みんなの外壁塗装ガイド
レンガ造りの外壁のメリット・デメリット、安価な回避策を徹底解説!
公開日:2018/03/30 / 最終更新日:2021/06/24
レンガ造りの建物というと、ロマンあふれる趣ある建築物がたくさん思い浮かびます。
有名なものだと、
- 東京駅
- 横浜赤レンガ倉庫
- 富岡製紙工場
など、文化財として指定を受けているものも多数存在します。
一般住宅でも、レンガのもつ温かみや自然な味わいは人を魅了してやまず、今でも根強い人気があります。
とくに、フルブリックと呼ばれるような総レンガの住宅は、圧倒的な存在感に誰もが惚れ惚れする理想の家です。
西欧ロマンがあふれつつも、和洋折衷も実現できる優れたレンガ造りの外壁。
しかし、いいことばかりでもありません。
- 扱いにくく、施工できる者が限られる
- 蓄熱性があまりにも高すぎて夏に熱中症になる危険がある
- 工期が長くなりやすく、圧倒的にコストがかかる
といったデメリットもやはり存在します。
この記事では、
- レンガ造りの外壁について知っておきたい必須の基礎知識
- レンガ造りの外壁の5つのメリット
- レンガ造りの外壁の4つのデメリット
- レンガ造りの外壁にかかる費用相場
- 意外と知られていないレンガの種類
- レンガ調なら安価で実現できるサイディングボード活用法
について、順をおって解説していきます。
レンガ造りの外壁を手に入れるなら、かなりの出費を覚悟する必要があります。
基礎知識では、あなたが求めている「レンガ造り」を実現するにはどうすればよいのか?を理解するのに欠かせないことを解説しています。
レンガ造りの外壁についてしっかり理解ができたら、メリット・デメリットを抑えましょう。
せっかくなので、レンガ造りの外壁にかかる費用相場もしっかり紹介します。
最後に、「レンガ調」を実現したいだけであれば検討してみたい「サイディングボード」による回避策もお伝えします。
あなたのニーズに合った「レンガ造り(調)」が、しっかりとわかります。
- 目次
レンガ造りの外壁はどのようにして仕上げられるのか?
レンガ造りの外壁がどのようにして仕上げられるのかについて解説します。
レンガ造りの外壁にはさまざまな種類があります。
レンガにも種類があり、
- レンガ
- レンガタイル
があります。
レンガの扱われ方も様々で、
- レンガを積み上げる方法
- レンガを張り付ける方法
があります。
また、レンガの生成方法による違いとしても、
- 湿式レンガ
- 乾式レンガ
が存在します。
それぞれについて、詳しく説明していきます。
レンガとレンガタイルの違い
レンガと一口にいっても、
- レンガ
- レンガタイル
の2種類が存在します。
レンガ
ヨーロッパなどのアンティークな建築物で使われている古来の工法で使われるのが「レンガ」です。
後述しますが、レンガには規格(JIS規格)があり、大きさがごとに種類が定められています。
味わい深い趣のある雰囲気に仕立てたい場合には、レンガを活用することが多いです。
とはいえ、ただでさえ費用のかかるレンガ造りの外壁ですが、さらにコストが大きくなる傾向があります。
レンガタイル
日本でレンガ造りの家といわれるものは、大半が「レンガタイル」を使用しています。
レンガタイルには、一定の規格というものがなく、形は様々です。
加工性も高く、DIY感覚でカットしたりすることができるのも魅力の一つです。
ただし、レンガに比べると耐久性などが低く、メンテナンスコストが上がりやすい傾向にあります。
レンガの扱い方による違い
レンガの扱い方による違いとしては、
- レンガを積み上げる方法
- レンガを張り付ける方法
の2種類あります。
レンガを積み上げる方法
レンガを積み上げる方法では、「レンガ」が主に使用されます。
レンガを積み上げる方法のなかにも、
- 外壁そのものをレンガで作る工法
- 外壁をレンガでカバーする工法
の2種類が存在します。
重要文化財などに指定されるレンガ造りの建物などは、上記の工法によって作り上げられていることが多いです。
外壁そのものをレンガで作る工法
外壁そのものをレンガで作り上げます。
壁の表面から内部まですべてレンガ(および鉄筋など)によって作り上げられます。
一段一段積み上げながら、モルタルなどで補強していく工法です。
