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太陽光でセルフクリーニング!光触媒塗料とは?

化学の世界では日々新たな技術が開発され、日進月歩で革新が進んでいます。
今回ご紹介する「光触媒塗料」も、長年の開発の結果にうまれた新しい塗料です。太陽光を浴びることで汚れを分解してくれるセルフクリーニング効果は、光触媒塗料最大の特徴であり、革新的な塗料として注目されています。
とはいえ、まだ新しい塗料なので生産メーカーも少なく、実績も多くありません。
用いる際はメリットとデメリットをしっかり理解する必要があります。
新築住宅をご検討中の方や、外壁の再塗装をお考えの方は、ぜひこのコラムを参考にしてください。

目次
  1. 光触媒塗料とは
  2. 光触媒塗料のメリット・デメリット
  3. 価格相場
  4. 光触媒塗料の主なメーカー
  5. まとめ

光触媒塗料とは

光触媒塗料は、2007年にTOTOの環境浄化技術「ハイドロテクト」ブランドが独自の光触媒技術を応用して開発した機能性塗料です。
2007年の最初の発売から改良がなされ、2014年5月に改めて発売された「光触媒塗料ハイドロテクトコート」は、同年の「第12回環境・設備デザイン賞」の設備器具・システムデザイン部門で奨励賞を獲得した実績もあります。
その後、TOTOの技術開発を皮切りに、いくつかの会社で同様の光触媒塗料が生産されるようになっていきました。

光触媒塗料のメリット・デメリット

光触媒塗料のメリット

それでは光触媒塗料のメリットについて、仕組みを解説しながらチェックしてみましょう。
光触媒塗料の特性および使用することのメリットは、5つあります。

1.セルフクリーニング機能

光触媒塗料には、白色顔料の原料である二酸化チタンが含まれています。
この二酸化チタンに太陽光(紫外線)が当たると、活性酸素が生成されます。光触媒塗料が排ガスや排煙といった大気汚染物質を分解し、汚染物質を外壁から除去できるのは、この活性酸素のおかげです。

セルフクリーニング機能としてはもう1つ、光触媒塗料の塗膜における「超親水状態」というはたらきがあります。
超親水状態とは、外壁が水と非常になじみがいい状態にあることを意味します。
つまり、大気に含まれて外壁に付着した細かいチリやホコリと塗膜の間に水が入り込む性質により、雨が汚れを洗い流してくれるのです。
二酸化チタンと紫外線が作用し合って生じる二酸化チタンの分解力、塗膜の超親水性、この2つの点が組み合わさって、セルフクリーニング機能という光触媒塗料最大のメリットを作り上げています。

2.空気清浄機能

光触媒塗料が放出する活性酸素は、外壁に付着した汚れだけでなく、塗料周辺分の大気に含まれる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を分解する力もあります。

使用する塗料によって違いはあるものの、外壁面積150㎡の戸建て住宅に光触媒塗料を塗布すると、乗用車12台分が排出する量の二酸化炭素を除去可能です。これは、およそ1,000㎡の緑地と同様の空気浄化力といわれています。ちなみに、1,000㎡はテニスコート4面分に相当します。
大気汚染の解消に一役買う塗料であることから、一般住宅だけでなく環境保護に対して積極的な企業や、慢性的な大気汚染に悩まされている海外の国々で使用されることもあります

3.耐用年数が長い

光触媒塗料の耐用年数は、およそ20年前後といわれています。
塗料はグレードによって耐用年数と価格が変動し、安価なアクリル塗料やウレタン塗料の耐用年数は5〜8年、シリコン塗料は10年です。
新しい塗料として注目され始めているラジカル塗料でも耐用年数は15年なので、これらの年数を比較すると、光触媒塗料の耐用年数は突出した数字であるといえます。
ちなみに、光触媒塗料と同じく20年前後の耐用年数が見込まれる塗料は、他にフッ素塗料があります。

4.遮熱効果の高い塗料もある

すべての光触媒塗料にみとめられる効果ではありませんが、光触媒塗料の中には高い遮熱効果を発揮する塗料があります。
太陽光の熱をシャットアウトするので、住宅内を快適に保つことが期待できます。

5.防藻・防カビ効果が高い

セルフクリーニング機能によって塗膜が清潔な状態に保たれるため、藻やカビの発生を抑えることができます。
藻やカビは、外壁に広がると景観を損ねるだけでなく、壁のクラック(割れ目)から外壁内部に入り込み、住宅の内部構造にダメージを与える危険があります。
また、室内に藻やカビの繁殖が広がってしまうと、ぜん息や皮膚かぶれといったアレルギー症状を引き起こす原因になりかねません。
それらが発生しにくい環境を、光触媒塗料は作り出します。

