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ケレンとは|外壁塗装で重要なケレン作業の種類、価格はどのくらい?

塗装の見積もりなどで、「ケレン」という言葉を目にしたことはありませんか?
耳慣れない言葉ですが、ケレンは外壁塗装には欠かせない工程です。
ケレンの由来はcleanといわれ、名前の通り塗装面をきれいにする作業のことです。

塗料の耐用年数は、3~5年と短いものから10~20年と長いものまでさまざまです。
いくらグレードの高い塗料を使っても、ケレン作業をおろそかにすると、塗装された塗料は長持ちしません。

今回は、外壁塗装の最も重要な作業といっても過言ではないケレンの目的や工程、費用の相場などを紹介します。

目次
  1. 1. ケレンとは
  2. 2. なぜケレンが必要なのか
  3. 3. ケレンの種類
  4. 4. 作業の注意点
  5. 5. 見積もりについて
  6. 6. まとめ

1. ケレンとは

塗装において、塗料の性能を十分に引き出すために行う下地処理のなかで、主に鉄部の汚れを落とす作業を「ケレン」と呼びます。
ケレンは、木部やサイディング部などにも行われます。

ケレンを含め、以下の工程を「素地調整」(素地ごしらえ)、「下地調整」といいます。

  • 高圧洗浄機による水洗い
  • 付着物の除去や脱脂
  • 塗面の平滑化
  • ひび割れの補修
  • 穴埋め

素地調整、下地調整は、材質(鉄、アルミニウム、木材、コンクリートなど)やその状態によって作業内容が異なります。

  • 素地……未塗装の素材面
  • 下地……塗装工程の何らかの処理が行われている素材面

『建築工事標準仕様書・同解説 JASS18 塗装工事』

この他に、素材表面に凹凸をつけ、塗料と素材の接地面積を大きくする「目荒らし」(足付け)という作業が、ケレンを含んだ意味合いで用いられることもあります。
それぞれの用語の意味と違いを知っておくと、施工の見積もりを確認する際などに役立つでしょう。

ケレンの工程は大きく分けて2つです。

  • 表面の異物を除去する
  • 表面を滑らかにする

上記の工程は塗料を塗る作業よりもはるかに労力がかかり、塗装の準備作業として何より重要です。

2. なぜケレンが必要なのか

ケレンが必要な理由を、主に4つ説明します。

塗料を長持ちさせる。

鉄部に発生したサビを落とさずに塗装すると、サビ止めの塗料を使ったとしても、塗料の下からサビが侵食してきます。
その結果、塗装後に短期間でサビが再発生したり、塗装が剥がれたりするのです。

研磨工具を使ってサビを除去すれば、「サビが発生しにくい」外壁に仕上がります。
その上から塗装すると、見栄えはもちろん、塗料の耐候性も期待できるのです。

塗料の密着性を上げる。

鉄部はもともと塗料の付着性が悪く、ケレンが不十分なまま塗装すると、耐用年数が10年の塗料でも3年未満で剥がれてくることがあります。
表面にサビや汚れなどが残っていると、外壁と塗料は密着できません。
塗料が付着できていない箇所は、塗料の剥がれ、塗面の傷、割れが生じやすくなり、雨水が浸入する恐れがあります。

塗装の完成度を高める。

ケレンで汚れやサビを除去しておかないと、塗料の性能を十分に発揮できません。
下塗りの塗料が付着できていない外壁に中塗りや上塗りをすると、塗膜の内部がもろくなります。

凹凸がなく発色の良い塗面を美しく強力な外壁に仕上げるには、丈夫な塗膜で外壁を覆う必要があるのです。

ケレンをしなかったらどうなる?

鉄などの素材は、工場での製造直後からほこりや油脂、ヤニなどの汚れが付着しています。
汚れが付いていると、はじき(塗料がはじかれて穴やくぼみができる現象)や塗膜の付着不良が起こり、仕上がりが悪くなるのです。
外壁の性能が低下し、耐用年数に大きく影響します。
古く劣化した塗膜が残る下地に新しく塗装しても、塗料の持つ機能も損なわれ、本来の塗膜の寿命を保てない恐れがあります。

ケレンの良し悪しは一見分かりにくいのですが、きれいな塗膜を作ることは全ての塗装に必須の作業であり、丁寧に作業しなければ良い塗膜は作れません。

3. ケレンの種類

鉄材の表面は、黒皮と呼ばれる酸化皮膜で覆われていたり、赤サビができていたり、加工によって油類やカスが付いていたりします。
塗装前にサビや油分を完全に除去する必要があり、除去方法は4つのグレードに分かれます。

1種ケレン

特に腐食やサビが激しい場合に採用されます。
「ブラスト工法」という方法で赤サビや黒皮などを完全に除去し、鉄肌をあらわにします。

主に、公共道路や大きな橋などの補修工事で行い、一般住宅ではほとんど用いられません。
住宅の外壁で、1種ケレンが必要なほど腐食が進んでいる場合には、外壁材を張り替えます。

ブラスト工法は「ブラスト処理」とも呼ばれています。
内容は、強力な噴射力をもつ機械で研磨剤を吹き付け、汚れと古い塗膜を剥がし、鉄部の金属面に傷をつけて塗料が付着しやすい表面を作るものです。

粉末状の塗料や研磨剤が飛び散るため、周囲を飛散防止シートで覆い、吸引機を同時に動かします。
薬剤でサビを溶かす酸洗浄が行われることもあるため、研磨剤や汚れの飛散、騒音と併せて近隣への配慮が必要です。

