高い耐久性の最新塗料!ラジカル塗料とは?


数年前に発売され、塗装に使われるようになったラジカル塗料。
外壁塗装の見積もりを依頼すると、塗料の選択肢のひとつとして提示されることもあるかと思います。
しかし、新しい塗料ということで、「従来の塗料と比べてどういった点が優れているのか」、「どこのメーカーから出されているのか」といったことについては、あまり知られていません。
ここではラジカル塗料の仕組みや基本情報から、メリット、デメリットまで、塗料を選ぶ判断基準となる事柄について詳しく解説しています。
ラジカル塗料はコストパフォーマンスが高く、優れた耐久性を備えています。
外壁塗装を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. ラジカル塗料とは
  2. ラジカル塗料のメリット・デメリット
  3. ラジカル塗料とその他塗料の比較
  4. ラジカル塗料の主なメーカー
  5. まとめ

ラジカル塗料とは

ラジカル塗料の「ラジカル」とは

「ラジカル」は、塗料の色を作る段階で用いられる白色顔料(酸化チタン)から発生する物質です。
塗装した直後ではなく、紫外線や水、酵素などに触れることで徐々に発生します。
ラジカルは塗膜の劣化につながる物質のひとつで、塗膜に「チョーキング現象」を起こします。
チョーキング現象とは、塗膜の劣化症状で、手で触れるとまるでチョークのような白い粉状の物質が剥がれ落ちるためにそう呼ばれています。
チョーキング現象が発生してもすぐに再塗装が必要になるわけではありませんが、塗装が剥げやすい状態になっているサインなのでなるべくなら起こらないようにしたいところです。

ラジカルの発生を抑えるラジカル塗料

チョーキング現象を引き起こす酸化チタンは、アイボリーなどの淡い色を作るのに欠かせない物質です。
また、酸化チタンには下地を隠す効果も期待されています。
淡い色の塗料において不可欠ともいえる物質である酸化チタンを含有したまま、さらにラジカルが発生しにくいように作られているのがラジカル塗料です。
ゆえに、ラジカル塗料の正しい名称は、劣化を引き起こすラジカルを制御するという意味で「ラジカル制御型塗料」といいます。
少し長いので、ここでは「ラジカル塗料」として話を進めます。

ラジカル塗料の仕組み

ラジカル塗料のポイントは、「ラジカル制御型酸化チタン」と「光安定剤」です。
ラジカル制御型の酸化チタンは、高耐候酸化チタンとも呼ばれています。
この酸化チタンは、紫外線や水が接触したことによって発生したラジカルを、バリア層の内側に閉じ込めることができます。
酸化チタンの表層のみにラジカルが留まっていれば、樹脂や顔料にダメージを与えることがないので、従来の塗料よりも耐久性が向上します。
また光安定剤には、発生したラジカルをキャッチして、その働きと発散を抑える役目があります。
つまり、制御型の酸化チタンと光安定剤という二段構えでラジカルを封じ込め、塗膜の耐久性を高めているのです。

ラジカル塗料のメリット・デメリット

どのような塗料にも、良い面と悪い面があります。
それではラジカル塗料のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

1. 耐久性が高い

従来の淡い色の塗料は汚れがつきやすく、チョーキング現象が起こってしまうという欠点がありました。
しかし劣化の原因になるラジカルの発生を抑えてバリア内に閉じ込めるラジカル塗料は、従来の塗料と比較すると耐候性が高いといえます。
アクリル塗料やウレタン塗料は5〜8年、シリコン塗料で塗装した外壁は10年ほどでメンテナンス時期がくるのに対して、ラジカル塗料の塗膜は15年ほどメンテナンスなしできれいな塗膜を保つことができます。

2. 防カビ性と防藻性に優れている

カビや藻は、外壁の景観を損なうだけでなく、喘息やアレルギー性の湿疹といった健康被害を引き起こすことがあります。
ラジカル塗料ならば、カビや藻がつきにくく、快適な住環境を保つことができます。
これは、従来ではカビの発生しやすかった風通しの悪い場所の外壁でも効果を発揮します。

3. 汚れがつきにくい

ラジカル塗料は、ツヤありとツヤなしを選ぶことができます。
ツヤありの塗料は特に汚れに強く、ツヤなしのラジカル塗料よりも、外壁のきれいな状態を長く保つことが期待できます。

