗装より費用がかかっても、塗装が長持ちするので、トータルコストで考えるとお得になる可能性があるのです。
もう1つが、「この家にあと何年住む予定か」などのライフプランです。
10年後には解体をする予定の古い家であれば、耐用年数の短い安めの塗料で塗装する選択肢もありますね。
しかし、「あと30年この家に住みたい」と希望する場合は、ライフサイクルコスト(家を建ててから解体するまでのトータルコスト)を考え、耐用年数が長めの塗料を選んだ方がよいかもしれません。
単価は多少高くても耐用年数が長い塗料で塗装することで、30年の間に必要な工事の回数が減り、工事にかかる足場代や諸経費などを節約できるからです。
外壁塗装を検討中の方へ
外壁塗装を検討中の方は、ぜひ下記の項目をチェックしてみてください。
見積書の見方
外壁塗装の見積書を確認するとき、工程ごとの単価の目安だけでなく、さまざまなチェックポイントを知っておくと便利です。
見積書のチェックポイントは、次のコラムで解説しています。
業者選びのポイント
外壁塗装では業者選びが重要です。塗装工事の価格や品質は業者によりますし、なかには悪徳業者もいます。
外壁塗装の業者選びのポイントを知りたい方は、ぜひ次の記事をご覧ください。
色選びのポイント
外壁塗装の色決めで後悔しないためには、外壁の色選びの注意点や、色の性質を知っておくと安心です。
失敗しない色選びや人気の色などを次のコラムで紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。
外壁塗装のトラブル回避術
こちらの記事では、外壁塗装でよくあるトラブルの事例や、対処法などを解説しています。クーリングオフ制度についても解説しているので、ぜひご覧ください。