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外壁塗装・リフォームの基本を解説!最適なリフォーム方法がわかる!
公開日:2021/07/27 / 最終更新日:2021/10/21
自宅の外壁の色あせや汚れが目立ってくると、「そろそろリフォームをしようかな?」と検討しはじめますよね。
外壁のリフォーム方法には、塗装や重ね張り、張り替えがあります。
このコラムでは、築年数や外壁の種類・状態に合わせた最適なリフォーム方法や、リフォームの費用目安を解説します。
自宅の外壁リフォームの参考として、ぜひご活用ください。
築10年~15年の外壁リフォームなら塗装がおすすめ
築10年~15年の段階で戸建て住宅の外壁をリフォームするなら、塗装が1番おすすめです。
築10年~15年であれば、外壁の建材自体はまだそれほど傷んでいない場合が多いからです。
塗装は、塗膜(塗料が乾燥することで形成された膜)で表面をおおうことで、外壁を水気や紫外線のダメージから保護し、外壁を良い状態に保つための工事です。
経年で激しく傷んだ外壁を復旧するのではなく、外壁が長く良い状態を維持できるよう助けます。
経年で大きなひび割れや変形が起きていたり、寿命を迎えていたりする外壁の場合は、外壁材を新しいものに交換する「張り替え」や、古くなった外壁材に新しい外壁材を上から被せる「重ね張り」などが必要になります。
塗装よりも大がかりで費用の高い工事です。
張り替え・重ね張りにかかる具体的な費用目安は後述します。
築10~15年で目立ったひび割れや変形がない外壁なら、塗装工事で、張り替えや重ね張りより安く新築のようなきれいな状態にできます。
このくらいの時期に塗り替えておくと、外壁が塗膜でしっかり守られている状態が維持されるので、外壁が長持ちしやすくなるのも大きなメリットです。
新築の時点で外壁は塗装されている状態なのですが、一般に塗装は10年~15年で耐用年数を迎え、機能が落ちてきます。
なので、築10年~15年で塗装工事を施工することで、外壁が塗膜に守られておらず水気や紫外線で大きくダメージを受けるのを防ぐことができます。
築年数以外で外壁塗装のタイミングを見極める塗膜の劣化サインとしては、次のようなものがあります。
築10年以上が経っていたり、上記のような劣化サインが外壁に見られたりしたら、塗装工事を検討してみるとよいでしょう。
また、外壁塗装のときには、屋根塗装もあわせて施工するのがおすすめです。
外壁が塗装時期を迎えているときには、屋根もすでに塗装の時期にきていることが多いためです。
「外壁塗装を検討したいけど、初めてなので、わからないことがいっぱい!」とお悩みの方は、こちらのコラムをご活用ください。
見積もり書の内訳の見方やおすすめ塗料、業者選びの基準、「季節の向き不向きはあるの?」「相見積もりをした方がよい場合って?」といった内容を解説しております。
色や塗料別、外壁塗装の事例を紹介!
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色や塗料別に、戸建て住宅の塗装のBefore・Afterを紹介します!
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UVプロテクトクリヤーでツヤツヤに!
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I様邸は、日本ペイントのクリアー塗料「UVプロテクトクリヤー」で塗装させていただきました。
模様を残しつつ、ツヤのある外観を取り戻しましたね!