4. 下地を選ばない

ラジカル塗料は、モルタルやコンクリート、木材だけでなく、アルミや鋼板といった金属など、あらゆる下地に対して塗装が可能です。
水性で伸びがよく、ローラーや刷毛で塗布できるので、作業効率がよいのもメリットです。
他の塗料と比べて刺激臭が少ないことも施工しやすさのポイントといえるでしょう。

5. コストパフォーマンスが高い

劣化するのが早いアクリル塗料やウレタン塗料より単価が高いですが、その分、長持ちするのがラジカル塗料の大きなメリットです。
耐久性が高いために、比較的高価なフッ素塗装と同様の性能でありながら、フッ素塗料よりも安いシリコン塗料と同じくらいのコストで塗装ができます。

デメリット

コストパフォーマンスが高く、優れた耐久性を誇るとされるラジカル塗料ですが、次のようなデメリットもあります。

1. 実績が少ない

フッ素やシリコン塗料とは違って、ラジカル塗料は数年前から販売が開始されたばかりの新しい技術による塗料です。
それゆえ、従来の塗料と比べると塗装実績が少なく、「15年メンテナンスいらず」という計算上の性能についても、これから実証されていくことになります。

2. 知名度が高くない

発売から年数が経っていない塗料なので、知名度が低いというデメリットがあります。
塗装業者によってはラジカル塗料をよく知らないケースもあるため、住宅の塗装に使いたい場合は、ラジカル塗料を扱っている業者を探し、見積もり依頼をする必要があるでしょう。
また、ラジカル塗料について充分な知識のない業者が、悪質な契約を持ちかけてくる可能性もあります。
塗装はラジカル塗料の塗装実績が豊富な業者に依頼しましょう。

3. ラインナップが少なく色が限定される

ラジカルを発生させる物質の酸化チタンは、白色顔料です。
そのため、塗料を濃い色に調色することはできません。
言い換えれば、濃い色の塗料にはラジカルが発生しないので、ラジカル塗料を使用しなくても耐候性に影響はないということです。
ラジカル塗料は、淡い色の塗装を検討する際の選択肢といえます。

ラジカル塗料とその他塗料の比較

ラジカル塗料を検討する場合、別の塗料についてもおおまかな特徴を掴んでおく必要があります。
外壁や屋根に用いる塗料には、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、光触媒などがあります。

アクリル塗料は最も塗装の単価が安く、その分耐久性もあまり高くありません。
5年ほどで再塗装が必要になります。
ウレタン塗料もアクリル塗料と同程度の単価ですが、耐久年数も同様に短く、8〜10年で再塗装する必要があります。
シリコン塗料は、ラジカル塗料よりもやや低価格の塗料です。
耐久年数はラジカル塗料と同程度とされています。
フッ素塗料と光触媒の塗料は、いずれも15〜20年という高い耐久性が特徴です。
しかし各塗料の中では塗装単価が最も高く、アクリル塗料のおよそ3倍の価格で施工されます。

こうした塗料の中で、ラジカル塗料は中間よりやや上のグレードに位置しています。
コストパフォーマンスと耐久性のバランスがとれていることが、この格付けの理由として挙げられます。

1㎡あたりの価格相場

  • ラジカル塗料 約2,000〜3,000円/㎡
  • ウレタン塗料 約2,000円/㎡
  • アクリル塗料 約1,200円/㎡
  • シリコン塗料 約2,500〜3,500円/㎡
  • フッ素塗料 約3,500〜4,500円/㎡

塗料の中で比較的価格が安いのはウレタン塗料ですが、安価ゆえに耐久性も低く、10年以内に再塗装が必要になります。
反対に、フッ素塗料は15〜20年後にメンテナンスをする必要がありますが、塗装の費用、つまり初期投資が高額になります。
その点、ラジカル塗料は15年間はメンテナンスをせずに維持可能と想定されており、価格も安価なアクリル塗料の2倍程度に抑えられます。
その上、耐久年数はより高価なフッ素塗料とあまり変わりません。

