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屋根の種類でリフォームのコストが変わる!?形や材質ごとの特徴・注意点など

屋根には形状や材質の違いにより、さまざまな種類があります。
屋根の種類によって家の見た目が変わるだけではありません。屋根の耐久性やリフォームの費用まで変わる可能性もあるのです。

屋根にはトラブルが起こりやすい場所があり、その場所が多い屋根は雨漏りをはじめとするトラブルに注意が必要です。
また、屋根材によっても屋根の特徴や耐久性は異なります。

自宅の屋根の種類を把握しておくと、

  • どんなトラブルがどの部位で起こりやすいのか?
  • いつごろリフォームが必要になるか?
  • どんなリフォームをするべきなのか?

などが分かり、雨漏りなどの深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。

このコラムでは、

  • 屋根の形状の種類と特徴
  • 屋根の材質の種類と特徴
  • 屋根にまつわるトラブルの種類
  • 屋根の修理にかかる費用

について紹介します。

目次

屋根のトラブルが起こりやすい場所とは?

すべての屋根の形に共通することですが、屋根に絡むトラブルが起こりやすいのは下記のような場所です。

屋根と屋根が接している部分:屋根の棟や谷

  • 屋根と壁が接している部分(取り合い)
  • 屋根の端:軒やけらば、破風など

  • 屋根がかかっていない外壁部分

取り合いは接合部分から雨水が浸入しやすく、屋根の端は雨水の侵入のほかに風や直射日光の影響も受けやすいです。
また、屋根は雨水や直射日光から家を守る働きをしているので、屋根がかかっていない部分の外壁はトラブルが発生しやすくなります。
トラブルが発生しやすい部位が多い屋根の形は、必然的にトラブルが起こりやすいのです。

屋根の形はデザイン上の好みだけでなく、建築コストや居住スペース、敷地面積といったさまざまな要素から決定されるものです。
全ての屋根をトラブルの起こりにくい形にすることは不可能です。
そのため、自宅の屋根の弱い部分や注意点を知り、トラブルが発生する前に対処することが重要です。

屋根の形の種類と特徴

切妻屋根(きりづまやね)

傾斜のある2面の長方形で構成されている屋根の形です。
屋根面が乗っていない壁側から見ると、屋根が頂上に向けて山形になっています。
とてもシンプルな形の、古くから神社や商家などに採用されていたポピュラーな屋根で、現在の新築一戸建て物件においても最も多く採用されています。

メリット

  • 屋根の構造が単純であるため、新築時・リフォーム時の費用が比較的安く抑えられる
  • 形がシンプルで取り合い部分が少ないため、比較的雨漏りが少ない
  • 1面あたりの屋根面が広く、太陽光発電用のパネルを効率的に設置できる
  • 和洋どちらの建築様式にもマッチするので、デザイン面で採用しやすい

切妻屋根に適合する屋根材

構造がシンプルで造成しやすい切妻屋根では、主要な屋根材のどれもが適合します。

切妻屋根の注意点

切妻屋根の左右両端部分を破風(はふ)といいます。
破風は雨水や直射日光がじかに当たるため、劣化しやすい部分です。
破風には「水切り」という雨水を排出させる構造が設けられています。
しかし、スレート材や金属材の切妻屋根の場合、砂ぼこりやゴミが堆積することで水切りが機能しなくなることがあります。
その場合、屋根の内部に雨水が浸入し、屋根の構造の腐食や雨漏りの原因となります。


引用:カナマル産業

屋根と屋根が頂上で接している大棟(おおむね)は、雨や風、直射日光の影響で劣化しやすい部分です。
棟を保護している部材にゆるみや浮きが生じると、雨水が浸入してしまうため、注意が必要です。

以前の切妻屋根には、左右両端を外壁よりも外に出した「けらば」という部分があるのが一般的でした。
しかし現在では、敷地面積の問題やコスト削減などの理由により、けらばを出さない切妻屋根も多くなってきました。

けらばの出がない切妻屋根では、屋根がかかっていない側(妻側)の屋根と外壁の接合部分に雨がかかるため、雨漏りの危険性が高くなります。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根は、切妻屋根同様に古くからあるポピュラーな屋根形です。三角形の屋根2面と台形の屋根2面で構成されています。
雨や風を4面の屋根で分散して受け止めるので安定しており、外壁も全ての面が屋根に守られるため、トラブルが少ない屋根の形です。
劣化・破損しやすい屋根側面(破風・けらば)がないことも寄棟屋根に雨漏りなどのトラブルが少ない理由の一つです。

