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塗装の主流!シリコン塗料とは
公開日:2018/04/04 / 最終更新日:2021/06/24
外壁塗装において、塗料選びは施工費用や建物の耐久性に関わる非常に重要な工程です。
今回は、数ある塗料のなかでも人気を呼んでいるシリコン塗料を中心に紹介します。
塗料に関する知識をしっかり持ち、業者が提案する塗料が適切かどうか判断できるようにしておきましょう。
1. シリコン塗料とは
シリコン塗料の正式名称はアクリルシリコンといい、ベースとなるアクリルにシリコンを加えた塗料のことです。シリコン塗料の主な特徴を下記に紹介します。
シリコン塗料の種類
シリコン塗料は、水性1液型、溶剤1液型、溶剤2液型の3種類に大きく分けられます。
3種類のうち溶剤1液型と溶剤2液型は、油性です。
1液型と2液型とではグレードに違いがあり、2液型の方が優れた塗料となります。
2液型の塗料は価格が高い分、耐久性に優れ、スレート板や鉄部、金属などより広い箇所に使用できます。
水性塗料と油性塗料の違い
外壁塗装では、塗装前に塗料を液体で溶かして使用します。
塗装後の乾燥で液体が蒸発し、塗料が密着する仕組みです。
水で溶かすタイプが水性塗料、溶剤で溶かすタイプが油性塗料です。
油性塗料は、溶剤塗料とも呼ばれます。
油性塗料の方が耐久性・密着性・防汚性など機能的に優れていますが、価格が高く臭いが強いデメリットもあります。
シリコン塗料のシェア率
戸建て住宅の塗り替えのうち、シリコン塗料のシェア率は約70%にのぼります。
価格と耐久性のバランスが良く、コストパフォーマンスが高いシリコン塗料は、現在主流となっている塗料です。
シリコン塗料の耐用年数と価格相場
シリコン塗料の耐用年数は、約10~15年です。
ただし、建物の立地や塗装箇所、塗料の種類によって変動します。
箇所別の価格相場は下記の通りです。
- 外壁:2,500~3,500円/㎡
- 屋根トタン: 1,800~2,200円/㎡
- 屋根コロニアル: 1,800~2,500円/㎡
- 瓦屋根(セメント): 2,300~2,500円/㎡
主なメーカーのシリコン塗料
シリコン塗料の主なメーカーは、下記の通りです。
- 日本ペイント
- 関西ペイント
- エスケー化研
- ロックペイント
詳しくは、「塗料の種類はこんなにある!業者に依存しない賢い選び方」をご覧ください。
2. シリコン塗料のメリット・デメリット
シリコン塗料のメリットとデメリットについてみていきましょう。
メリット
コストパフォーマンスが良い
他の塗料と比べ、低価格ながら耐久性に優れていることが、シリコン塗料最大のメリットです。
「アクリル塗料やウレタン塗料が持つ耐久性では不満だが、フッ素塗料となると費用が高すぎる」という方に人気なのです。
塗膜が比較的汚れにくい
シリコン塗料の塗膜は撥水性に優れているため、雨水に含まれた汚れや泥、ほこりを弾いてくれます。
塗膜が固く低電圧性であることも、汚れにくい理由です。
汚れが付着しても、シリコン塗料は防汚性に優れているため簡単に落とすことができます。
耐熱性が高い
約600℃に耐えられるシリコン塗料は、暑い地域でも安心して使用できます。
艶(つや)があり美しい仕上がりになる
シリコン塗料は他の塗料と比較して光沢保持率が高く、きれいな塗膜を長期間維持することができます。
塗料の種類が多い
シリコン塗料は種類が多くあるため、「防汚性を重視したい」「防カビ性を重視したい」などさまざまな要望や環境に合ったタイプを選ぶことができます。
デメリット
ひび割れが起こりやすい
シリコン塗料は約10年で塗膜が固くなり、ひび割れが起こりやすくなります。
特に地震などで建物が振動することがあれば、ひび割れする可能性がより高くなります。
重ね塗りに向いていない
シリコン塗料の表面は固く撥水性に優れている分、付着力が弱いです。
重ね塗りする場合は、フィラーやプライマーを塗布するなどの工夫が必要です。
フィラーやプライマーは、上塗り塗料の密着性を高めるための下塗り塗料のことです。
DIYに向いていない
低粘度で顔料が沈殿しにくいシリコン塗料は、施工不良が起こりやすい塗料です。頻繁にかき混ぜなければいけないなど、気を配るポイントが多いため、DIYには向いていません
密着性に劣る(水性1液型)
水性1液型のシリコン塗料は使いやすい反面、密着性に劣ります。
溶剤2液型の場合、硬化剤を混ぜれば密着性を高めることができます。
ただし、硬化剤を混ぜると作業時間が限られるため、扱う業者は多くありません。
現在の主流は、耐久性が高く扱いやすい溶剤1液型です。
シリコン塗料はこんな人におすすめ!