外壁をレンガの壁でカバーする工法
基本となる外壁の外側を覆うようにして、さらにレンガの壁を一枚作り上げる工法です。
- 下地
- タイベックシート(防水シート)
- 断熱材
によって基本となる外壁を作り上げたのちに、独立したレンガの壁を作ります。
レンガを積み上げる際には、レンガによる壁のための基礎が必要になります。
レンガを張り付ける方法
レンガを張り付ける方法では、
- レンガ
- レンガタイル
のいずれかが使われます。
張り付け方には、
- 湿式工法
- 乾式工法
の2種類が存在します。
一般住宅では、レンガを張り付ける工法を採用することが多く、なかでも乾式工法が一般的といえます。
温かみを演出する「湿式工法」
湿式工法では、
- 基本となる外壁を作り上げる
- レンガを張り付ける下地をモルタルで作り上げる
- モルタルにレンガを張り付けていく
- 隙間をモルタルで埋めていく
という流れでレンガ造りの外壁が仕上げられていきます。
モルタルは水を含ませて使う建材ですが、モルタルをふんだんに使うので「湿式工法」と呼ばれます。
乾かしながらレンガ造りの壁を作り上げていくので、施工期間が長くなりやすい傾向にあります。
また、天候にも左右されやすく、工期の予測がつきにくいというのも特徴のひとつです。
湿式工法では、温かみの演出がしやすくなります。
自由にレンガを配置することができるので、自然なばらつきが生まれやすく、アレンジも可能です。
統一感を演出する「乾式工法」
乾式工法では、
- 基本となる外壁を作り上げる
- 外壁にレールなどを設置する
- 接着剤を使いながら、レールに沿ってレンガを張り付けていく
- 隙間をモルタルで埋めていく
という流れでレンガ造りの外壁が仕上げられていきます。
湿式工法に比べると、モルタルの使用量も少なく、接着剤など速乾性の材料を多用するので「乾式工法」と呼ばれます。
必然的に、湿式工法に比べると施工期間が短くなり、工期の予測もしやすくなります。
乾式工法では、統一感の演出がしやすくなります。
レールに沿って規則的にレンガを配置していくので、整然とした雰囲気を出すことができます。
レンガの生成方法による違い
レンガの生成方法には、
- 湿式レンガ
- 乾式レンガ
の2種類が存在します。
あくまでも「工法」の違いではなく、レンガそのものの作り方の違いです。
自然なばらつきを味わう「湿式レンガ」
湿式レンガを生成するときには、
- 土練機で原料を混ぜあわせる
- 押出機に原料を入れ、ところてんのように押し出す
- レンガとして生成する
という流れになります。
水分の含有率が高いので、寸法や品質にばらつきが生まれます。
統一感が欲しい場合には不向きですが、温かみなどの質感や味わいを演出したい場合には最適なレンガです。
統一された堅牢さを味わう「乾式レンガ」
乾式レンガは、粉末状の原料をプレスして生成されます。
水分の含有率も低く、寸法や品質にばらつきが出にくくなります。
湿式レンガの逆で、統一感のある堅牢な雰囲気を演出したいときに最適なレンガです。
レンガ造りの外壁の5つのメリット
レンガ造りの外壁には、
- 外壁の劣化が少ないのでメンテナンスコストが低い
- 見た目の劣化が少ない
- 耐熱性・蓄熱性に優れている
- 耐震性に優れている(特定の工法のみ)
- 耐火性に優れている
という5つのメリットがあります。
外壁の劣化が少ないのでメンテナンスコストが低い
レンガの特徴として、
- カビが生えにくい
- 紫外線に強い
- 雨風に強い
というものがあります。
これらの特徴のおかげで、レンガ造りの外壁は劣化が少なくなります。
また、積み上げによる工法に限りますが、下地・土台が傷みにくいという特徴もあります。
直接、下地や土台と接していないので、外壁内部に侵入した水分などが悪さしにくくなります。
それゆえ、初期コストはかかるものの、できあがった後のメンテナンスはほぼ不要になります。
ただし、モルタル(目地)の防水処理などは定期的に行う必要があるので注意してください。
見た目の劣化が少ない
先述したように、レンガには、
- カビが生えにくい
- 紫外線に強い
- 雨風に強い
という特徴があります。
つまり、
- 汚れ
- 色むら
- 欠損
