マイホームを持っていれば、
「戸建ての外壁塗装は、何年ごとにどのくらいの頻度で行えばよいのか」
が気になりますよね。
外壁塗装の専門知識がない限り、なかなか見当がつかないでしょう。
すでに塗り替えを考え始めている場合は、
「外壁塗装をするなら、季節はいつがいいのだろう」
と悩んでいる方もいるかもしれません。
外壁塗装は戸外の施工であるため、気候や季節の影響と全くの無関係ではいられないからです。
この記事では、戸建ての塗り替えの時期や塗り替えが必要であることを示すサイン、外壁塗装に適した季節などを解説します。
自宅の外壁が塗り替え時期なのかどうかを判断したり、外壁塗装を何月頃に実施するかを検討したりするのに、きっと役立つはずです。
戸建ての外壁を塗り替える時期の目安について、
この2パターンに分けて解説します。
塗り替えが必要になるのは、次の通りです。
戸建ての立地条件などにもよりますが、外壁材の種類や、新築のときに使用した塗料の種類によって年数が異なります。
新築で用いられる外壁材・塗料はたくさんの種類があるため、全種類の説明をすることはできませんが、代表的な例を3つ挙げましょう。
引用:エスケー化研
新築の建売住宅で度々用いられる、非常に安価な部類の塗料です。
築3~4年で塗り替えが必要になります。
引用:エスケー化研
新築の建売住宅でよく使われている塗料です。
建ててから5~6年程度で機能が落ち、塗り替えが必要になります。
引用:AICA
主に注文住宅で用いられる塗料です。アクリルリシンやソフトリシンに比べると高価格ですが、その分耐久性も高いです。
厚塗りすれば10年以上持ちます。
過去に1度以上外壁の塗り替えを行っている場合には、
「前回の塗装からの経過年数」
が1つの目安になります。
外壁塗装は紫外線や湿気などで少しずつ機能が落ちていくためです。
次の塗り替えが必要になる目安の年数は、外壁材の種類や前回の塗装で用いた塗料の種類によって異なります。
たとえば、
この条件で外壁塗装を行った場合、次の塗り替えが必要になるのは約10~13年後です。
※外壁材や塗料の種類ごとの塗り替え周期は後述します。
ただし、塗膜の劣化の進行速度には住宅の立地条件なども関わってくるため、単純に年数だけで塗装時期を決めることはできません。
自宅の外壁塗装を適切な時期に行うためには、以下の2点を心がけておくとよいでしょう。
外壁材の種類によって、外壁材そのものの耐用年数や塗装のメンテナンス時期は異なります。
大切なマイホームですから、外壁材の種類を把握しておき、その種類に適したメンテナンスをしていきたいですね。
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
不要(ただし、コーキング補修は必要) | 35年 |
特徴 | |
粘土、陶土、長石、石英などを砕き、高温で焼き固めたもの。 耐水性、耐火性、耐候性に優れ、メンテナンスは基本的に不要。 |
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
7~13年 | 35年 |
特徴 | |
セメントと繊維質、無機物を混ぜ、板状に硬化させたもの。 現在は、約7~8割の住宅の外壁材として使用されている。 デザインが豊富で、耐久性、耐火性に優れている。 |
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
10~15年 | 40年 |
特徴 | |
ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金塗装板、ステンレス鋼板など、材質によっていくつか種類がある。 断熱性が高いため、省エネ効果を期待できる 水分を吸収しないため、寒冷地で使われることが多い。 |
引用:大和屋
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
3~10年 | 40年 |
特徴 | |
天然の木材に塗装を施したもの。断熱性能に優れている。 水分を吸収するので、湿度の高い日が続くと腐りやすい。 |
引用:株式会社ハウスマジック
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
10~15年 | 30年 |
特徴 | |
1990年代に急速に広がったアメリカ発祥の外壁材。 耐久性、耐候性に優れ、軽く、加工も容易。 ただし、遮音性が低く、バリエーションが少ないことが難点。 |
サイディングの塗装についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。 サイディング塗装をするタイミングを「そろそろ必要かな」と、曖…
そろそろ塗り替えたい、サイディング塗装のポイントと相場!