サイディング外壁・モルタル外壁のリフォーム方法と時期
昨今の戸建て住宅で最も主流なのが、サイディング外壁とモルタル外壁です。
上の写真はサイディング外壁です。板状の外壁材「サイディングボード」をつなぎ合わせてできています。
戸建て住宅に用いられているサイディングボードのほとんどは、セメントと繊維質を主原料とする「窯業系サイディング」です。
一般的に、サイディングの耐用年数は30年~40年といわれています。
上の写真はモルタル外壁です。モルタルはセメント・砂・水を練って固めたもので、建築分野で幅広く使用されています。
一般的に、モルタルの耐用年数は30年程度といわれています。
サイディング外壁とモルタル外壁の主なリフォーム方法は、次の3つです。
- 塗装工事(外壁を塗装する工事)
- 重ね張り工事(古くなった外壁材の上に新しい外壁材を被せる工事)
- 張り替え工事(古くなった外壁材を新しい外壁材に交換する工事)
3つのリフォーム方法のなかでどれがいいのか、築年数と外壁の状態に応じた選び方の基準を解説します。
築10年~15年
先述したように、築10年~15年の段階であれば、塗装がおすすめです。
塗装は、サイディングやモルタルの状態を良好に保ち、長持ちさせるのに役立ちます。
サイディングとモルタルは水気に弱い外壁材です。
水気を吸ったサイディングは、変形や割れ、欠けを起こす恐れがあります。
モルタルは、水気を吸うとひび割れや欠落を起こす恐れが高まります。
このようなことを防ぐため、サイディングもモルタルも、新築の時点で表面が塗膜でおおわれており、水気を吸わないようにしてあるのです。
しかし、塗膜は一般に10年~15年前後で機能が落ちてきます。
なので、築10年~15年で塗装をし、新しい塗膜で外壁表面をおおうことで、外壁材が水気から守られている状態を保ち、変形や割れ、欠けなどを防げるのです。
塗装工事は、3つのリフォーム方法のなかで最も安価です。また、外壁の色を変えることで住宅の外観のイメージを大きく変えることができるメリットもあります。
ただし、築10年~15年であっても、すでに住宅のどこかで雨漏りしているなどの大きな不具合が起きている場合は、塗装の前に点検や補修などを考えた方がよいでしょう。
サイディング外壁のリフォームで塗装をする場合は、コーキング工事も必要です。
コーキングとは、建材同士のつなぎ目のすき間や建材に生じたひび割れを埋めるのに使う充填材です。
サイディング外壁では、目地(サイディングボード同士のつなぎ目)を埋めるのにコーキングが使われています。
サイディング外壁の目地のコーキングには、次の役割があります。
- 目地から外壁内部に雨水や湿気が入り、外壁内部が傷むのを防ぐ
- サイディングボード同士の間のクッション材となることで、サイディングボード同士がぶつかり欠けや割れを起こすのを防ぐ
コーキングは、築10年を過ぎる頃には寿命を迎え、ひび割れや欠けを起こしていることが多いです。
築10年~15年の時点で、塗装工事と同時にコーキング工事も実施することで、コーキングがきちんと役割を果たしている状態を維持することができます。
築20年前後
築20年前後で初めて外壁リフォームを実施する場合、塗装か重ね張りか選ぶかたちが多いでしょう。
重ね張りは、別名「カバー工法」とも呼ばれる工事です。
外壁材自体の傷みがそれほど激しくなく、施工費用を抑えたい場合は塗装がよいでしょう。
外壁材のあちこちに深いひび割れや変形が見られる場合は、塗装よりも重ね張りの方がよいかもしれません。
なぜなら、ひび割れの大きさや変形の程度によっては、補修と塗装だけでは見た目をきれいにできない恐れがあるからです。
ただし、重ね張りには次のようなデメリットもあります。
- 外壁が2重になるぶん、外壁が重くなり、建物の耐震性が落ちる
- 外壁ができるだけ重くならないよう、セメントではなく金属でできた軽量の金属系サイディングしか使えない
既存のサイディングボードやモルタルより内側の部分に異変(木部の腐食など)が見られる場合は、張り替えになる可能性があります。
内側に異変が起きている場合、既存のサイディングを剥がして補修や補強を行う必要があるためです。
築30年前後
築30年前後の場合は、張り替えも選択肢に入ってきます。外壁材がすでに寿命を迎えて、大きく劣化しているケースもあるからです。
ただし、住宅の立地やメンテナンス歴によっては、築30年の時点でも、塗装や重ね張りをすればまだ10年以上住めることもあります。
たとえば、10年~15年の周期で補修や塗装をしている住宅であれば、外壁の状態が比較的良い状態で保たれていて、張り替えや重ね張りなどの工事なしで40年以上住めることもあり得ます。
築30年近く、あるいは築30年を超えている住宅で外壁リフォームをする場合は、専門の業者に外壁の状態をよくチェックしてもらい検討することが大切です。
日本の戸建て住宅は、築30年ほどで建て替えが行われることも多いので、外壁だけのリフォームではなく家全体のリフォームや建て替えを検討してもよいかもしれません。