作業手順

  • ブラスト処理でサビを完全に取り除き、鉄肌をあらわにします。
  • 酸洗などの化学処理で洗浄し、旧塗膜をきれいに取り除きます。
  • サビ落とし後、速やかに塗装します。

単価

一般に、1種ケレンを行うような状態の場合は外壁の素材を取り換える必要があり、その工事費用がかかります。

2種ケレン

鉄部のサビが外壁全体の30%以上など、かなり腐食が進んでいる場合に適用されます。
2種ケレンは、旧塗膜やサビを除去し、完全に外壁の鉄肌をあらわにする方法です。ワイヤーホイル、ディスクサンダーなどの動力工具と、ハンマー、スクレーパー、ワイヤーブラシなどの手工具を併用します。

2種ケレンは1種と違い、薬剤を使わずに電動工具や手工具で外壁の素地が出るまで削り続けます。
塗膜の表面のみを取り除くため、内部まで入り込んだサビは除去できませんが、表面の光沢を出すことで塗料の付着を良くします。

作業手順

  • サンダーやパワーブラシ、ワイヤーホイル、ニューマチックハンマーなどを用いて、旧塗膜にあるサビなどの異物を取り除きます。
  • 電動工具が使えない部分は、スクレーパーやワイヤーブラシなどを用いて手作業で行います。

単価

1㎡当たり1,300~2,200円ほどかかります。

3種ケレン

鉄部のサビがおよそ外壁全体の5~30%の軽度な場合に行います。
活膜(劣化していない塗膜)は残し、主にハンマー、スクレーパー、ワイヤーブラシなどの手工具や電動工具を使用してサビを除去します。

部分的にサビや剥がれがありますが、活膜が多く残っている状態で、外壁塗装のメンテナンスでは最もよく採用される方法です。

作業方法

  • スクレーパー、ワイヤーブラシなどを用いて、サビや旧塗膜を取り除きます。
  • ある程度きれいになったら、研磨紙刷りで表面をきれいに仕上げます。

単価

1㎡当たり500~1,200円ほどかかります。

4種ケレン

鉄部のサビが外壁全体の5%以下で、塗膜の膨れや割れ、剥がれが多少見られる状態の場合に適用されます。
ワイヤーブラシやサンドペーパーを使用し、表面をサッときれいにする程度の作業です。

作業方法

  • ワイヤーブラシや研磨紙で、粉化物や凹凸がある部分を磨きます。
  • その後、ほうきなどで表面をきれいにします。
  • 場合によっては、水やぬるま湯などで拭き取り全面を清掃します。

単価

1㎡当たり200~400円ほどかかります。

その他のケレン

木材の場合は、スクレーパー、サンドペーパー、皮すきなどでサビやコケなどを除去し、密着性が残っている活膜は残します。その後サンドペーパーなどを使って、塗料が密着しやすいように細かく傷をつける「目荒らし」を行います。

サイディングの場合は、通常の高圧洗浄では落とし切れない、もろくなった塗膜の膨れ、剥がれ、サビ、汚れがある場合は、皮すきやディスクサンダー、溶剤(各種シンナー)で除去します。カビが発生している場合は、防カビ・防藻剤を塗布します。

4. 作業の注意点

業者がケレンをする際は、以下の2点に注意しましょう。

価格差

ケレンの2種と4種の作業では、費用が3~10倍ほど違います。
130㎡の外壁のケレンを行う場合、価格差がさらに大きくなります。

  • 2種ケレン:169,000~286,000円
  • 3種ケレン:65,000~156,000円
  • 4種ケレン:26,000~52,000円

あまりに外壁塗膜の状態が悪くなると、外壁材自体を取り換えなくてはなりません。
外壁材の劣化を放っておくと、建物に致命的な影響を与えてしまいます。
外壁を長く使い続けるためにも、3種ケレン程度の状態で塗り替えるとよいでしょう。

作業の透明性

戸建ての塗り替え工事は監督者がいない場合がほとんどで、ケレンの品質管理は作業担当者に委ねられます。ケレンや目荒らしの作業に時間をかけるほど下地はきれいになります。
しかし、ケレン後に塗装されるため、塗装が仕上がった外壁を見ても作業内容は確認できません。

したがって、作業工程を理解し、ケレン作業のスケジュールを把握することが大切です。
変色、退色やチョーキング(顔料が粉化して表面に出てくる現象)などの症状は塗膜が劣化しているサインで、外壁の再塗装の目安と考えられます。
それ以外に、早期に塗膜の剥がれが起きる場合は、ケレン・目荒らしが不足しているために本来の付着力が得られていないといえます。

5. 見積もりについて

塗装工事は時間も費用もかかります。
業者に依頼して見積もりを出してもらうときは、作業内容をしっかり確認することが大切です。
塗料や足場など、他の作業に注目しがちですが、ケレンが見積もりに含まれているかも必ず見ましょう。

見積書に「ケレン」ではなく、「表面仕上げ」や「サビ除去」と書かれていることもあります。
木部やサイディングの場合は「研磨紙刷り」という項目になっていたりします。
他にも、「サビ落とし」「目荒らし」「素地ごしらえ」「下地処理」と書かれている場合もあります。

これらの作業にケレンが含まれるかどうか、どのように行うかを塗装業者に詳しく聴いてみるとよいでしょう。

6. まとめ

塗装工事のなかでも極めて重要な工程が、今回紹介したケレンです。
いくら良い塗料を使っても、ケレンをしっかり行わなければ強い塗膜を作ることができません。

DIYに興味がある人や、普段から行っている人は、ケレンがいかに大変な作業かご存じでしょう。
外装塗装のメンテナンスで失敗しないために、今回の知識を生かして業者選び、見積もりの確認をしてみてくださいね。