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屋根でよく聞く「コロニアル」とは?特徴やメンテナンス方法を紹介

屋根で「コロニアル」とは、スレートの屋根のことを指します。
一般住宅で広く採用されているので、自宅の屋根がコロニアルの方は多いでしょう。

屋根材として普及しているコロニアルですが、ガルバリウム鋼板や日本瓦に比べると、耐久面で劣る点があり、定期的なメンテナンスが必要です。

この記事では、コロニアルの特徴やメリット・デメリット、注意すべき劣化症状や補修方法をご紹介します。
自宅の屋根をコロニアルにしている人は、この記事を読んでメンテナンスの際に役立ててください。

※当記事に記載の相場の価格や耐久年数などは目安です

目次

コロニアルの特徴

この章では、コロニアルの特徴と、コロニアル屋根のメリットとデメリットを紹介します。

コロニアルとは?

「コロニアル」はスレートの別名

「コロニアル」は、1961年に屋根材のトップメーカーであったクボタ(現ケイミュー)が発売したスレートの商標名です。
市場のシェアが高かったため、コロニアルといえばスレートのことを指すようになりました。

スレートは「カラーベスト」と呼ばれることがありますが、カラーベストもクボタが販売しているスレートの商標名です。

最近の新築物件における使用比率は約30%

住宅金融支援機構の調査によると、最近の新築木造一戸建て住宅でスレートが採用される割合は32.7%です。
ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板の使用比率37.8%に次いで2番目に多く採用されており、市場に広く普及している屋根材です。

※引用:住宅金融機構「フラット35住宅使用実態調査報告(平成29年度)

コロニアルの材質

コロニアルは、セメントと繊維質の素材を主原料とし、練り混ぜた生地を薄板状に成形・加圧して製造したものです。
コロニアル本体には防水性はありませんが、表面に塗装を施すことで、防水性や耐久性を持たせています。

コロニアルの耐用年数

コロニアルの耐用年数は20年前後とされています。
製品によっては、無機塗料で塗装することで、30年以上きれいな状態が維持できるとされる製品も流通しています。

一方で、表面の塗膜が劣化すれば、屋根材としての防水性や耐久性が失われる点に注意が必要です。
10年前後で塗装することで、防水性や美観を維持することができ、雨漏りなどの心配がなくなります。

コロニアルの最低勾配

屋根の防水性と水はけを維持するため、適合する屋根の勾配(屋根の傾斜角度)は屋根材ごとに異なります。
コロニアルの場合、最低限必要な勾配は2.5寸とされています。

屋根の勾配についての詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:屋根の勾配は急・並・緩ごとに機能が違う!屋根リフォーム前の確認事項

過去の製品にはアスベストが使用されていた

コロニアルに含まれるアスベストとは?

上記で述べた通り、コロニアルはセメントと繊維状の原料を混ぜて製造する屋根材です。
かつては、この繊維状の原料に健康被害の原因となるアスベスト(石綿)が使用されていました。
アスベストの繊維は非常に細いため、加工や解体の際に空気中に飛散し、吸い込むと肺線維症や肺がんの原因になります。

アスベストを含むスレートはいつ頃まで製造されていた?

2004年に重量の1%以上アスベストを含む建材の製造や使用が禁止され、2006年には重量に対して0.1%以上含む全ての製品が禁止されました。
そのため、現在のコロニアルにアスベストは含まれていません。

しかし、2006年以前に建てられた住宅の屋根にはアスベストを含むコロニアルが使用されているおそれがあります。
アスベストが使用されているコロニアルの家に住んでいても健康被害が生じることはありませんが、葺き替えの際には注意が必要です。
アスベストによる汚染を防ぐため、解体や処分に費用が余分にかかることを覚えておきましょう。

2006年にアスベストが禁止されるまでの法規制の流れは以下の通りです。
コロニアルに限らず、古い住宅の改修や解体には注意が必要です。

  • 1975年(昭和50年)10月1日:重量の5%を超える石綿の吹付けが原則禁止
  • 1995年(平成7年)10月1日 :重量の1%を超える石綿の吹付けが原則禁止
  • 2004年(平成16年)4月1日 :重量の1%を超える石綿含有建材など、10品目が禁止
  • 2006年(平成18年)9月1日 :重量の0.1%を超える石綿含有製品が禁止

石綿(アスベスト)含有建材データベース』では、住宅の建造年や建材の商品名などからアスベスト含有の有無を簡単に調べることができます。
「ひょっとしてうちも?」と心配な方は検索してみることをおすすめします。