下記のポイントに当てはまる方には、シリコン塗料をおすすめします。
- コストパフォーマンスを重視する
- 光沢感のある外壁にしたい
- 掃除やメンテナンスの手間を減らしたい
3. シリコン塗料VSその他の塗料
シリコン塗料とほかの塗料をより詳しく比較します。
アクリル塗料
アクリル塗料は、塗料とアクリル樹脂を混ぜ合わせたもので、30年以上前に主流となっていました。
軽量で、色をくっきり見せる特徴があります。
アクリル塗料は耐久性が低いため、とにかく費用を安く済ませたい方や、頻繁に塗り替えたい方に向いています。
価格相場は1㎡あたり1,400~1,600円でシリコン塗料より低価格ですが、耐久年数は5~7年と比較的短いです。
ウレタン塗料
ウレタン塗料の主成分はウレタン系樹脂です。
使用用途が幅広く、中でも木製素材・塩ビ製素材・鉄部によく使用されます。
密着性に優れているため、塗料がはがれやすい部分への塗装には最適です。
価格相場は1㎡あたり1,700~2,000円でシリコン塗料より安いですが、耐久性は8~10年と劣ります。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は2015年に発売された新しい塗料で、高耐候酸化チタンと光安定剤が配合されているため、劣化しにくいのが特徴です。
価格相場は1㎡あたり2,500円~3,300円、耐用年数は約15年とシリコン塗料に劣りません。しかし、実績が少なく知名度も低いことから、まだ広く普及していません。
フッ素塗料
フッ素塗料は耐久性に非常に優れた塗料ですが、価格が高いため一般家庭よりも都市部のビルに多く使用されています。
耐久性のほか、撥水性、耐薬品性、低摩擦性、耐候性にも優れています。
価格相場は1㎡あたり3,500円~4,800円で、耐用年数は15~20年です。
光触媒塗料
光触媒塗料は、太陽光で汚れを落とすことができる最新の塗料です。
空気浄化機能が高く、環境にやさしいため、次世代塗料として注目されています。
ただし、太陽が当たるところでしか効果がないことや種類が少ないなどのデメリットもあります。
価格相場は1㎡あたり4,000円~5,000円でシリコン塗料より高いですが、耐用年数は15~20年と長いです。
無機塗料
無機塗料とは、塗料の原料に炭素を含まない無機物が配合された塗料です。
無機物は紫外線による劣化がないため、無機塗料は高い耐久性を持ちます。
ただし、ほんの少し無機物が含まれているだけで無機塗料としている悪徳業者もいるため注意が必要です。
価格相場は1㎡あたり4,500円~5,500円とシリコン塗料に比べて高価ですが、耐用年数は20~25年と長いです。
遮熱塗料
遮熱塗料は、太陽光に含まれる近赤外線成分の反射率を上げることで、表面温度の上昇をおさえています。
外壁の表面温度が下がると室内の温度上昇も抑えられ、冷房費を削減することができます。
価格相場は1㎡あたり4,000円~5,000円でシリコン塗料より高いですが、耐用年数は15~20年と長いです。
4. まとめ
外壁塗装において一番人気のあるシリコン塗料ですが、メリットとデメリットの両方を把握しておくことで、業者が勧めてきた塗料が建物に合っているかどうか判断できます。
正しい塗料選びで、失敗のない外壁塗装を実現しましょう。
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