メリットでコストパフォーマンスの高さが挙げられているのには、こうした価格比較の結果があります。

坪単価の相場

㎡よりも坪単位の方がイメージしやすいという方のために、坪単価の相場を見てみましょう。
こちらも㎡と同様、比較のためにラジカル塗料以外の価格相場を併記しました。

  • ラジカル塗料 約17,000円/坪
  • ウレタン塗料 約15,000〜16,000円/坪
  • シリコン塗料 約15,000〜16,000円/坪
  • フッ素塗料 約22,000円/坪

これらの数字を見ると、ウレタン塗料やシリコン塗料とさほど変わらない価格で、フッ素塗料に近い耐久性を実現するラジカル塗料のコストパフォーマンスの高さを実感できるのではないでしょうか。
なお、これらの相場価格は、業者や、施工する住宅の状態、環境によって差があります。
あくまで参考の数字として捉えてください。

ラジカル塗料の主なメーカー

ラジカル塗料はまだ新しい塗料ですが、いくつかのメーカーから発売されています。
とはいえ、ツヤなしは、一社しか取り扱いがありません。
業者によっては特定のメーカーのみを使っていることがあるので、使いたいメーカーや実現したいツヤ感がある場合は、取り扱いがあるかどうか見積もりの時にチェックすると安心です。

日本ペイント社(パーフェクトトップ)

日本ペイント社からリリースされている1液水性ラジカル制御形ハイブリット高耐候性塗料「パーフェクトトップ」は、ラジカル塗料の業界トップシェアとされる商品です。
ラインナップは、ツヤ有り、5分ツヤ、3分ツヤ、ツヤなしの4タイプが展開しています。
ツヤなしのラジカル塗料を販売しているのは、現在国内で日本ペイント社だけです。
外壁をツヤなしで塗装したいときは、日本ペイント社のツヤなしをセレクトしましょう。
戸建住宅やマンションだけでなく、店舗や倉庫、商業ビルや病院、学校といった福祉関係の施設にも適した塗料です。
単体でも使えますが、「パーフェクトフィラー」、「パーフェクトサーフ」、「パーフェクトプライマー」といったパーフェクトシリーズの下塗りを組み合わせることで、さらに美しく仕上げることができます。
なお、いえふくでは日本ペイント社製のラジカル塗料を用いています。

エスケー化研(エスケープレミアムNADシリコン)

エスケー化研の超耐候形一液NAD特殊シリコン樹脂塗料「エスケープレミアムNADシリコン」は、戸建住宅やマンションに適したラジカル塗料です。
ラインナップは、ツヤ有り、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤの4タイプで、ツヤなしは取り扱いがありません。
2016年からは弾性機能をもつ「エスケー弾性プレミアムシリコン」も販売されています。

関西ペイント(アレスダイナミック TOP)

関西ペイントのラジカル塗料は、2016年から販売がスタートしました。
ラインナップは、ツヤ有り、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤの4タイプです。
「アレスダイナミックTOP」の特徴として、雨の日にも作業が可能という点があります。
ダイナミック強化剤と呼ばれる薬剤を混ぜると、湿度85%以下、含水率8%以下の環境で施工できます。

従来、外壁塗装は雨天延期が当たり前で、湿度の高い日が続くと工期が延びてしまうことがありました。
「アレスダイナミックTOP」は、施工における天候問題を解決できる可能性があります。

アステックペイントジャパン(超低汚染リファイン1000Si-IR)

アステックペイントジャパンでは、ツヤ有りのラジカル塗料を取り扱っています。
ほこりやカビといった汚れを雨水により落としやすくする「低汚染」に加え、室内の温度の上昇を抑える「遮熱性」の高さがポイントです。
ちなみに、パーフェクトトップのベースとなる樹脂はアクリル樹脂、リファインはシリコン樹脂となります。

今後、新たなメーカーがラジカル塗料を発売する可能性もありますが、現在は「日本ペイント」、「エスケー化研」、「関西ペイント」の3社が国内のシェアの9割を獲得している状態です。

まとめ

ラジカル塗料は、優れた耐久性とコストパフォーマンスを併せ持った、新しい技術による塗料です。
発売されてまだ数年と、耐久性の実地に関しては経過を見ていくしかありませんが、他の塗料より高額なものではなく、むしろ同程度の価格でよりよい機能をもつ塗料といえます。
淡い色の塗料で外壁塗装を計画中の方は、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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