コロニアルのメリット

価格が安く経済的

市場に広く普及しているため、他の屋根材に比べて施工費用を低く抑えることができます。

コロニアル ガルバリウム ジンカリウム 日本瓦
費用相場 4,000円/㎡~ 6,000円/㎡~ 7,000円/㎡~ 8,000円/㎡~

デザインが豊富

形状や色が豊富で、住宅のスタイルや好みに応じて色や形状を選べます。
同系色で色の異なるコロニアルを混ぜて葺くタイプもあり、屋根に変化や趣が生まれ、高級感があります。

取り扱い業者が多い

業者が扱っていなかったり、不慣れな施工でミスが起こったりするおそれがなく、安心して採用することができます。

葺き替え・重ね葺きが容易

コロニアルは薄型のため、分厚く重量のある日本瓦と比べると解体・撤去が容易で費用も安くなります。
日本瓦は重量があるために重ね葺きのリフォームができませんが、コロニアルなら可能です。

さらにコロニアルは、同様に広く普及しているガルバリウム鋼板と比較した場合、塗装によるリフォームの費用を安く抑えることができます。
塗装のリフォームでは、塗装面に細かい傷をつけて塗料が下地にしっかり付着するようにする「ケレン」という作業を行います。
金属であるガルバリウム鋼板は、表面がツルツルして塗料が付着しにくいため、より高度なケレン作業が必要です。そのため、作業費用も高額になるのです。

ケレン種類 ケレン作業単価
(1㎡あたり)
ケレン費用合計※
コロニアル 4種 300~400円 30,000~40,000円
ガルバリウム鋼板 2種 1,500~2,000円 150,000~200,000円

※費用はあくまでも目安です。
※30坪前後の平均的な戸建て住宅の屋根(100㎡前後)で算出
※コロニアルの塗装の状態が悪い場合ケレン作業単価があがる場合があります

コロニアルのデメリット

耐久性に劣る

日本瓦やガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板と比較すると耐久性に劣ります。
ただし、定期的に塗装することで美観や耐久性を維持することは可能です。

割れやすい

薄いコロニアルは、上に人が乗ったり台風や強風で飛来物がぶつかったりした際に容易に割れてしまうため、注意が必要です。
外壁の清掃や屋根の点検をDIYでやろうとして屋根に乗り、コロニアルを割ってしまう場合があるので気を付けましょう。

凍害のおそれ

塗装されていてもコロニアルには、わずかながら吸水性があります。
寒冷な地域では、コロニアル内部の水分が凍結・融解を繰り返すことによって、ヒビが入ったり劣化が早まったりする凍害のおそれがあります。

コロニアルの劣化症状

前章で、コロニアルの素材自体には耐水性がないこと、塗装によって屋根材としての防水性や耐久性を持たせていることを紹介しました。
この章では、コロニアルの塗装面に起こる劣化症状を紹介します。
劣化の症状に応じて、適切な補修を行うことをおすすめします。

変色

塗膜が紫外線の影響を受けて劣化することでコロニアルは変色します。
色がさめているだけなら、ただちに塗膜の防水性が失われるわけではありません。
しかし、表面に白い粉が吹き出てくるチョーキング現象が起こっている場合、塗料の基剤である合成樹脂の劣化が始まっているサインです。

色さめやチョーキングが確認できたら、専門家による点検を依頼し、屋根の状態を確認するとよいでしょう。

コケ・藻

コロニアル表面の塗膜が劣化して防水性が低下すると、屋根面に残る水分や汚れを元にコケや藻が繁殖します。
コケや藻は屋根表面の水はけを悪くするため、表面の劣化をさらに早めることとなるのです。
コロニアルの防水性が失われている状態ですので、早めに屋根塗装の補修を検討しましょう。

塗膜の剥がれ

塗膜の劣化が進行したコロニアルでは、塗膜が剥がれてコロニアル本体が剥き出しになってきます。
この段階まで劣化が進行したコロニアルに塗装をする場合、古い塗膜を高圧洗浄やケレンで除去してから塗装を行う必要があります。
古い塗膜が残っていると塗装を行っても早期に剥がれてしまうおそれがあるためです。

塗膜だけでなくコロニアル本体まで劣化が進行している場合もあるため、塗装だけでなく葺き替えや重ね葺きも検討しましょう。

ひび・反り・欠け

コロニアルのひびや反り・欠けは、表面を保護している塗膜の機能が失われ、防水性のないコロニアル本体に雨水が浸み込むことで起こります。
雨水が浸み込んでコロニアルが膨張・乾燥したり、浸み込んだ雨水が凍結・膨張を繰り返したりすることで、ひびや反り・欠けが生じるのです。

ひびや反り・欠けが生じると雨水がコロニアルの下に浸入し、雨漏りの危険が高くなります。
この段階の劣化が始まっているコロニアルは塗装では補修できないため、葺き替えや重ね葺きなどの補修が必要となります。

