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破風板の役割と修理方法|早めの修理とメンテナンスが重要!

家の定期点検で「破風板が傷んでいる」と指摘されたものの、破風板がどの部分かわからない人も多いでしょう。
普段あまり馴染みのない破風板(はふいた)は、屋根を構成する部位の一つです。
単なる飾りにも見える破風板ですが、家を守る重要な役割があります。

この記事では、破風板の特徴や修理方法などを説明します。これから屋根や外壁の定期点検をする方も、ぜひチェックしてくださいね。

目次
  1. 1. 破風板とは
  2. 2. 破風板の役割
  3. 3. 破風板の故障
  4. 4. 破風板の修理
  5. 5. 破風板の破損を防ぐ方法
  6. 6. おすすめの破風板メーカー
  7. 7. まとめ

1. 破風板とは

破風板とは何か、どこを指しているのか、破風板の特徴について詳しく説明します。

破風板とは

破風板(はふいた)とは、屋根と外壁の間にある山形の部材です。
「風を破る板」という読み通り、屋根瓦や屋根の内部へ風が吹き込むのを防ぐ役目があります。

破風板は鼻隠しやケラバと似たような場所にあるため、混同されがちです。
それぞれの違いを確認しましょう。

  • ケラバ:屋根の妻側に出っ張る、破風と壁までの間の屋根部分
  • 鼻隠し:屋根の樋(とい)が付く側の先端部分に設置された横板状の部材。
  • 破風板:屋根の妻側(三角の面で樋(とい)が付いていない方)に山形に付けられた板。

破風板の材質

破風板の材質は主に3種類あります。

木質系

以前はほとんどの破風板が木質系でしたが、防火性に劣るため最近ではあまり使われていません。
木質系の破風板は築20年以上の家屋で多く使用されています。
外壁や屋根に比べると劣化が早いため、塗装などのメンテナンスが必要です。

金属系

現在多くの住宅で使われているのが、金属系の破風板です。
トタン製は塗装の必要があります。
ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーで、耐久性と化粧性に優れています。
しかし、耐火・耐熱性は低く、火災などで高熱にさらされると曲がることがあります。

窯業(ようぎょう)系

窯業とは、粘土、ケイ砂、石灰などを高熱処理して、陶磁器や瓦、ガラスなど非金属原料を製造する工業です。
窯業系の破風板は、耐久性、耐火性、化粧性に優れています。
重量があるため耐震性は劣りますが、瓦のように屋根一面に張り付けるものではないので、施工に大きな負担はありません。
これから新築される人は、窯業系の破風板がおすすめです。

2. 破風板の役割

破風板には4つの重要な役割があります。

防風

屋根や軒天などは上から吹き降ろす風には強いですが、横風や下から吹き上げる風に弱い特徴があります。
破風板は、横や下から吹く強風を防いで屋根を守る役割があるのです。

防雨

台風などの暴風雨のときの雨は、斜めや真横からも降ります。破風板は、屋根の中に雨水が吹き込むのを防ぎます。

防火

一般的に住宅の火災は下から上に延焼していきます。破風板は、延焼を遮り火の手が回ることを防ぐ役割があります。

破風板がなければ炎を遮ることができず、窓から上がった炎はあっという間に軒まで達します。
破風板は、防火性能が高い素材でできているため、住宅を延焼から守るのです。

見栄えを良くする

屋根部分は垂木や桁などの木材で支えらえていますが、破風板がないと垂木や桁などの内部の木材が丸見えになり見栄えがよくありません。
破風板は内部の木材を隠し、見栄えを良くします。

3. 破風板の故障

住まいにとって重要な破風板は、壊れると故障して役割を果たさなくなります。
ここでは、壊れた原因・壊れたことで起きる弊害を説明します。

壊れる原因

破風板が壊れる原因は、主に以下の3つです。

経年劣化

破風板は雨や風、紫外線の影響を受けやすい場所にあるため、時が経つにつれて劣化します。
塗膜が剥がれ、腐食することもあるのです。とくに木質系は、如実に劣化が表れます。

台風などの強風

台風などの強風により、壊れたり剥がれたり、落下する恐れがあります。
屋根に積もった雪が落ちる際に、破風板が壊れることがあります。

積雪

屋根に積もった雪が落ちる際に、破風板が壊れることがあります。

壊れたまま放置すると

破風板が壊れたまま放っておくと、塗膜が剥がれたり色あせが起きたりします。
これらは、劣化のサインですので要注意です。早めの点検をおすすめします。

雨漏りする

破風板に剥がれや破損が起こると、雨水が屋根の内部へ侵入し雨漏りが起こります。
破風板からの雨漏りは、家の内部で起こるため気づきにくく、気づかぬうちに腐食が進んでしまう可能性もあるのです。