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
8~10年 | 30年 |
特徴 | |
針金の網の上に、砂、水、セメントを混ぜ合わせ塗り付けたもの。 1980年代までは日本の住宅によく用いられたが、施工に手間がかかることから、近年ではあまり見られなくなった。 |
モルタルの詳細は以下の記事をご参照ください。 最近は、外壁にサイディングを使う新築住宅が増えて、モルタル外…
モルタル外壁ってどんな外壁?メリット・デメリットからDIYに…
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
15~20年 | 50~60年 |
特徴 | |
砂、砂利、水などをセメントで凝結させたもの。 気密性、耐熱性、遮音性、耐震性、耐久性に優れている。 デザインの自由度が高い。 |
引用:旭化成建材株式会社
塗装メンテナンス周期 | 外壁材の耐用年数 |
---|---|
10~13年 | 50年 |
特徴 | |
軽量気泡コンクリート(重さを軽減したコンクリート)のこと。 材料はケイ石、セメント、生石灰。人体に無害でリサイクルが可能。 熱伝導率が非常に低く、断熱性に優れている。 一方で、水に弱いという弱点もある。 |
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【ALC外壁塗装を検討中の方必見!】ALCの特徴やメリット・…
塗料も種類によって耐用年数や特徴が異なります。 家のメンテナンスの中で、定期的に行わなければならないもののひ…
塗料別の耐用年数の詳細は、以下の記事をご参照ください。
塗料の種類はこんなにある!業者に依存しない賢い選び方
外壁の塗り替え時期は、外壁材や塗料の種類だけでなく、住宅の立地やメンテナンス状況、地域の気候などによって異なります。
そのため、単純に経過年数だけで塗り替え時期を見極めるのは難しいのが現状です。
塗り替え時期の年数よりもっとよい目安は、“劣化サインの有無”。
塗膜は塗装機能が落ちると、さまざまな劣化の兆しがあらわれるのです。
以下に、9つの劣化サインを深刻度の低い順に紹介します。
排気ガスや酸性雨に日夜さらされている外壁は、経年劣化によって少しずつ汚れを蓄積していきます。
前回の塗装から10年以上経った外壁だと、外壁の一部が黒ずんでいることはめずらしくありません。
このような汚れは、住宅の外観をどうしても損ねてしまいます。とくに危険はありませんが、汚れが気になる場合は塗装を検討するのもよいでしょう。
コケやカビ、藻などは、日当たりや風通しが悪く、湿気がたまりやすい場所に発生しやすいです。日が当たりにくい北側の外壁などがそれに当たります。
カビは人体にアレルギー症状を引き起こすこともあるため、見つけたら早めに対処しましょう。
色あせは、経年劣化の初期サインの1つです。
風雨や直射日光のダメージが毎日少しずつ蓄積され、外壁の塗料が経年劣化し、色あせが起こります。
少し色あせているからといって、「すぐに塗装しなければ!」と焦る必要はありません。しかし、長く放置していると塗装の機能が少しずつ低下していき、色あせとは別の劣化サインが出てきます。
モルタルや鉄筋コンクリートなど、鉄部をふくむ外壁材だと、塗膜が劣化した影響で鉄部にサビが生じることがあります。
たとえばモルタルは、内部にラス網と呼ばれる網状の鉄部が存在します。
モルタルは非常に水に弱く、塗装で表面をカバーしなければ、外壁材として使えない建材です。
そのため、経年劣化によって塗装の防水機能が低下すると、モルタルは雨水を吸収します。
吸収された雨水がモルタル内部のラス網にまで達すると、さび始めるのです。
サビが発生したら、上から塗料を塗り直す前に、原因を確かめて根源を断つ必要があります。
以下の記事はとくにサビが目立ったお住まいをいえふくで外壁塗装した事例です。
はじめに 紫外線や風雨にさらされる家の外壁には、ほこりやコケ…
チョーキングとは、外壁に触ったとき手に白い粉が付着する現象です。“白亜化現象”とも呼ばれます。
触ったときに付着する粉は、経年劣化により塗料が粉末状になったものです。
これらのうち、構造クラックと縁切れクラックは、建物の耐久性に影響しかねないため、ひび割れ補修などの早急な対応が必要です。
ヘアクラックと乾燥クラックは、危険度は低く、慌てて対処する必要はありません。
しかし、放置するとひび割れが大きくなり、外壁の傷みや雨漏りなどにつながる恐れがあります。
ひび割れの詳細は以下の記事をご参照ください。
