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屋根塗装の費用相場を坪別で解説!安く抑えるコツやおすすめ塗料も!
公開日:2021/04/21 / 最終更新日:2021/07/01
屋根の塗装を検討するとき、気がかりになるのがお金です。
「プロに屋根全体を塗装してもらうとなると、やっぱり高額なのかなあ」と不安に思っている方もいることでしょう。
この記事では、住宅の大きさ(坪数)ごとの屋根塗装費用の目安や、費用を抑えるコツ、屋根塗装にあたっての注意点などを解説します。
自宅の屋根塗装にあたって、予算の目安をつけたり、費用をちょっとお得にしたりするのに、ぜひお役立てください。
屋根塗装の相場
屋根塗装にかかるお金を、次の3つの観点から解説します。
- 坪別に見る屋根塗装の相場
- 屋根塗装の単価
- 屋根塗装の内訳
坪別に見る屋根塗装費用の相場
住宅の大きさの目安として、延床面積があります。延床面積とは、建物のすべての階の床面積の合計です。
延床面積の坪数ごとの屋根塗装の相場は、次の表の通りです。
延床面積 | 相場 |
---|---|
20坪(約66平方メートル) | 15万~30万円 |
30坪(約99平方メートル) | 20万~40万円 |
40坪(約132平方メートル) | 30万~50万円 |
50坪(約165平方メートル) | 35万~60万円 |
※足場代は含んでいません。
※1階と2階の床面積が等しい2階建て住宅の場合です。
「我が家を塗装した場合の相場を、もっと正確に知りたい」とご希望の場合は、いえふくのネット見積もりサービスをぜひご利用ください。
いえふくのネット見積もりサービスは、ご自宅の延床面積や階数などを入力することで、屋根塗装と外壁塗装の費用がわかるサービスです。
屋根塗装の単価
屋根塗装の基本的な工程ごとの単価相場は、次の表の通りです。
工程 | 単価相場 |
---|---|
足場(作業スペースとなる足場の設置・解体) | 700~1200円/平米 |
養生(塗料が付着してはいけない箇所を専用のシートで保護する作業) | 100~500円/平米 |
高圧洗浄(屋根を高圧洗浄機で洗浄する作業) | 200~300円/平米 |
下塗り(下塗り塗料を塗布する作業) | 600~1,200円/平米 |
中塗り・上塗り(仕上げの上塗り塗料を重ね塗りする作業) | 1,500~3,500円/平米 |
※あくまで目安です。
上記のほかに、塗装にあたって屋根の表面の状態を整える「下地処理」の工程もありますが、下地処理の費用は屋根の状態や種類で大きく変わるので、相場を示すのは難しいです。
下地処理の具体的な作業内容としては、クラック(ひび割れ)補修やケレンがあります。
屋根塗装の内訳
屋根塗装の費用の内訳は、「高圧洗浄に〇〇円、下塗りに〇〇円……」といったかたちで、工程ごとの価格が見積もり書に記載されることが多いです。
工程ごとの価格は、その工程にかかる人件費と材料費からなっています。
必要な人数が多い工程や、時間のかかる工程は、人件費が高くなります。
材料費で主なものとしては、塗料代が挙げられます。
ただし、足場は足場の専門業者に外注することが多いので、足場代は「足場の外注費」であることが多いです。
屋根塗装の見積もり書については、こちらのコラムをぜひご参照ください。
「一式・坪表記よりも平米表記が望ましい」など見積もり書のチェックポイントや、屋根塗装の見積もり例などを紹介しています。
屋根塗装の費用を左右する条件
屋根塗装の費用は、主に次の5つに左右されます。
- 屋根の勾配(こうばい)
- 屋根材の種類
- 屋根の状態
- 屋根の面積
- 塗料の種類
屋根の勾配
勾配とは、傾きの程度のことです。傾きが激しいことを「急勾配」といいます。
急勾配の屋根の塗装は、急勾配の屋根を工事するための特別な足場が必要なので、相場より割高になる傾向にあります。
屋根が急勾配かどうかの基準は、屋根の勾配が「6寸勾配」※以上かどうかです。
※「6寸勾配」は、「尺貫法勾配」と呼ばれる表記で屋根の勾配を表したものです。
屋根材の種類
屋根材の種類によって、塗装のときに必要な工程が変わってきます。工程が変われば費用も変わるので、屋根材の種類は費用に影響します。
たとえば、トタンなどの金属屋根の塗装の場合、やすりやナイロン製たわしで磨くことで、塗料が定着しやすいよう表面の状態を整える下地処理の作業(ケレンと呼ばれます)の費用がかかってきます。
昨今の戸建て住宅で主流のスレート屋根の塗装の場合は、屋根全体をケレンすることはないですが、屋根材同士のすき間が塗料でふさがらないようにする対処(縁切り、タスペーサーの設置)が必要です。