寄棟屋根は、一時期は最も施工件数が多い屋根の形でしたが、15年ほど前から減少傾向にあります。
これは屋根1面あたりの面積が狭いため、太陽光発電用のパネルが設置しにくい屋根形であることも一因です。

寄棟屋根に適合する屋根材

ポピュラーな寄棟屋根には瓦、スレート材、金属板など幅広い屋根材が適合しますが、その約半数でスレート材が採用されています。

寄棟屋根の注意点

耐久性が高い屋根の形ですが、棟が多い欠点もあります。
寄棟屋根には屋根頂上部の大棟(おおむね)に加え、屋根面同士が接する部分に4本の下り棟(くだりむね)があります。
大棟同様、下り棟も保護している部材の浮きやゆるみから雨水が浸入する可能性があるので注意が必要です。

また、寄棟屋根は屋根裏スペースが取れないため、屋根裏に部屋や収納スペースを作りたい場合には不向きです。
寄棟屋根は屋根同士の接合部分が多いため、新築時やリフォーム時のコストが比較的高くなることも覚えておきましょう。

雨漏りに強いといわれている寄棟屋根ですが、軒が少ない場合、屋根と外壁の取り合いに雨がかかり、雨漏りが発生する場合があります。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根は寄棟屋根の変形ですが、4面全ての屋根が三角形になります。大棟はなく、4本の下り棟があります。

寺社の仏塔などで古くから方形屋根が採用されている点から、方形屋根の機能の高さがうかがえます。
ただし、方形屋根にできるのは、建物が正方形に近い場合に限ります。
建物が長方形の場合には寄棟屋根になります。
寄棟屋根へ

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根は、傾斜をつけた1面の屋根で構成されています。
すっきりとしたシンプルな外観が現代的な建築スタイルにマッチしている点、屋根面が広く太陽光発電用のパネルを広く設置できる点などから、最近10年ほどの間で急速に施工件数が増えている屋根の形です。
片流れ屋根では屋根裏スペースを部屋や収納に活用できる点も魅力的です。

片流れ屋根に適合する屋根材

片流れ屋根には、ガルバリウム鋼板をはじめとする金属板の屋根材を採用するのが一般的です。

片流れ屋根の注意点

片流れ屋根は、雨漏りの危険が高い屋根の形です。
その理由として、以下が挙げられます。

  • 屋根の上端部分で屋根と外壁の取り合いや屋根の側面が雨ざらしとなるため、雨水が浸入しやすい
  • 屋根が1面しかないため、1本の雨樋に大量の雨水が集中し、雨樋があふれて軒先や外壁から雨水が浸入することがある

シンプルな外観が特徴の片流れ屋根では、けらばを出さないデザインが一般的です。
けらばがないと屋根と外壁の取り合い部分が雨にさらされることとなり、ここでも雨漏りの危険性が高くなります。

招き屋根(まねきやね)

招き屋根は、切妻屋根の一方が短く、一方が長くなっている屋根の形です。
人を招く時の手の形に似ていることから『招き屋根』と呼ばれています。
左右の屋根面に高低差があるタイプの屋根は「段違い屋根」といいます。
段違い屋根も含めて招き屋根と呼ぶのが一般的で、現在ではむしろ段違いの招き屋根の方が多くなっています。

メリット

  • 2枚の屋根に風の影響が分散されるため、切妻屋根よりも耐風性が高い
  • 高低差があるため、デザイン性の高い家になる
  • 上側の屋根と下側の屋根の間の外壁に窓をつけることで採光性や通気性が高くなる

招き屋根に適合する屋根材

招き屋根には、瓦、スレート、金属板など主な屋根材のどれもが適合します。

招き屋根の注意点

招き屋根の注意点は切妻屋根と同様です。
切妻屋根の注意点へ
さらに段違いの招き屋根は、下側の屋根と外壁の取り合いで雨漏りがしやすくなります。
上側屋根の上端部や、上側屋根と下側屋根の間の外壁も雨水が浸入する危険が高いです。

陸屋根(ろくやね、りくやね)