ALC外壁のリフォーム方法と時期
サイディングやモルタルに比べると数は少ないですが、最近では、ALC(軽量気泡コンクリート)の外壁の住宅もありますね。
ALC外壁は、サイディングと同じく板状の外壁材をつなぎ合わせた外壁です。
サイディングと異なる点は、材質が軽量のコンクリートであること、耐用年数が50年~60年と非常に長いこと、サイディングよりも高価で耐久性の高い外壁材であることです。
リフォーム方法は、サイディングやモルタルと同じく、次の3つになります。
- 塗装工事(外壁を塗装する工事)
- 重ね張り工事(古くなった外壁材の上に新しい外壁材を被せる工事)
- 張り替え工事(古くなった外壁材を新しい外壁材に交換する工事)
ALCは吸水性があり、水を吸うとひび割れや欠けを起こす危険性が高くなるので、表面が塗膜で保護され水気から守られている状態を保つことが必要です。
ALC外壁は、10年~15年の周期で塗装工事を施工することで、外壁の状態を良好に保ちながら長く住むことができます。
塗装工事の際には、サイディング外壁の場合と同じく、コーキング工事も必要です。ALC外壁も、サイディング外壁と同じく、外壁材同士のつなぎ目のすき間をコーキングで埋めています。
サイディングやモルタルよりも耐久性が高く寿命も長いため、定期的な塗装とコーキング工事をしていれば、それ以外のリフォームが必要になることはあまりないでしょう。
30年以上塗装をしておらず大きな劣化が目立ってきた場合や、築50年~60年が経ちALCが寿命を迎えた場合は、張り替えや重ね張りを検討することになるかもしれません。
外壁リフォームの費用目安
あくまで目安ですが、外壁リフォームの相場は以下です。
リフォーム方法 |
費用目安 |
---|---|
塗装 |
80万円~120万円 |
重ね張り |
150万円~200万円 |
張り替え |
200万円~250万円 |
※延床面積(建物の各階の床面積の合計)が30坪程度の2階建て住宅の場合です。
工事費用は、住宅の築年数や状態、使用する建材・塗料のグレードなどで大きく変わってきます。このため、場合によっては上記の表の通りにはいかないこともある点に注意が必要です。
「外壁リフォームをしたいけど、まとまったお金を用意するのが難しい」と悩んでいるのであれば、リフォームローンの活用を検討してみてもよいかもしれません。
条件付きであることが多いですが、お住まいの地域によっては、外壁塗装で自治体の助成金が受けられることもあります。費用でお悩みなら、外壁塗装の助成金について調べてみるとよいでしょう。
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費用目安を紹介したところで、塗装工事、重ね張り工事、張り替え工事それぞれの内訳についても解説いたします。
塗装工事の内訳
外壁塗装の費用の大まかな内訳は、次の通りです。
- 塗料代
- 足場代
- その他工事費(養生費やコーキング費用など)
- 諸経費(廃材処理費や交通費など)
塗装工事の内訳についてくわしいことは、下記のコラムからご確認ください。
重ね張り工事の内訳
外壁の重ね張り工事の内訳は、一般的に次のようになっています。
- 新しい外壁材(基本的には金属サイディングの外壁材)の費用
- そのほか各種、新しい建材(外壁材の下に設置する防水シートや下地材ど)の費用
- コーキング工事費
- 施工の作業費
- 足場代
- 諸経費
既存の外壁材や新しく設置する外壁材の種類、外壁の状態などによっては、上記以外にも費用がかかってくる可能性もあります。
張り替え工事の内訳
外壁の張り替え工事の内訳は、一般的に次のようになっています。
- 古くなった外壁材の撤去費用
- 新しい外壁材の費用
- そのほか各種、新しい建材(外壁材の下に設置する防水シートや下地材など)の費用
- コーキング工事費(サイディング外壁に張り替える場合)
- 施工の作業費
- 足場代
- 諸経費
新しく設置する外壁材の種類や外壁の状態によっては、上記以外にも費用がかかってくる可能性もあります。
まとめ
築10年~15年のご住宅で外壁リフォームを検討中なのであれば、まずは塗装を検討してみるのが最適です。
10年~15年のスパンで外壁塗装をしておけば、外壁の状態を長く良好に保つことができ、長い目で考えたときの住宅メンテナンスの総費用を抑えることができます。
戸建て住宅の外壁塗装でお悩みなら、いえふくまでぜひお気軽にご相談ください。
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- ライタープロフィール
-
須藤 瑶子(いえふくライター)
住宅メンテナンス診断士です。皆さまの大切なマイホームの外壁塗装をお手伝いするべく、コラム制作・監修を担当しております!お住まいの外壁塗装は、いえふくまでお気軽にご相談ください。