他の屋根材も劣化する

破風板が腐ると、他の屋根材まで腐食が進み、家全体に大きなダメージを与えてしまいます。

4. 破風板の修理

破風板が壊れたときは、早めに修理をすることが重要です。
修理方法や相場をチェックしましょう。

修理すべき破風板の状態

  • 塗膜が剥がれている
  • 色あせている
  • 割れて壊れている
  • 落下している

上記のような状態は、すぐに修理が必要です。

破風板の修理方法

破風板の耐用年数は20~30年です。
しかし、風雨や紫外線にさらされ続けて劣化するため、メンテナンスが必要です。
破風板には次の3種類の修理方法があります。

塗装

早めのメンテナンスには、塗装がおすすめです。
塗装はどの材質の破風板であっても行うことができる修理方法です。
塗装すれば、防水性や耐久性、美観を高められます。

金属板金巻き

木質系の破風板は耐久性が低いので、修理の周期が短くなります。
そのため、破風板の周りに、ガルバリウム鋼板などの金属板を巻きつけて耐久性を高めます。
塗装による修理方法よりも、耐久性や美観を高められるのです。

破風板の交換

既存の破風板や破風板下地が傷んでいるときは、破風板を新しく交換します。
窯業系の破風板への交換が一般的です。

症状ごとの修理方法と相場

破風板の劣化状態により修理方法は異なります。
相場と合わせてチェックしましょう。
ただし、修理の際は以下の費用とは別に、足場代も必要となります。

修理方法 破風板の症状 単価(1mあたり)
塗装 少しだけ破風板の塗膜が剥がれている 2,000円
金属板金巻き 破風板の塗膜が剥がれているが、下地は傷んでいない 4,000円
窯業系破風板交換 塗膜が剥がれ、下地も傷んでいる 6,000円

火災保険が適用できることも

“火災保険は火事の場合のみの補償適用”と思われがちですが、落雷や風災、雪災や水災などの自然災害で被害を受けたときも補償されます。

破風板は台風などの強風により破損するケースが多いため、風災とてみなされ、修理に火災保険が適用されることがあるのです。
保険が適用できるかの調査は、第三者機関が行います。
ただし、破損の原因が経年劣化や地震による場合は、火災保険は適用されません。

色選びのポイント

新築や破風板の交換で、破風板の色を屋根や壁と同系色にすると、調和がとれて美観が保てます。
屋根の色に合わせると立体感が生まれ、あえて外壁や屋根と違う色にしてアクセントカラーにすることもできます。

破風板の多くは水垢(みずあか)が目立つ部材なので、色を選ぶときには、白色を避けたほうが無難です。
どうしても白系の色にしたい場合は、薄いベージュやグレーがおすすめです。

5. 破風板の破損を防ぐ方法

破風板の耐久年数は20~30年ですが、自然災害や経年劣化により破損が起こります。
破風板の破損をすぐに見つけて修理できるように、以下に挙げる方法を実施してみましょう。

目視で点検

ある程度であれば、破風板は目視でも点検可能です。
普段から自分で破損個所がないかチェックしましょう。
特に、破損が起こりやすい台風の後などは、よく確認するとよいでしょう。

定期点検

定期的な点検は、業者に依頼します。
業者による徹底的な点検は、5~10年おきが目安です。
木質系の破風板はもちろん、メンテナンス不要といわれるガルバリウム鋼板も強風などの影響で破損する場合が考えられるので、定期点検が必要です。

破風板の塗装

外壁や屋根のメンテナンスの際には、破風板も塗装をして劣化を防ぐ対策を取ります。
塗装は、耐久性や耐水性が上がり、外観を美しく仕上げるのです。

6. おすすめの破風板メーカー

おすすめの破風板メーカーとその商品を紹介します。

ニチハ株式会社

アウティGLシリーズ マイクロガード仕様

雨の力で汚れを落とす「マイクロガード」が施された破風板です。
水垢などが付きにくいため、白色でも汚れが目立ちにくいことが特徴です。
変色・色あせに対し10年保証があり、サイズやカラーバリエーションも豊富です。
https://www.nichiha.co.jp/

東レACE株式会社

トレパーツ®

軽量で強度があり、施工性に優れる不燃性の商品です。
シンプルなデザインから装飾性の高いデザインまで、バリエーション豊かで建物の外観に合わせて選べます。
http://www.toray-ace.com/

NBLエヌビーエル株式会社

エコモールカラー

薄く軽量で施工性に優れた破風板です。
塗膜はアクリルシリコン系塗料のため、対候性、防火性に優れた商品です。
http://www.nbl-asnon.co.jp/

7. まとめ

普段聞きなれない「破風板」ですが、屋根瓦や屋根の内部へ風の吹き込みを防ぐ、大切な役割があります。
定期的に点検や塗装などのメンテナンスを行いましょう。

破風板が破損すると、雨漏りが発生したり屋根周りの部材が腐食して交換が必要になるのです。
風災による破損が認められれば火災保険が適用されるので、被害が広がる前に早めの修理をしましょう。
また、破風板を修理する際は足場を組むため、外壁や屋根の塗り替え工事などのメンテナンスと同時に行うことをおすすめします。