陸屋根は、屋根が1面でほぼ水平になっている屋根の形です。
家全体の形は箱型に近くなります。

鉄筋コンクリートの建造物では一般的な陸屋根ですが、雨が屋根面にとどまり雨漏りの危険が高いため、木造住宅には不向きとされています。
建物がモダンでシンプルな外観になる点や、屋根面を屋上に活用できる点、太陽光発電パネルの設置が容易な点は魅力的です。

木造住宅で陸屋根に見える屋根の多くは、水はけをよくするために緩い勾配をつけている「陸屋根風」です。

陸屋根に適合する屋根材

木造住宅で陸屋根や陸屋根風の緩い勾配の屋根にするためには、雨水が浸入するつなぎ目が少ない葺き方ができる金属系の屋根材が採用されます。
なお、瓦やスレート、アスファルトシングルなどの屋根材は、陸屋根や陸屋根風の緩い勾配の屋根には施工できません。
これらの屋根材はつなぎ目が多く、屋根の傾斜で雨水が排水されないと屋根の防水性を保てないためです。
鉄筋コンクリート造りの住宅であれば、ビルの屋上などと同様にコンクリートと防水塗装で仕上げられています。

陸屋根の注意点

傾斜がほとんどついていない屋根の形であるため、雨が屋根面にとどまりやすく、雨漏りの危険が非常に高いです。
鉄筋コンクリ―ト造りであればコンクリートや防水塗装のひびや亀裂、金属系の屋根材であればサビやゆがみなど、放置すれば雨水の浸入につながる不具合に注意しておく必要があります。

さらに、木造住宅で陸屋根を採用している場合、軒やけらばの出がないため屋根と外壁の取り合い部分からも雨漏りの危険性が高くなります。

はかま腰屋根(はかまごしやね)

はかま腰屋根は、切妻屋根の上端部を斜めに切り取り、三角形の小さな屋根面をつけた形状の屋根を指します。
「半切妻屋根」とも呼ばれ、北側斜線制限※1や、道路斜線制限※2がある場合に採用される屋根の形です。

※1 北側斜線制限:北側に建つ隣家の日当たりを確保するために、一定の基準に従って建物に勾配をつけることを命じる法規
※2 道路斜線制限:道路や周辺の建物の採光や通風を目的とし、一定の基準に従って道路に面する建物に勾配をつけることを命じる法規

はかま腰屋根に適合する屋根材

はかま腰屋根はどの屋根材でも造成が可能です。
小さな三角形の屋根部分の施工が比較的容易な金属板やアスファルトシングルなどがより適しているといえます。

はかま腰屋根の注意点

はかま腰屋根の注意点は切妻屋根と同様です。
切妻屋根の注意点
さらに、三角形の小屋根と大屋根の接合部分は雨水が浸入しやすいです。

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根は、屋根の上部は切妻屋根、下部は寄棟屋根の構造です。
日本では古来より神社仏閣で用いられ、一般住宅でも格式の高い屋根として採用されてきました。

重厚感があり、格調高い入母屋屋根ですが、洋風建築ではほとんど採用されず、新築物件で採用されることもほとんどなくなりました。

入母屋屋根に適合する屋根材

入母屋屋根は純和風建築で採用されることが大半であるため、屋根材も和風の瓦を採用するのが一般的です。

入母屋屋根の注意点

瓦葺きの場合が大半であるため、台風や強風による瓦の破損に注意が必要です。
屋根同士が接合する部分が多いため、雨漏りに注意しなければならない部分も多くなります。
大棟、下り棟とともに、切妻屋根の部分と寄棟屋根の部分が合わさる箇所に注意をしましょう。

現在では施工例が少ない屋根の形であるため、補修の際には「入母屋屋根を扱える屋根屋さん」を探すところから始める必要があります。

バタフライ屋根

バタフライ屋根は、2面の屋根の接合部分が山ではなく谷になる、珍しい屋根の形です。
ただし、北海道や東北などの豪雪地帯では、雪を融解させる機能を屋根に持たせた上で、あえてバタフライ屋根にして雪が落ちないようにして落雪による被害や雪下ろしの手間を解消する「無落雪屋根」がみられます。

