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みんなの外壁塗装ガイド

ウレタン塗装はこんな方におすすめ! 塗料の特徴やメリット・デメリットなどもご紹介

現在の外壁塗装はシリコン塗料が主流となり、使われる機会も減ったウレタン塗装。

しかし、塗る箇所や用途によっては、現在でもウレタン塗料が選ばれることもあり、魅力的な塗料です。

この記事では、ウレタン塗料とはどのような塗料で、どのような場合に向いていのか解説します。

  • 「ウレタン塗装を検討しているが、どのような特徴があるのだろうか?」
  • 「ウレタン塗装のメリット・デメリットを知りたい!」

外壁塗装を検討されている方やウレタンで塗装しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ウレタン塗料とは

ウレタン塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料全般を指します。ウレタンとは塗装業界での通称であり、合成ゴムや断熱材などに使われるポリウレタンのことです。

価格、耐久性、機能性のバランスがとれていて、以前は外壁塗装において主流でした。

現在はウレタンよりも耐久性があり、価格が下がってきたシリコン塗料が使われることが多くなりました。

しかし、ウレタン塗料にはシリコン塗料にはない良さもあります。価格を抑えたい場合や塗る場所・求める機能などの条件により、現在も選ばれている塗料です。

ウレタン塗料の種類

ウレタン塗料には「水性塗料」と「油性塗料」がある

ウレタン塗料には、「水性塗料」と「油性塗料」があります。それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します。