建物の外装メンテナンスを検討する時期は、新築時から10年目が…
膨れの原因となる施工不良は、剥がれと同様、乾燥しきっていない外壁に塗料を塗布することです。また、塗料を塗る前にサビを落とす作業が不完全で、残ったサビが膨れを引き起こすこともあります。
膨れが発生している箇所は、塗装機能が落ちていたり、長く放っておくと膨れ内部の湿気で外壁内部が腐食したりする恐れがあります。
経年劣化が原因で剥がれる場合と、施工不良が原因で剥がれる場合があります。
前回の塗装から10年以上経っているのであれば、経年劣化が原因である可能性が高いでしょう。
塗装から数カ月~数年しか経っていないのに剥がれが生じたときには、施工不良があった恐れがあります。
主に、次のような施工不良が考えられます。
外壁塗装では、外壁がきちんと乾いている状態で塗料を塗るのが基本です。この基本が守られないと、短期間で不具合が発生する恐れが高くなります。
塗膜が剥がれた箇所は、防水性や防錆(ぼうせい)性が失われた状態です。長く放っておくと、雨漏りやサビが発生する危険が出てきます。
雨漏りを放っておくと、水を含んだ建物の躯体が腐食し、住宅全体の強度に影響します。
雨漏りは、屋根を含む外壁の一部から雨水が浸入していることが原因で起こります。
雨漏りの詳細は以下の記事をご参照ください。
雨漏りといえば、天井からポタポタ落ちる雨水をイメージする人も…
外壁塗装を行うときは、まとめて屋根や付帯部も塗装するのがおすすめです。
理由は、次の2つが挙げられます。
屋根の塗装時期や劣化のサインなど、屋根塗装の詳細は、こちらの記事をチェックしてみてください。 屋根の防水性を維持するには、適切なタイミングで屋根塗装を行う…
屋根の塗装時期はいつ?屋根材で異なる塗装時期を知り最適なタイ…
外壁塗装に適した季節は、「塗装において何を重視するか」によって変わってきます。
塗装工事をスムーズに進めたい場合には、次のような時期に行うことをおすすめします。
ただし、これらの時期は外壁塗装業者の繁忙期でもあるため、予約がとりにくかったり料金が高額になったりする恐れがあります。
塗装の注文が少ない閑散期には、施工費を安くしてもらえる可能性があります。
塗装業者の閑散期は、2月と8月です。
ただしこれらの時期は、気温が低すぎることや湿度が高すぎることで、塗料が乾きにくく施工が長引く可能性があります。
木部や窯業系サイディングに塗装する場合は、梅雨など湿度の高い季節は避け、空気が比較的乾燥している秋や冬に行った方が安心です。
木部や窯業系サイディングは、湿度の変化によって伸縮する性質がある外壁材です。
外壁塗装は湿度が高い日を避けた方がよいといわれていますが、このような伸縮性のある外壁材への塗装はとくに乾燥した日の方がよいとされています。
塗料にはさまざまな種類がありますが、それらのなかには、日本国内のメーカーだと取り扱いが少ない種類のものがあります。
たとえば、環境への負荷や人体への悪影響が少ないことで知られる自然塗料は、国内のメーカーではあまり開発されていません。
日本国内で自然塗料を買い求める人は、大抵の場合、環境に対する意識が高く自然塗料の開発が盛んなドイツの自然塗料を購入することになります。
このように、塗料の種類などにこだわり輸入品を購入するのであれば、為替相場をチェックしておくとよいでしょう。
輸入品の価格は為替相場に左右されます。
円高の時期などに購入することができれば、その分安く塗料を入手できます。
それぞれメリット・デメリットはありますが、外壁塗装は天候などの条件が整えば、基本的にどの季節でも行えます。
梅雨時や真冬など、作業がしにくい季節に依頼する場合は、施工期間を長く確保してくれたり、天候の変化に対応してくれたりする業者を選びましょう。
地域の特性をよく理解している地元の業者に頼むのがポイントです。
外壁塗装の費用は、梅雨の時期だと通常よりも安くなることがあります。雨で塗装工事が遅れがちな梅雨の時期は、外壁塗装を避けるお客様が多く、塗装業者にとって閑散期だからです。
梅雨以外の時期で、季節の影響を受けて外壁塗装の価格が上下することは、あまりありません。
自宅の外壁塗装に際して、 自宅の外壁塗装を考えるとき、たいていの方はお金のことが頭をよ… ご自宅の外壁に、汚れや色あせ、ひび割れなどはないですか? こ…
「妥当な額で、妥当なクオリティの塗装工事を依頼したい」
「外壁塗装のコストをおさえたい」
などのように考えているのであれば、次の記事を一読しておくことがおすすめです。
外壁塗装の正しい相場|比較ができて見積もり書の確認にも便利!