基材湿潤

コロニアル本体に雨水が浸み込み、全体的に劣化が進行した状態です。
コロニアルが層状に分離して剥がれてくる状態もめずらしくありません。

葺き替えや重ね葺きによる補修を行います。
しかし、コロニアルによって保護されていた葺き材まで劣化が進行している場合は、葺き替えて下葺き材からやり直す必要があります。

棟板金のサビや釘抜け

コロニアル屋根の棟(屋根面同士が屋根の一番高いところで接している部分)は、雨や風の影響を受けて劣化や破損しやすい部分です。
そのため、棟板金という金属製の板で保護されています。

棟板金がさびて穴が開いたり、固定している釘が抜けて棟板金が浮いたりすると、棟部分から雨水が浸入してしまいます。
雨漏りの危険が非常に高くなるため、不具合が確認できた場合には早急に補修をしてもらいましょう。

コロニアルの劣化を放置するとどうなるの?

コロニアルが劣化すると屋根の内部に雨水が浸入し、屋根の内部で深刻な不具合を引き起こす危険が高くなります。

雨漏り

コロニアルの下には防水性の高い下葺き材が貼ってあります。
そのため、コロニアルが劣化して雨を防げない状態になったからといって、すぐに雨漏りが始まるわけではありません。

しかし、下葺き材の継ぎ目や屋根の谷部分など、浸入できる箇所があれば雨水は容易に屋根の内部まで浸入し、雨漏りの原因となります。
雨漏りが始まる前に屋根の内部でカビや腐食が進行していることもあるのです。
雨漏りした箇所だけでなく、屋根内部を詳しく点検すると安心です。

カビの発生

屋根の内部に雨水が入り込むと、いつまでも乾燥しないためにカビの原因となります。
カビが増殖して屋根裏まで繁殖すれば、いずれはカビによる健康被害が生じる危険もあります。

屋根内部の腐食

木造住宅の場合、屋根を構成する野地や棟木、垂木などは木材でできています。
雨水が浸入して濡れた状態が続くと、木材を腐敗させる菌が増殖して屋根内部の腐食が始まるのです。
屋根の耐久性が損なわれ、地震の際に屋根が崩壊する可能性もあり、とても危険な状態といえます。

コロニアルの補修方法

この章では、コロニアルの補修方法を紹介します。
コロニアルは、劣化が進行するとより大がかりな補修が必要となり、かかる費用も高額になります。
コロニアルの劣化症状に気づいたら、早めに補修することをおすすめします。

※当記事に記載の工期、費用はあくまでも目安です
※補修頻度は新品のコロニアルに施された塗装の種類や耐久性によっても異なります
※費用相場は、全て30坪前後の平均的な戸建ての屋根約100㎡の場合です

塗装

表面の塗装の状態を最善に保つことで、コロニアル本体の劣化を防ぎます。

コロニアルの塗装にかかる工期と費用相場

  • 工期:10日~2週間
  • 費用相場:40~60万円
  • 補修頻度:新築から約10年、以降は定期点検で塗膜の状態を確認の上判断

コロニアルの塗装に適した塗料

耐久性の高い塗料や直射日光の熱を遮る機能を持たせた塗料を使用すると、補修の頻度を減らしたり、屋根裏や室内の温度を下げる効果が期待できます。
それぞれの塗料の説明とおすすめできる塗料を挙げていきます。

高耐候性塗料

無機塗料ややラジカル制御型塗料など、耐候性(屋外の使用で変色や劣化しにくいこと)の高い塗料を使用することで長期間美観を保ち、塗り替えの頻度を減らすことができます。
「ファイン4Fベスト」(日本ペイント)
「ニッペ ファインパーフェクトベスト」(日本ペイント)

遮熱塗料

物質に吸収されると熱エネルギーに変化する赤外線を反射させ、塗装面の温度上昇を抑える塗料です。
「エコの切り札!?外壁塗装で使われる「遮熱塗料」の効果とは」
「ニッペ パーフェクトクーラーベスト」(日本ペイント)

断熱塗料

地上とは比較にならないほど過酷な環境である宇宙空間を飛ぶロケット用に開発された塗料です。
塗料中に特殊なセラミックビーズを配合することで熱の伝達を遮断します。
「ガイナ」(日進産業)
「ヒートカット」(東亜システムクリエイト)

防サビ塗料

棟板金の塗装に用い、サビを抑える効果のある塗料です。
すでにあるサビを除去する効果はないため、ケレン作業でサビを落とした後で塗装します。
「1液水性デクロ」(日本ペイント)