に悩まされることが少なくなるので、見た目の劣化が抑えられます。
むしろ、緩やかな渋みが出てくるので、時の経過につれて、独特の趣が味わえるといえます。
耐熱性・蓄熱性に優れている
レンガは、その内側にたくさんの気泡があります。
二重窓(二枚のガラスの間に空気層がある窓)と同じ原理で、レンガ造りの外壁では、空気の壁が構築されます。
結果、熱が伝わりにくくなるので、「夏涼しく、冬温かい」が実現しやすい傾向にあります。
夏には、
- 外からの熱さを遮断
- 内側の冷気を逃がさない
冬には、
-
- 外からの寒さを遮断
- 内側の熱を逃がさない
という流れです。
耐震性に優れている(レンガ中空積み工法に限る)
レンガ造りの家というと、耐震性が低いと思われがちです。
しかし、レンガ中空積み工法という工法に限れば、耐震性は格段に高くなります。
レンガ中空積み工法では、外壁をレンガの壁でカバーする工法が採用されます。
外壁をレンガの壁でカバーする場合には、家全体にレンガの壁による重みがかからないので、負荷が軽くなります。
加えて、最新の耐震工法によって躯体を建築することで、驚異的な耐震性能が実現できるのです。
耐火性に優れている
レンガ造りの外壁は耐火性に優れています。
そもそもレンガは土でできているので、火には強い特徴を備えています。
耐火レンガ(ピザ焼き窯などで使われるもの)となれば、かなりの耐火性を備えています。
その耐火性能は折り紙付きで、レンガ造りの建物は、
-
-
- M構造
(マンション構造の略) - T構造
(耐火構造の略) - 1級
(1級~3級まであり、最上の等級)
- M構造
-
のいずれかになるので、火災保険料も低く抑えられるメリットがあります。
レンガ造りの外壁の4つのデメリット
レンガ造りの外壁には、
-
-
- 堅牢さゆえにリフォームが難しい
- 蓄熱性の高さによる弊害
- 対応できる施工業者・職人が少ない
- 工期が長くなりやすく、坪単価が高い
-
という4つのデメリットがあります。
堅牢さゆえにリフォームが難しい
レンガ造りの外壁は、とても堅牢です。
積上げ工法では、下から一段一段と丁寧に積み上げていくので、かなりの強さを誇ります。
しかし、リフォームにおいては、その堅牢さがあだになります。
一部補修をしようにも、モルタルによって固められていて、部分的な除去も難しい傾向にあります。
すべてはがして修復する場合にも、しっかりと下地に密着しているので、はがしにくくなります。
とくに湿式工法では、モルタルと下地がくっついているので、リフォームは困難を極めます。
メンテナンスの必要がほとんどないのですが、万が一のときには大掛かりな工事になりやすい点に注意が必要です。
蓄熱性の高さによる弊害
レンガ造りの外壁は、内側に取り込んだ熱を「8時間~10時間」は逃がさないといわれます。
夏場に問題になりやすく、
-
-
- 昼間にレンガが熱を蓄積する
- 夜になり外気温が下がっても、レンガが熱を持ち続ける
- 夜間でも家の中が暑い
-
というサイクルが起こります。
冷房機器をしっかりと備えていれば問題はないのですが、熱中症の心配が高くなるのは間違いがありません。
対応できる施工業者・職人が少ない
住宅の外壁工事では、サイディングボードを使うのが一般的です。
レンガ造りの外壁は、施工難度が高く、漆喰のぬりかべを施工するのと比べても、劣らないくらい施工が難しいものです。
そのため、施工できる業者も限られますし、当然、職人の数も少ないです。
新築する場合にも、着工から完了まで工期が長くなりやすくなります。
改修を行う場合にも、適切な対応をしてくれる施工業者や職人を探すだけでも一苦労です。
工期が長くなりやすく、坪単価が高い
先述しましたが、レンガ造りの外壁では、どうしても工期が長くなりやすくなります。
湿式工法であっても、乾式工法であっても、モルタルの乾燥を待つ時間は避けられません。
さらに、モルタルの乾燥時間は、天候(気温・天気)に左右されやすく、雨が続けば、工期も延びます。
工期が長くなれば、職人などにかかる人件費などもかさむので坪単価が高くならざるを得ないのです。
レンガ造りの外壁にかかる費用相場
レンガ造りの外壁にかかる費用相場について、
-
-
- レンガを積み上げる場合
- レンガを張り付ける場合
-
にわけて解説します。