全国にある!外壁・屋根塗装で補助金(助成金)を受け取る方法と…
外壁塗装を行うには、天候だけでなく気温や湿度にも一定の条件があります。
以下の場合は作業を行えないので、依頼の際は注意しましょう。
多くの塗料製品は、気温が5℃以下の場合には塗装を避けるよう注意書きが記載されています。気温が低すぎると、施工の途中で塗料が凍ったり成分が分離したりして、塗料の品質が著しく下がる恐れがあるためです。
塗料にこれといった不具合が起きなくとも、低すぎる気温のため塗った塗料がなかなか乾燥せず、施工が長引く可能性が高くなります。
湿度が高いと、気温が低いときと同様、塗料が乾きにくくなります。
また、被塗面(ひとめん)に水分が付くと塗料が付着しにくくなり、サビ止め効果が低下してしまいます。
雨によって塗料が流れ落ちるため、雨天の日は塗装できません。塗装期間中に雨が降った場合には、作業は中止されます。
「雨が多い時期=梅雨」と思い浮かべるかもしれませんが、 東京でとくに降水量が多いのは9月と10月です。
原因は、台風や秋雨前線などの影響が挙げられます。
塗装を行う場合には、以下の時期を避けるとよいでしょう。
外壁塗装には、基本的に以下の工程が必要です。
順調に進んだ場合でも、各工程に最低1日はかかるので、少なくとも10日~2週間ほど見ておきましょう。
反対に、10日よりも少ない工期を提示する業者は、塗りの回数を少なくしたり乾燥期間を短くしたりする可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。
外壁塗装は、ときに100万円以上の費用が発生する大きな買い物です。子どもの進学や結婚式など、お金のかかるライフイベントと重なった場合、外壁塗装にまでお金をかけるのが難しくなることがあります。
とくに多いのが、子どもの大学進学のために外壁塗装を見送らざるを得ないケースです。
大学の進学費用は、入学金・授業料・設備費などの合計で、約80~150万円かかります。私立の医学部ともなれば、400万円を超えることも珍しくありません。
外壁塗装を検討する際には、「大金が必要になるライフイベントと重ならないか」も注意しておくことが必要です。
外壁塗装とライフイベントがどうしても重なる場合は、リフォームローンを活用するなどの方法を検討するとよいでしょう。
外壁塗装には、主に以下の4つのメリットが挙げられます。
外壁塗装のメリットに加え、そもそも外壁塗装を定期的にしなければならない理由を理解することが大変重要です。詳細は以下の記事をご参照ください。 外壁塗装は本当に必要? お住まいの設備の定期点検時などに業者…
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また、外壁塗装の際には外壁の色を選ぶ必要もあります。色選びの詳細は以下の記事をご参照ください。 家の耐久性を維持するために、外壁は定期的な塗装が必要です。 …
外壁塗装で人気の色&上手な色選びのポイント【塗装予定者必見】
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外壁の塗装時期を見極めるには、外壁材の種類や前回の塗装工事からの経過年数、外壁の劣化サインの有無などが判断基準です。
日頃から外壁の状態をチェックしておき、劣化サインが目立つようだったら塗装を検討してみるとよいですね。
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