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軒天には定期的な塗装が必要!

軒天は目が届きにくく、メンテナンスを忘れがちな部分です。
しかし、軒天の劣化を放置すると他の建材も傷んでしまい、建物にとって致命的な影響を及ぼしてしまいます。

今回は、軒天の劣化やメンテナンスの作業工程、費用相場などを紹介します。
建物を守るため、軒天についてしっかり確認して気を配るようにしましょう。

目次

軒天とは

まずは、軒天の場所から説明します。
軒とは、外壁より外側に出た屋根の部分で、軒の裏側にある天井部分を軒天と呼びます。
軒の下に立って上を見上げたとき、天井となっている部分が軒天です。

軒天には基本的に日が当たらないため、白色やクリーム色など明るい色の塗料を使用して明るさを出すことが多いです。

軒天は垂木や野地板を隠すほか、火事の被害を抑える役割も担っています。
垂木は屋根板を支えているパーツで、垂木の上に張られるのが野地板です。

軒天には不燃材が使用されているため、延焼を防ぐことができるのです。
また、多数の穴が開いた有孔板であるため空気を取り入れることができ、結露やカビの防止にも役立っています。

軒天の材料

軒天に使われる材料は、大きく5種類に分かれます。
それぞれの特徴についてみていきましょう。

合  板

合板は古くから軒天の材料として使われており、築30年以上経つ建物によくみられます。
合板は薄い木を重ねてつくられているため非常に軽く、ベニヤ板と呼ばれることもあります。
また、合板の上から模様付きのシートをかぶせることで様々な風合いを出すことが可能です。
ただし、耐火性や耐久性はケイカル板に劣るため、近年では使用されることが少なくなっています。

ケイカル板


引用:チヨダウーテ株式会社

近年軒天の材料として主流となっているのが、ケイカル板です。
ケイカル板はケイ酸カルシウム板とも呼ばれ、耐火性や耐水性に優れています。
さらに軽くて丈夫なので、台所などの水回りや暖炉などさまざまな箇所で使用されています。
また、法律で燃えない材料として認定された法定不燃材です。
合板と同様に上から模様付きのシートをかぶせているタイプのほかに、元々色が付いている板や後から塗装するタイプなどがあります。

フレキシブルボード


引用:アイカテック建材株式会社

フレキシブルボードはセメントに繊維質のものを混ぜてつくられたもので、繊維強化セメント板、スレート、スレートボードとも呼ばれます。フレキシブルボードはケイカル板と同様に法定不燃材で、高い強度を持つことから遮音壁やトンネルの内装にも使用されています。

スラグ石膏板


引用:吉野石膏株式会社

スラグ石膏版は、スラグという燃えない鉱物に再生された石膏を混ぜ合わせてつくられます。
スラグ石膏版はエクセルボードとも呼ばれ、法定不燃材に認定されています。

金属板

軒天には、ガルバリウム鋼板やアルミスパンドレルなどの金属板が使われることもあります。金属なので軽く、耐火性にも優れています。

軒天の劣化

以下の症状がみられる場合は、軒天が劣化しているサインです。早急に塗装を検討しましょう。

色あせ

日の当たらない場所にある軒天でも、地面からの照り返しによって少しずつ色あせていきます。
色あせは塗装することで解消できます。

シミ

シミがみられる場合、雨漏りやすが漏りが発生している可能性が非常に高く、危険な状態です。すが漏りとは、雪が原因となった浸水のことです。
一度軒天を撤去して点検し、新しい軒天への張り替え・塗装が必要となります。

塗膜の剥がれ

雨風の影響で、軒天表面の塗膜が剥がれてしまうことがあります。
剥がれた部分から軒裏に水分が侵入すると雨漏りの原因となるため、早急な塗装が必要です。

カビ・藻・コケの発生

軒天部分がきちんと通気できていない場合、湿度が上がってカビや藻、コケが発生してしまいます。
シミと同様、雨漏りやすが漏りが発生していることも考えられるため、危険度は高いです。

コーキングの劣化部分から雨水が侵入している可能性もあるので、早急に点検・補修が必要です。

欠落・穴の発生

軒天の劣化が進むと、やがて一部が欠落したり穴が開いたりします。
動物の営巣も考えられるので、早めの対処が必要です。

軒天の劣化を放置すると

軒天の劣化を放置すると、建物に以下のような致命的な影響を及ぼします。1年に1回を目安に軒天の状態をチェックしておきましょう。

すが漏りの原因になる

すが漏りとは、雪どけ水の凍結によってせき止められた水が、屋根材の隙間から建物内部に侵入することです。
軒天が劣化すると通気がうまく行われず、湿度が上がって水が溜まりやすくなり、すが漏りの原因となります。