屋根材同士のすき間から雨水を排水する仕組みになっているスレート屋根は、屋根材同士のすき間が塗料でふさがると、排水が正常にできなくなるからです。
屋根の状態
「ひび割れが多い」や「サビが進んでいる」など、屋根の状態によっては、塗料を塗りはじめる前の下準備に手間がかかります。
下準備に手間がかかるほど費用もかさむため、屋根の状態は塗装費用に影響します。
屋根の面積
屋根の面積が大きいほど、作業量や必要な塗料の量が増え、塗装費用が高くなります。
屋根の面積は図面で確認するのが最も確実です。図面がない場合は、下記の計算式で大まかな面積を求めることができます。
1階の床面積(平方メートル) × 1.1~1.3 = 屋根の面積(平方メートル)
※1階と2階の床面積が等しい2階建て住宅の場合です。
軒天(屋根の外壁からはみ出している部分の裏側)の幅が1メートル以上ある場合、屋根の面積は大きめに見積もりましょう。
軒天の幅が広いことは、屋根の外壁からはみ出している部分がそれだけ大きく、屋根面積が大きいことを意味しているからです。
塗料の種類
塗料は種類ごとの価格の差が大きいため、使用する塗料の種類によって塗装費用が変わってきます。
一般的に、高額な塗料ほど耐久性が高く、耐用年数が長い傾向にあります。
主な塗料の施工単価の目安は、次の通りです。
塗料の種類 | 単価(中塗り・上塗り) |
---|---|
アクリル塗料 | 1,000~1,500円/平米 |
ウレタン塗料 | 1,500~2,000円/平米 |
シリコン塗料 | 1,800~2,500円/平米 |
ラジカル塗料 | 2,500~3,500円/平米 |
フッ素塗料 | 3,500~4,500円/平米 |
無機塗料 | 4,500~5,500円/平米 |
※あくまで目安です。
戸建て住宅の屋根の塗装で使われることが多いのは、シリコン塗料やラジカル塗料、フッ素塗料などです。
屋根塗装の費用を安く抑えるコツ
屋根塗装の費用をちょっとお得にするのに知っておきたいポイントは、次の2つです。
- 外壁塗装とまとめて施工がおすすめ
- 遮熱塗装は助成金・補助金が出るかも
あわせて、屋根塗装だけでなく外壁塗装にも当てはまる「塗装工事一般の節約テク」も紹介します。
外壁塗装とまとめて施工がおすすめ
屋根塗装と外壁塗装は、どちらも足場が必要です。このため、屋根と外壁を別々のタイミングで塗装すると、足場の設置・解体が2度必要になり、そのぶん費用がかさみます。
足場代は、一般的な戸建て住宅(延床面積が30坪前後の2階建て)の場合で、15~20万円が相場です。
逆に、屋根と外壁をまとめて塗装すれば、足場の設置・解体が1度で済むので、費用を抑えることができます。
実際、屋根の塗装は、外壁の塗装とまとめて施工するケースが大半です。
外壁塗装の費用相場については、下記のコラムをご確認ください。
遮熱塗装は助成金・補助金が出るかも
遮熱塗装とは、遮熱性(太陽の熱をさえぎる性能)が高い遮熱塗料を用いた塗装です。
自治体によっては、遮熱塗装に助成金・補助金を出しているところがあります。
自治体が遮熱塗装に助成金・補助金を出すのは、遮熱塗装はエコになるから。
太陽光の熱を遮断する遮熱塗装は、夏場の室温の上昇を抑えることで、エアコンの冷房効率を上げて消費電力をカットできるメリットがあるのです。
遮熱塗装についてくわしいことは、こちらのコラムをご確認ください。
補助金・助成金については、こちらのコラムで解説しています。
塗装工事一般の節約テク
屋根塗装だけでなく、外壁塗装にも通じる節約テクとして、
- 多額のマージンが発生しがちな大手ハウスメーカーよりも、マージンが発生しにくい自社施工の会社を選ぶこと
- コストパフォーマンス(費用対効果)を考えた塗料選びをすること
- 冬や梅雨など閑散期の値引きキャンペーンを探してみる
これらのようなものがあります。
ただし、注意点として、「安く施工することにこだわりすぎると、安かろう悪かろうな工事になる恐れがある」ことを頭に入れておいた方がよいでしょう。
屋根塗装の注意点
自宅の屋根塗装を検討するとき、知っておきたい注意点は次の5つです。
- 塗装が必要な屋根と不要な屋根がある
- 塗装では対応できない場合もある
- スレート屋根はタスペーサーまたは縁切りが必須
- 陸屋根のメンテナンスは少し特殊
- 業者選びが肝心
あわせて、屋根塗装だけでなく外壁塗装にも通じる「塗装工事一般の注意点」にも触れます。
塗装が必要な屋根と不要な屋根がある
以下の屋根は、きれいな外観を維持したり屋根材の寿命をのばしたりするのに、塗装が有効な屋根です。
一方で、伝統的な日本瓦(粘土瓦)の屋根は、材質などの問題で塗装は向きません。
塗装では対応できない場合もある