レンガを積み上げる場合
レンガを積み上げる場合には、
-
-
- レンガの費用
- (レンガのための)基礎の費用
- 足場の費用
- 施工費用
-
がかかります。
詳しい内訳は、
-
-
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
(※使用するレンガによってばらつきあり) - (レンガのための)基礎の費用:およそ300,000円
(※施工面積によってばらつきあり) - 足場の費用:およそ200,000円
(※施工面積によってばらつきあり) - 施工費用:およそ15,000円/㎡
(※施工面積・期間によってばらつきあり)
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
-
となります。
レンガを張り付ける場合
レンガを張り付ける場合には、
-
-
- 湿式工法
- 乾式工法
-
によって、若干ですが施工費用が異なります。
湿式工法
湿式工法では、
-
-
- レンガの費用
- 足場の費用
- 施工費用
-
がかかります。
詳しい内訳は、
-
-
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
(※使用するレンガによってばらつきあり) - 足場の費用:およそ200,000円
(※施工面積によってばらつきあり) - 施工費用:およそ15,000円/㎡
(※施工面積・期間によってばらつきあり)
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
-
となります。
乾式工法
乾式工法では、
-
-
- レンガの費用
- 足場の費用
- 施工費用
-
がかかります。
詳しい内訳は、
-
-
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
(※使用するレンガによってばらつきあり) - 足場の費用:およそ200,000円
(※施工面積によってばらつきあり) - 施工費用:およそ5,000円/㎡
(※施工面積・期間によってばらつきあり)
- レンガの費用:およそ5,000円~20,000円/㎡
-
となります。
湿式レンガに比べると、レンガの費用は低く抑えられる傾向があります。
また、薄く施工がしやすいので、施工費用は大幅に低減されます。
レンガ造りの外壁にかかる費用相場(一覧)
レンガ造りの外壁にかかる費用相場を一覧にしたものです。
内訳(工程名) | 積上げ工法 | 張り付け工法(湿式) | 張り付け工法(乾式) |
---|---|---|---|
レンガの費用 | およそ5,000円~20,000円/㎡ (比較的高くなりやすい) |
およそ5,000円~20,000円/㎡ (比較的高くなりやすい) |
およそ5,000円~20,000円/㎡ (比較的安くなりやすい) |
レンガ(レンガのための)基礎の費用 | およそ300,000円 (施工面積によってばらつきあり) |
およなし | なし |
足場の費用 | およそ200,000円 (施工面積によってばらつきあり) |
およそ200,000円 (施工面積によってばらつきあり) |
およそ200,000円 (施工面積によってばらつきあり) |
施工費用 | およそ15,000円/㎡ (施工面積・期間によってばらつきあり) |
およそ15,000円/㎡ (施工面積・期間によってばらつきあり) |
およそ5,000円/㎡ (施工面積・期間によってばらつきあり) |
レンガの種類
レンガの種類は、
-
-
- レンガの工法
- レンガの規格
-
によってわかれます。
レンガの工法
先述しましたが、レンガの工法には、
-
-
- 湿式レンガ
- 乾式レンガ
-
の2種類が存在します。
湿式レンガ
個々のレンガのばらつきを「味わい」として楽しみたい場合には、湿式レンガがおすすめです。
製造過程の関係上、品質などにばらつきが生まれるので、アンティーク感をより強めたいときなどに活用します。
乾式レンガ
個々のレンガのばらつきを抑えて、「統一感」を出したい場合には、湿式レンガがおすすめです。
品質や色の差があまりないので、きれいな印象を持たせることができます。
レンガの規格