すが漏りが起こると、垂木や野地板、破風板も傷んでしまい、補修しなければいけなくなります。
破風板とは雨樋のついていない屋根の先端につけられる板のことです。
塗装で済むうちにメンテナンスしておきましょう。

雨漏りやすが漏りがすでに発生している場合も

雨漏りやすが漏りがすでに発生している場合、放置すると建物内部が腐食し、最悪の場合建て替えが必要になります。

外観を損なう

軒天が劣化すると、汚れも付着しやすくなります。
外壁や屋根のメンテナンスをきちんと行っている場合、軒天の汚れはかなり目立ちます。
外壁や屋根と合わせて軒天も塗装するようにしましょう。

軒天塗装の相場と作業工程

相場

軒天塗装にかかる費用相場は、以下のようになります。
※以下記載の金額はあくまで目安です

  • 1㎡あたり1,000円~1,500円
  • 必要であれば、足場費用が別途15~20万円
  • 塗装面積が50㎡(足場あり)であれば、約265,000円

実際に行われる軒天塗装の作業工程をみていきましょう。

作業工程

1. 清掃

まず、ハケや雑巾、サンドペーパーなどで軒天表面の清掃を行います。
通気部分から水が侵入してしまうため、高圧洗浄はできません。
このとき既存塗膜に不具合がみられる場合は、除去します。

2. ケレン作業を施す

ケレン作業とは、古い塗膜を落とし、細かい傷をつけて塗料の付着力を高めることです。

3. さび止め塗布

軒天を固定している釘や鉄部にさび止めを塗ります。

4. 吸い込み止め塗布

塗料が下地に吸い込まれるのを防ぐため、吸い込み止めを塗ります。
吸い込み止めを塗らないと、塗料のツヤが失われやすくなるのです。

5. 下塗り

上塗り材の密着性を高めるため、シーラーと呼ばれる塗料などで下塗りをします。

6. 中塗り

下塗り材が乾燥したら、中塗りをします。
中塗り塗料は、基本的には上塗りと同じものを使います。

7. 上塗り

中塗りが乾いたのを確認し、上塗りをします。
上塗りが乾いたら作業完了です。

DIYでの軒天塗装

軒天塗装は天井に向けての塗装となるため、上を見上げて行います。
屋根の上や脚立の上にのって行う塗装は転落の危険があり、慣れていないと大変危険です。
また、軒天上に1枚の膜をつくる軒天塗装はほかの箇所より難しく、塗料が外壁や屋根に付着するなどのトラブルも考えられます。
軒天を塗装する際は、DIYではなく業者に依頼することが望ましいです。

軒天塗装に使用する塗料について

軒天塗装に使用する塗料は、大きくEP・AEP、NAD、SOPの3種類です。それぞれの特徴と色の選び方について紹介します。

EP・AEP

EPは酢酸ビニル系エマルションペイントのことで、AEPはアクリルエマルションペイントを指します。
現在流通しているエマルションペイントはほとんどがアクリルエマルションなので、同じ意味で使われています。

比較的安価で、水で薄めるため安全性も高い塗料です。
新築時にはEPがよく使われますが、接着性はNADに劣ります。

NAD

NADとは、アクリル樹脂系非水分散形塗料のことです。
接着性や耐水性に優れ、改修の際によく使われます。ヤニ止めにも効果的です。
EPより価格は高いですが、近年人気が伸びている塗料です。

SOP

SOPとは、合成樹脂調合ペイントのことです。
SOPは油性で乾燥が遅いこともあり、現在ではほとんど使われていません。
訪問販売業者には、売れ残ったSOPを使用する悪徳業者が多いため、注意しましょう。

色の選び方

軒天には日が当たらないため、どうしても暗くなってしまいます。
建物を明るく見せるには、白色やクリーム色を使用するといいでしょう。
落ち着いた印象にしたい場合は、屋根の色と合わせるのがおすすめです。

まとめ

軒天は、火事の被害を抑えたり、通気をよくするという重要な役割を担っています。
雨漏りやすが漏りなどのトラブルを防いできれいな外観を保つため、外壁や屋根と合わせて定期的なメンテナンスを行いましょう。