塗装がメンテナンスとして有効な屋根でも、屋根そのものの損傷や経年劣化が激しい場合には、塗装で対応するのは難しいです。
塗装が難しい場合には、次のような選択肢があります。
- 古くなった屋根の上から新しい屋根材を被せる重ね葺き(カバー工法)の工事
- 屋根を新しいものに交換する葺き替え工事
塗装工事・重ね葺き工事・葺き替え工事のどれが屋根に最適かは、屋根の状態とお客様のご希望次第です。
いえふくは、屋根の状態をしっかりとチェックし、屋根の状態とお客様のご希望を考慮して、最適な工事プランを提案いたします。
各種屋根工事の概要や費用目安が気になる方は、こちらのコラムをご一読ください。
部分修理だけでなく、重ね葺きや葺き替え工事などの全体工事の話題も扱っています。
スレート屋根はタスペーサーor縁切りが必須
先述したように、スレート屋根は、屋根材同士のすき間から雨水を排水するようにできています。
この点に注意を払わずに塗装すると、屋根材同士が塗料でくっついてすき間がふさがり、排水が正常にできなくなる恐れがあるのです。
スレート屋根の塗装で屋根材同士がくっつかないようにする方法は、以下の2つ。
- 事前に「タスペーサー」と呼ばれる道具を屋根材同士の間にはさんでおくことで、すき間を確保し、屋根材同士がくっつかないようにする
- 塗装終了後に「縁切り」と呼ばれる作業を実施し、塗料でくっついた屋根材を切り離す
スレート屋根の塗装は、上記2つのどちらかが必須となります。
陸屋根のメンテナンスは少し特殊
最近では、「陸屋根」と呼ばれる平面の屋根の戸建てもありますね。この陸屋根の平面部を「屋上」と呼びます。
戸建ての陸屋根の屋上の塗装は、基本的に、表面の塗料のコーティング(トップコート)を塗り替える作業です。
トップコートの塗りかえの単価相場は、高圧洗浄や下地処理など前準備の費用は除き、およそ1,500~2,500円/平米。
経年劣化や損傷が激しい場合は、塗装業者の塗装ではなく、防水工事業者の防水工事が必要になります。
陸屋根(屋上)のメンテナンスについては、下記のコラムがおすすめです。
業者選びが肝心
屋根塗装の費用や工事品質は、業者によりけりです。
自宅の屋根塗装を後悔なく終えるには、優良業者に施工を依頼することが重要になります。
屋根塗装の業者選びについては、下記のコラムをご参照ください。
塗装工事一般の注意点
屋根塗装だけでなく外壁塗装にも共通する注意点としては、下記のようなものがあります。
- 塗装は3度塗りが重要
- 追加費用が発生することがある
- 近隣から苦情がくるケースがある
これらの注意点を知っておくことは、塗装工事で起こりがちなトラブルの予防に役立ちます。
トラブル予防に役立つ塗装工事の注意点は、こちらのコラムをチェックしてみてください。
屋根の塗装サイン
屋根の塗装サインには、以下のようなものがあります。
- 色あせ
- 塗装のはがれやひび割れ
- コケ
- サビ
自宅の屋根に上記のような塗装サインが見られたら、屋根塗装を検討してみた方がよいでしょう。
でも、屋根全体を自分でチェックするのは難しいですよね。
2階の窓や地上から確認できる範囲は限られますし、専門業者でない人が屋根に上がるのは危険です。
自宅の屋根の状態が気になっている方は、ぜひお気軽にいえふくまでお問い合わせください。
いえふくは、屋根・外壁の無料点検を承っております。
とくに、前回の屋根工事(または家を建ててから)10年以上たっている場合には、1度屋根の状態を点検してみることをおすすめします。
前回のメンテナンスから10年を過ぎていると、屋根に何かしらの塗装サインが出ている可能性が高いです。
まとめ
屋根塗装の費用相場は、一般的な戸建て住宅(2階建て/延床面積30坪)の場合で、20万~40万円。
ただし、使用する塗料の種類や屋根の状態によって費用は前後するので、必ずしも相場通りとは限らない点に注意しましょう。
屋根塗装は、外壁塗装とまとめて施工するのがおすすめです。
足場代を節約できることはもちろん、屋根と外壁を同じタイミングで塗装することには、次のメリットがあります。
- 「屋根は塗りたてでピカピカなのに、外壁は黒ずんでいる」といったふうに、住宅の外観がちぐはぐな印象にならずに済む
- 屋根と外壁の色の相性も考慮に入れながら、色選びができる
いえふくは、屋根と外壁のまとめての塗装工事を承っております。
屋根の状態やお客様のご希望に応じて、外壁塗装とあわせ、屋根の重ね葺き・葺き替え工事の施工も可能。
屋根の色あせや汚れでお悩みの方や、屋根の状態に不安のある方は、いえふくまでお気軽にご相談ください。
自宅の外壁と屋根を塗装する費用を知りたい方は、ネット上で簡単に見積もりがとれるいえふくネット見積もりをどうぞ!