レンガの規格には、
-
-
- おなま
- 半ます
- ようかん
- はんぺん
- しちこぶ
- にごうぶ
- せんべい
- 二寸角
-
があります。
標準的な規格が「おなま」です。
ホームセンターなどで見かけるものは、
-
-
- おなま
- 半ます
- ようかん
-
が多いです。
以下は、それぞれの規格を一覧表にしたものです。
規格名 | 長さ | 幅 | 厚さ |
---|---|---|---|
おなま | 210mm | 100mm | 60mm |
半ます | 100mm | 100mm | 60mm |
ようかん | 210mm | 45mm | 60mm |
はんぺん | 210mm | 100mm | 30mm |
しちこぶ | 155mm | 100mm | 30mm |
にごうぶ | 45mm | 100mm | 60mm |
せんべい | 210mm | 30mm | 60mm |
二寸角 | 210mm | 60mm | 60mm |
スライスレンガ(レンガタイル)
スライスレンガ(レンガタイル)といわれるものには、一定の規格が存在しません。
とはいえ、「はんぺん(210mm×100mm×30mm)」が多い傾向があります。
使用するシーンに合わせて、大きさを自由に選べるのが魅力です。
大半のスライスレンガ(レンガタイル)では、加工性が高くなっているので、のこぎりなどでカットできるのも大きなメリットです。
レンガ調を演出する代用品・工法
レンガ造りの外壁について解説してきましたが、「レンガ造りの雰囲気」を味わいたいだけであれば、レンガにこだわる必要はありません。
いわゆる、「レンガ調」というものです。
サイディングボードを使ってレンガ調を演出する
レンガ調を演出したいだけであれば、「レンガ調サイディングボード」の活用を検討してみましょう。
レンガ調サイディングボードは、サイディングボードのデザインをレンガのように見立てている建材です。
ですので、サイディングボードのメリットを生かしつつ、レンガ造りのような雰囲気を演出することができます。
レンガ調サイディングボードを活用する4つのメリット
レンガ調サイディングボードを活用するメリットは、
-
-
- 品質が安定している
- 様々なデザインから選ぶことができる
- 扱いやすく施工しやすい
- 初期コストを低く抑えることができる
-
の4つです。
(※レンガ造りの外壁と比較したもの)
品質が安定している
サイディングボードは工業製品です。
機械によって徹底的に管理されているので、レンガに比べて、圧倒的に品質が安定しています。
湿式レンガ・積上げ工法による自然な味わいを求めているのではなく、統一感のあるデザインを求めているのであれば、レンガ調サイディングボードは適役といえます。
様々なデザインから選ぶことができる
レンガ調サイディングボードのデザインは、多種多様なものが用意されています。
-
-
- アンティーク
- 赤レンガ
- イギリス風
- 北欧風
-
など好きなデザインから選ぶことができます。
また、あえてばらつきのあるデザインを採用して、自然な温かみを演出することも可能です。
扱いやすく施工しやすい
レンガ造りの外壁では、施工業者や職人に限りがあると説明しました。
しかし、レンガ調サイディングボードでは、取り扱いはサイディングボードと同じになるので、施工業者や職人による制限はなくなります。
建材としてとても扱いやすく施工しやすいので、施工品質としても、一定の質をキープしやすくなります。
初期コストを低く抑えることができる
-
-
- 工業製品であること
- 扱いやすく施工しやすいこと
- レンガのように欠損(ムダ)が出ないこと
-
により、初期コストを低く抑えることができます。
いわば、ボードを張り付けるだけなので、乾燥を待つ必要はありません。
レンガ調サイディングボードを活用する3つのデメリット
レンガ調サイディングボードを活用するデメリットは、
-
-
- メンテナンスの頻度が高くなる
- リフォーム方法によっては、下地を傷める可能性がある
- リフォーム方法によっては、収まりに問題が出てくる
-
の3つがあります。
メンテナンスの頻度が高くなる
レンガに比べると、メンテンナンスの頻度は高くなります。