光触媒塗料のデメリット

どんな塗料にも、デメリットはあります。光触媒塗料における現在のデメリットは次の6つです。

1.充分な効果を発揮するためには条件がある

光触媒塗料は、太陽光(紫外線)と雨が塗膜に当たることによって、セルフクリーニング機能を発揮します。
言い換えると、紫外線と雨が充分に当たる環境でなければ、能力を発揮することができません。
都市部の住宅は、お隣の住宅や建物との間隔が狭い場合が多く、太陽光や雨が当たりにくい環境が生じやすいといえます。
一般的に、隣の住宅との間隔が1mに満たない場合は、晴天の日でも紫外線がほとんど当たりませんので、結果としてセルフクリーニング機能がはたらきにくい環境となってしまいます。
さらに、光触媒塗料が最もセルフクリーニング機能をはたらかせる環境は、晴天時であるという前提条件もあります。
曇りや雨が多い気候の場合、やはり充分な効果を発揮することは難しくなります。

2.無機質な汚れには反応しない

光触媒塗料における活性酸素のはたらきは、有機物分解機能と呼ばれるものです。
有機物は炭素を含む化合物で、外壁に付着する有機物としては風で飛ばされたプラスチックの細かいかけらや木くず、紙くず片などが考えられます。
そのため、鳥の糞や泥、サビといった無機質な汚れを分解することはできません。
これらは雑巾で拭いたり、サビ落とし剤を塗布して掃除する必要があります。
また、塗膜の裏側、つまり塗膜の内側にたまった湿気などから発生する汚れやサビには効果を発揮しません。
これらも同じように自らの手で掃除する必要があります。

3.算出耐用年数は実証済みではない

光触媒塗料は、2007年に発売された塗料です。
そのため、耐用年数20年という数字は、あくまでメーカーの出した試算に過ぎません。
2007年以降に施工された光触媒塗料がどのような環境下でどのように変化していくかは、これから実証されていく数字です。
ゆえに、実績という意味ではほかの塗料よりも未確定な要素を含んでいるといえます。
耐用年数がそれほど長くない光触媒塗料も販売されているので、施工依頼の際は相見積もりをとる、業者の実績について質問するなど、よくチェックしてください。

4.職人の力量によって仕上がりに差が出る

光触媒塗料は、高い機能を有するがゆえに取り扱いも難しく、2014年まではメーカーの認定を受けた認定施工店でなければ施工が許可されていませんでした。
2014年になってから従来の光触媒塗料よりも扱いやすい新商品が発売され、現在は認定制度は廃止になっていますが、誰もが施工のための充分な知識をもった業者というわけではありません。
知識と熟練のテクニックを兼ね備えた職人でなければ、光触媒塗料の性能をきちんと発揮できる正しい塗膜は作れないのです。
訪問販売などで「光触媒塗料を使って塗装をする」と売り込まれても、断りましょう。
光触媒塗料の知識を持っていない悪徳業者が、適当な塗料を光触媒塗料と偽って押し売りをしている可能性が高いからです。
きちんとした業者であれば、高額な光触媒塗料を安易に、そして闇雲におすすめすることはありません。

5.追従性に乏しい(ひび割れしやすい)

光触媒塗料は、一般的に使用されているシリコン塗料よりも追従性に乏しく、ひび割れしやすい塗料です。
そのため、過去にクラックと呼ばれるひび割れが生じたことのある建物、建っている環境や構造上、クラックが出やすい建物には適しません。

6.費用が高い

光触媒塗料は、現在のところ最もグレードが高い塗料です。単価は5,000/㎡前後で、ざっくり見積もると外壁塗装でよく使用されているシリコン塗料のおよそ2倍の費用がかかります。
とはいえ、一度しっかりと塗装してしまえば20年はメンテナンスいらずで住み続けることができます。
そのため、塗装するための初期費用が高額でも、後のメンテナンス回数によっては却って安上がりと考えて施工を依頼する人もいます。
しかし、光触媒塗料にはさまざまな種類があり、中には耐用年数が20年よりも短いタイプもあります。
価格が安いほど耐用年数は低くなり、シリコン塗料と同程度の年数しか耐候性のない光触媒塗料もあります。
施工にあたっては、価格に見合う耐候性を備えた塗料を使っているかどうかチェックするようにしましょう。
なお具体的な価格の相場については、次で詳しく解説しています。