コロニアルの塗装工程

コロニアルの塗装工程については、こちらを参照ください。
外壁塗装・屋根塗装のいえふく「施工の流れ」

必ず「縁切り」を行う

「縁切り(えんぎり)」とは、コロニアル同士が重なっている部分のすき間をふさぐ塗料を刃物などで取り除き、すき間を確保する作業です。
縁切りが不十分だと、コロニアルの下に入り込んだ雨水を排出できず、雨漏りの原因となります。

「タスペーサー」と呼ばれる部材をコロニアルの重なり部分に差し込むと、コロニアルや塗装に傷をつけることなくすき間を確保することができます。

重ね葺き

古いコロニアルを撤去せず、上から新しい屋根材をかぶせる方法で、葺き替えよりも費用を安く抑えられます。
塗装よりも費用はかかるものの、補修が長持ちするため、塗装を行うタイミングで重ね葺きにすることもあります。

重ね葺きにはガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板、アスファルトシングルが使用されます。
ただし、コロニアルだけでなく下葺き材や屋根の構造部分まで劣化が進行している場合には、葺き替えが必要です。

アスベストを含有するコロニアルは撤去や廃棄の費用がかかるため、重ね葺きが推奨されます。

コロニアル屋根を重ね葺きで補修した場合の工期と費用相場

  • 工期:約1週間
  • 費用相場:50~150万円
  • 補修頻度:新築から約10~15年、その後は10年前後で重ね葺きした屋根材の状態を見て判断

重ね葺きの工程

1、準備

足場を設置します。足場の周囲を養生シートで覆います。

2、下葺き材の貼りつけ

既存の屋根の上に下葺き材を貼りつけます。

3、上から新しい屋根材を重ね葺き

重ね葺きする屋根材ごとに規定されている施工手順に従って屋根を葺きます

葺き替え

古いコロニアルを撤去し、新しい屋根材で葺くリフォームです。
コロニアル屋根全体で劣化が進行し、下葺き材や屋根の構造でも補修が必要な場合は葺き替えで補修をする必要があります。

コロニアル屋根を重ね葺きで補修した場合の工期と費用相場

  • 工期:約1週間~10日
  • 費用相場:100万円~(30坪前後の平均的な戸建ての屋根約100㎡の場合)
  • 補修頻度:新築から約20年

重ね葺きの工程

1、準備

足場を設置し、足場の周囲を養生シートで覆います。

2、屋根材・下葺き材の撤去

既存の屋根材と下葺き材を撤去します

3、野地板の補修・張り替え

下葺き材の下には、野地板と呼ばれる木材の薄板が張ってあります。
下葺き材が劣化していた場合などは野地板が腐敗していることもあるため、不具合があれば野地板も撤去し、新しい野地板に張り替えます。


【野地板】

4、下葺き材の貼りつけ

防水性のある下葺き材をすき間なく貼りつけます。

5、軒先の加工

屋根材を貼る前に、軒先を保護する部材を取り付けます。

6、屋根材で葺く

新しい屋根材で屋根を葺きます

7、棟工事

屋根と屋根が接する棟部分の工事を行います。屋根の形が複雑である場合には棟工事が増えるため、施工費用がかかります。

アスベストを含むコロニアルを葺き替える場合の注意点

コロニアルに含まれるアスベストはセメントで固められており、飛散する危険は低いとされています。
それでも、アスベストを含有しているコロニアルを撤去・処分する際にはアスベストが飛散しないように特別な対応を取る必要があります。

アスベストを含むコロニアルの撤去・処分費用

費用相場:一般的なコロニアルの撤去処分費用+25~30万円
※処分施設の状況によってはさらに高額になる場合もあります

工事前に計画書を作成する

アスベストを含むコロニアルを安全に撤去・処分できるよう、事前に作業計画書を作成します。

石綿作業主任者を選定する

アスベストを含む建材の撤去に関する教育を受けた作業主任者が現場で作業を管理する必要があります。

粉じん対策

アスベストを含むコロニアルの解体作業では、粉じん対策のために特殊なマスクや作業着を身につけます。
また、粉じんが飛散しないように散水しながら手作業で解体を行います。

アスベスト含有コロニアルの処分

アスベストが飛散しないよう、密閉性の高い容器に入れて処分します。

まとめ

コロニアルの特徴とメリットやデメリット、補修方法を紹介しました。
金属系の屋根に屋根材シェア率首位の座を明け渡してはいるものの、コロニアルはよい点の多い屋根材です。

定期的に点検し、適切に補修を行えば、住宅を雨や直射日光から守る役割を十分に果たしてくれます。
コロニアルの塗装をご検討の場合は、ぜひいえふくにご相談ください。
実績豊富な施工業者が、心をこめて皆さまの住まいを守るお手伝いをします。