とくに、シーリング(およびコーキング)など目地の劣化は避けることができません。
目地が劣化すれば、浸水などさまざまなトラブルの原因となり、放置すれば下地を痛めることになります。
また、サイディングボードそのものの塗膜も年々劣化していきます。
塗膜が劣化すれば、防水性などを損なうので、同じく浸水などによる下地の欠損を招きます。
一般的にいわれる外壁リフォームの頻度で、メンテンナンスを行う必要があります。
リフォーム方法によっては、下地を傷める可能性がある
既存のサイディングをはがして、新たに設置する場合には、下地を痛める可能性があります。
釘打ちでサイディングを設置している場合には、
-
-
- タイベックシート(防水シート)
- 断熱材
- 下地そのもの
-
に穴があいているので、浸水してしまった場合に被害が拡大しやすくなります。
とくに、タイベックシートは穴が開いてしまえば、機能性を保持できなくなります。
全面張替えの可能性もあるので、注意が必要です。
リフォーム方法によっては、収まりに問題が出てくる
既存のサイディングをはがすことなく、上から新たに張り付ける場合には、収まりに問題が出てきます。
ほかの建材(窓枠など)との接合がかみ合わず、特別な加工が必要になるということです。
レンガ造り(調)を実現する方法は「ひとつ」ではない!
レンガ造りおよびレンガ調の外壁について、徹底的に解説してきました。
レンガ造りの外壁といっても、
-
-
- 自然な趣や味わいを楽しむレンガ造りの外壁
- 統一感のある重厚感を楽しむレンガ造りの外壁
- 見た目の雰囲気を柔軟に楽しむレンガ調の外壁
-
の3パターンがあります。
どのレンガ造りの外壁が一番というわけではなく、ニーズに合わせた選択があります。
工法の組み合わせ | 初期コスト | メンテンナンス頻度(およびコスト) | 見た目 |
---|---|---|---|
湿式レンガ・積上げ工法 | 高コスト(★) | 低頻度&コスト(★★★★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
自然で趣ある味わい深さ |
湿式レンガ・張り付け工法(湿式) | 高コスト(★★) | 低頻度&コスト(★★★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
自然で趣ある味わい深さ |
湿式レンガ・張り付け工法(乾式) | 高コスト(★★) | 低頻度&コスト(★★★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
自然で趣ある味わい深さ |
乾式レンガ・張り付け工法(湿式) | 中コスト(★★★) | 中頻度&コスト(★★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
統一感のあるどっしりとした重厚感 |
乾式レンガ・張り付け工法(乾式) | 中コスト(★★★) | 中頻度&コスト(★★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
統一感のあるどっしりとした重厚感 |
レンガタイル・張り付け工法(乾式) | 低コスト(★★★★) | 高頻度&コスト(★★) (※ただし、リフォームは大規模になりやすい) |
自然で趣ある味わい深さ |
統一感のあるどっしりとし 比較すると、上の表のようになります。
あなたが求めているものと費用とのバランスを考慮しながら、最適なものを選ぶことが重要です。
いろいろな家や建材を確認しながら、どれなら納得がいくのかじっかり検討してみてください。
考慮しながら、最適なものを選ぶことが重要です。
いろいろな家や建材を確認しながら、どれなら納得がいくのかじっかり検討してみてください。
著者経歴
わかった!不動産 管理人
土地・中古不動産(住宅・マンション)の総合情報サイト「わかった!不動産」の管理人。本業で不動産業を営む。
- 所持資格
- 宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、不動産鑑定士1次試験通過
- Webサイト
- 土地・中古不動産(住宅・マンション)の総合情報サイト「わかった!不動産」