水性塗料の特徴

水性塗料はその名の通り、水で薄めて使用する塗料です。

メリットは

  • 油性塗料よりも比較的安価
  • 塗料の臭いが少ない

デメリットは

  • 耐久性が低い
  • ツヤが落ちやすい

といった特徴があります。

油性塗料の特徴

油性塗料は油性という名前がついているものの、実際は油ではなく溶剤で薄める塗料です。溶剤とは、シンナーやベンジンなどに代表される、有機物を溶かす液体です。

メリットは

  • 水性塗料と比べて、耐久性が高い

デメリットは

  • 水性塗料より費用が高くなる
  • 臭いがかなり強い

があげられます。

メリット

デメリット

水性塗料

油性塗料よりも比較的安価で、臭いが少ない

耐久性が低く、ツヤが落ちやすい

油性塗料

水性塗料と比べて、耐久性が高い

水性塗料より費用が高く、臭いがとても強い

ウレタン塗料には「1液型」と「2液型」に分けられる

1液型と2液型のちがいは、塗料が「1つの缶の液体だけで塗料として使えるか」、「2つの異なる缶の液体を組み合わせて塗料として使うのか」で分類されます。

1液型塗料の特徴

1液型塗料のメリットは、以下の3つです。

  • コスパがよく、比較的安価
  • 塗料を混ぜあわせたりする手間がない
  • 塗料が余っても次回に使える

デメリットは

  • 耐久性(耐候性)が低い
  • 保管しにくい
  • 塗られる箇所が限られる

といった特徴があります。

2液型塗料の特徴

2液型塗料のメリットは、以下の3つです。

  • 耐久性が比較的高い
  • 塗装できる素材が多い
  • 乾燥が早い

デメリットは

  • 価格が比較的高い
  • 混ぜたらすぐに使わないといけない
  • 混ぜ合わせて、塗料を作るのに手間がかかる

それぞれ特徴にちがいがあるので、目的にあった塗料を選びましょう。

1液型塗料の特徴
メリット

コスパがよく比較的安価で、塗料を混ぜあわせる手間がない。塗料が余っても次回に使える。

デメリット

耐久性(耐候性)が低く保管しにくい。塗られる箇所が限られる

2液型塗料の特徴
メリット

耐久性が比較的高く、塗装できる素材が多い。乾燥が早い。

デメリット

価格が比較的高く、混ぜたらすぐに使わないといけない。塗料を作るのに手間がかかる。

ウレタン塗料のメリット・デメリット

現在、外壁塗装はシリコン塗料が主流になっています。しかし、ウレタン塗料は今もなお親しまれ使われています。

以下でウレタン塗料のメリット・デメリットを解説します。

メリット

柔軟性があり、密着性が高い

ウレタン塗料は塗料自体に柔軟性があり、密着性が高いのが特徴です。

塗装に失敗しても、修正がしやすく、メンテナンスが容易にできます。

塗装が固まった後も、塗膜に柔らかさが残るため、地震などによるひび割れを抑える機能もあります。

木材のように時間の経過にともなって、変形しやすい材質の塗装に向いています。

色や種類が豊富で価格と性能のバランスが良い

ウレタン塗料は歴史も古く、国内外の各メーカーから多くの種類が販売されています。

種類が豊富なため、塗る場所や用途に応じて、条件に合う塗料を選べます。

ウレタンは価格と性能のバランスが良い万能塗料です。コストを抑えながら、ある程度の耐久性を求める方におすすめです。

光沢がある

ウレタンで塗装すると、光沢がでて高級感のある仕上がりになります。

外壁塗装以外にも、高級感を出したい家具やフローリングに使用されています。

いろいろな場所に塗ることができる

ウレタン塗料は密着性や柔軟性が高く、さまざまな箇所に塗装ができます。

塗装する箇所の性質にあわせて、硬化剤の量を変えて塗装ができるからです。

たとえば、経年劣化しやすく、変形しやすい「木材」や塩ビ製の雨樋や壁面の剥がれといった「小さな範囲の補修」にも塗ることができます。

デメリット

シリコン塗料よりも耐久性が低い

ウレタン塗料はシリコン塗料よりも、耐久性が低いです。シリコン塗料との価格差も小さくなってきたため、今ではシリコン塗料が外壁塗装において主流になっています。

種類

耐用年数

アクリル塗料

5~7年

ウレタン塗料

8~10年

シリコン塗料

12~15年

紫外線に弱く、黄変しやすい

ウレタン塗料は「紫外線に弱い」です。黄色く変色しやすく、特徴でもある光沢も長持ちしません。耐久性にはあまり期待しない方がいいでしょう。

強い毒性のある成分が配合されている

ウレタン塗料の硬化剤に含まれているイソシアネート化合物には、強い毒性があります。

長期間にわたり吸い続けると、ぜんそくや過敏性肺炎の発症、呼吸器への刺激になるので危険です。

また、皮膚へ触れると痛みや腫れ、水疱ができ、目に入ると角膜を痛めます。人体に影響を及ぼすため注意が必要です。

防汚性に劣る

ウレタン塗料は防汚性が低く、汚れが付きやすいのがデメリットです。

汚れが付着しやすいと、外壁が汚れて建物が古びた印象を与えてしまいます。

ウレタン塗装はこんな方におすすめ!

外壁塗装では主流ではなくなったウレタン塗装ですが、価格と性能のバランスが良いため、現在でも魅力的な塗料として利用されています。

以下でおすすめする6つのケースを解説します。

安く施工したい

塗料の中で、アクリル塗料の次に安いのがウレタン塗料です。

シリコン塗料に比べると耐久性は落ちます。しかし、コストを抑えて機能性も、ある程度欲しい人にはおすすめです。

付加機能にこだわりたい

ウレタン塗料はバリエーションが豊かなため、さまざまな付加機能を選択できます。そのため、適材適所で塗装できるのがメリットです。

たとえば

  • 木部には弾性が高い塗料
  • 鉄部にはサビ止めが含まれた塗料
  • 外壁には、断熱できる塗料やカビに強い塗料

といったように種類が豊富で、付加機能にこだわりたい方にはおすすめです。

高級感を出したい

ウレタン塗装をすると、光沢が生まれて高級感がでます。

木の部分に塗ればツヤを出すこともできます。

耐久性は落ちるものの、コストを抑えて高級感を出したい方にはおすすめです。

ただし、紫外線に弱く、光沢の減少速度は速いです。光沢を長持ちさせたい場合にはあまりおすすめしません。

耐久性はそれほど気にしない

ウレタン塗料の耐久年数は8~10年で、それほど長くはありません。

10年以上の耐久性を求める場合は、ウレタン塗装はおすすめしません。

建て替えや引っ越しなどで10年以上、現在の家に住む予定がない方やこまめに塗装をしてイメージチェンジを楽しみたい方には、低価格でバリエーション豊かなウレタン塗料がおすすめです。

木部や雨どいなどの細かな部分

柔らかく弾性のあるウレタン塗料は、木部や雨どいなどの細かい部分の塗装に向いています。密着性が高く、色々な素材にもぴったりと密着します。

バイクや家具に塗装したい

光沢が出て、表面がツルツルになるウレタン塗料は、バイクの塗装にも使われます。

また、ツヤによって高級感がでるのでテーブルや椅子といった家具の塗装にも使われています。

ウレタン塗装の相場

下記の表で、ウレタン塗料の㎡単価をまとめてみました。ウレタン塗装は、塗料の中では比較的安価です。

坪数が30坪の住宅の場合、外壁面積は120~130㎡と言われています。自宅と比較しながら、おおよその相場をご確認ください。

種類

㎡単価

アクリル

1,300~1,700円

ウレタン

1,800~2,200円

シリコン

2,300~3,000円

フッ素

4000円~

※単価はあくまで目安です

※単価は工事単価ではなく、塗料自体の単価です

おすすめの塗料を使用用途別でご紹介

ウレタン塗料の中でも、おすすめの塗料を使用用途別でご紹介します。

使用用途

塗料の名称(メーカー名)

外壁塗装

弾性クリーンマイルドウレタン(エスケー化研)

1液ファインウレタン 3分艶(日本ペイント)

屋根塗装

ヤネフレッシュ(エスケー化研)

スーパーウレタンルーフペイント(関西ペイント)

バイクの塗装

レタンPGエコ RRクリヤー510(関西ペイント)

エアウレタン(イサムエアゾール)

家具の塗装

EGジャストワン(ユニオンペイント)

エコフィーバーラック(和信化学工業)

ウレタン塗料は他にもさまざまな種類が販売されています。実際に使用してみたり、ホームセンターなどで店員さんに相談してみたりして、用途に合った塗料を選んでみてください。

まとめ

ウレタン塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料全般を指します。柔軟性や密着性が高く、価格も安いバランスの取れた塗料です。

「水性塗料」と「油性塗料」の2種類があり、さらに「1液型」と「2液型」に分けられます。それぞれの用途に合わせて選びましょう。

ウレタン塗料は種類が多く、汎用性が高いためさまざま箇所で使うことができます。

以下のような方におすすめです。

  • 塗装費用を抑えたい
  • 木部や鉄部の塗装をしたい
  • バイクや家具の塗装をしたい

どのような塗料が自宅に合うのか、将来のメンテナンス計画や予算、性能などから信頼できる業者と相談して決めましょう。