価格相場

外壁面積あたりの価格相場

光触媒塗料を用いた場合の平米あたりの単価は、3,400〜3,700円/㎡です。
具体的な価格の算出は、平米単価に外壁面積をかけることで求められます。
すなわち外壁面積が100㎡であれば、単価×100、250㎡であれば単価×250となります。
なお、これはあくまで塗装のみの単価です。
外壁塗装は高所での作業となるため、足場を設置しなければなりません。
塗装費用と足場設置費用を足した価格が、外壁塗装の費用となります。
また、この価格はあくまで相場の目安であり、使用する光触媒塗料のメーカーや住宅の形状、施工する業者によって違いがあるので、心配なときは相見積もりを取るなどして複数の業者を比較するのもおすすめです。

建坪あたりの価格相場

光触媒塗料を用いた場合の住宅の建坪あたりの単価は、24,000〜26,000円/坪です。
平均的な住宅の例として、30坪の住宅がよく参考にされますが、30坪の住宅に光触媒塗料を用いて塗装をする場合、足場設置費用も含めておよそ75万円程度の予算が必要になります。
なお、この価格には屋根塗装費用は含まれていません。あくまで足場設置費用と外壁塗装を合わせた金額となります。

足場設置費用の相場

足場設置費用は、平米あたりの単価が600〜800円ほどとされています。
ただし、3階部分まで足場を高くする場合は、2階部分よりも単価が高くなるので、費用は目安ととらえてください。
ちなみに、足場は一度組めば複数の工事で使い回すことができるため、ほかにも住宅の高所でメンテナンスが必要な箇所があれば、1回で済ませることで足場設置費用を節約できます。

光触媒塗料の主なメーカー

光触媒塗料は、TOTOが2007年に発売したものですが、現在ではいくつかのメーカーが同様の光触媒塗料を生産しています。
しかしながら、光触媒以外の塗料では三大大手とされる日本ペイント社、関西ペイントおよびエスケー化研の3社は光触媒塗料を取り扱っていません。

日本特殊塗料「エヌティオ」シリーズ

「エヌティオ」は、防汚染、抗菌、脱臭、浄化の機能を兼ね備えた光触媒の仕上げ材です。
ガラス面を美しく塗装できる「エヌティオG」といった塗料も同じシリーズとして販売されています。

ピアレックス「ピュアコート」シリーズ

光触媒工業会では、汚れを分解する機能を保つため、光触媒塗料の分解活性指数5以上という数字を、塗料の認定基準に掲げています。
「ピュアコート」は、その認定を上回る7.5を記録、高い汚れの分解能力が期待できる塗料です。

オプティマス「外装用オプティマスホワイトペイント」

オプティマスの光触媒塗料は、メーカー特有のマットな質感が特徴です。
光触媒で覆った「スーパーキャプセル」を塗膜の表面に配置する独自の技術で、光触媒の作用をより長期間にわたり保てるようになっています。

ニュートラル「ニューコート」シリーズ

それまでの光触媒コート剤では不可能とされていた、直接の1コート施工ができる塗料です。
「ニューコート」はアパタイトを二酸化チタンへ金平糖状に被覆させることにより、下地剤なしに塗料を塗っても、二酸化チタンがその役割を果たせるようになっています。
素地に直接塗布して光触媒の機能を発揮できるため、人件費や工事期間のカットに一役買っています。
シックハウス症候群の原因とみられている、ホルムアルデヒドなどの有機物を分解可能な内装用のコート剤も取り扱いがあります。

SICコーティングス「アートファイン」シリーズ

光触媒塗料は、白色顔料に含まれる二酸化チタンを作用させる必要があるため、塗料の色は淡い色でなければ効果が得られにくいという点がありました。ですが、「アートファイン」シリーズは、30色から自由に選ぶことができます。グレーやあずき色といった、暗めの色合いも取り扱いがあるのが特徴です。

TOTO「ハイドロテクトカラーコート」※生産中止

光触媒塗料を開発したTOTOは、「ハイドロテクトカラーコート」という商品名で塗料を販売していましたが、2017年6月26日をもって生産は中止となっています。
ECO-EX、 ECO-SP、ECO-HGの3種類すべてが廃盤となっているので、施工できるのは残っている在庫のみです。

まとめ

光触媒塗料は、新しい時代の塗料です。
そのため、現在デメリットとして挙げられているポイントも今後改善され、さらなる便利な塗料へと進化することも考えられます。
導入する際は、今回解説した基礎的な情報と、業者に問い合わせるなどして得た最新の状況なども鑑みて決定しましょう。