バタフライ屋根に適合する屋根材

バタフライ屋根は屋根の中央に雨水がたまりがちになり、どの屋根材を用いても雨漏りの危険が高くなります。
一般住宅ではほとんど採用されていませんが、まれに防水性・耐久性の高い金属系屋根材を用いて、バタフライ屋根を実現している例もあります。

バタフライ屋根の注意点

バタフライ屋根は雨水が屋根の中心に集まるため、雨漏りの危険が高いです。
雨水を排出する樋に不具合があれば雨漏りに直結するため、注意する必要があります。
樋が割れたり穴が開いたりしていないか、また、ゴミや砂ぼこりで樋が詰まっていないか、定期的にチェックをしましょう。

越屋根(こしやね)

越屋根は、屋根(切妻屋根が多い)の棟に小さな屋根が乗っている形の屋根です。
小さな屋根の下に窓が設けられており、通気や採光の役割を果たしています。
かつての日本では、越屋根の下に囲炉裏(いろり)やかまどをすえ、熱気や煙を越屋根に設けた小窓から逃がしていました。
通気性がよいために湿気や熱気がこもらず、室内に明かりを取り込めるメリットがあります。

越屋根に適合する屋根材

越屋根に不向きな屋根材は特にありませんが、和風建築で用いられることが多いため、瓦葺きの越屋根が多くなっています。

越屋根の注意点

越屋根には、小屋根と大屋根が接する部分は雨水が浸入しやすく、雨漏りの危険性が非常に高い屋根の形といえます。
屋根の形状が複雑であるため、リフォームの際には費用が高くなる覚悟も必要です。

マンサード屋根、ギャンブレル屋根

マンサード屋根、ギャンブレル屋根はどちらも「腰折れ屋根」とも呼ばれ、途中で傾斜角度が変わっている屋根を指します。
マンサード屋根は寄棟屋根、ギャンブレル屋根は切妻屋根が原型となっています。

屋根裏スペースを広く取りたい場合に採用される屋根の形ですが、一般住宅では珍しい屋根の形です。

マンサード屋根、ギャンブレル屋根に適合する屋根材

マンサード屋根、ギャンブレル屋根では、腰折れ部分の加工が難しいことから、瓦が用いられることはまずありません。
腰折れ部分の加工が容易な金属板がより適しています。

マンサード屋根、ギャンブレル屋根の注意点

マンサード屋根、ギャンブレル屋根は、構造が複雑な屋根です。
切妻屋根や寄棟屋根の注意点に加え、腰折れ部分は屋根の施工が難しく、雨漏りがしやすい部分です。

マンサード屋根、ギャンブレル屋根では屋根裏を部屋として利用するために、屋根に断熱性を持たせる施工を行います。
しかし、腰折れ部分で通気スペースが取れない施工がされた場合には、屋根の内部で結露が生じ、雨漏りなどの不具合が生じることがあります。

かまぼこ屋根

かまぼこ屋根は、その名の通りかまぼこのような曲線を描く形です。
体育館や倉庫などに採用されている例はあるものの、一般住宅で見かけることはあまりありません。
曲線による柔らかな印象や、ほかにないユニークさを強調するため、デザイナーズ建築の住宅で採用されている場合もあります。

かまぼこ屋根に適合する屋根材

かまぼこ屋根には、曲線の加工が可能となる金属材やアスファルトシングルが適合します。

かまぼこ屋根の注意点

かまぼこ屋根の最上部はほぼ平らになるため、水はけが悪くなります。
耐久性の高い金属板を使用している場合でも、経年劣化やサビによる穴が空いていないか注意しておきましょう。

また、かまぼこ屋根は施工例が少ないため、リフォームができる業者は少ないと考えておきましょう。
屋根材の加工にかかる手間と時間のためにリフォームにかかる費用も割高になる可能性があります。

屋根材の種類と特徴

前章では屋根の形による特徴と注意点を紹介しましたが、屋根の耐久性はその形だけでなく材質によっても大きく左右されます。
この章では、現代の一般住宅で使用されている主な屋根材の種類とその特徴を簡単に紹介します。

スレート

スレートはセメントと繊維質の素材を混ぜ、加圧して薄い板状にした屋根材です。
「カラーベスト」「コロニアル」とも呼ばれています。日本瓦に較べて軽量で安価であっために広く普及しました。

スレート自体には防水性がなく、塗装によって防水機能を維持しているため、スレートが劣化する前に塗装によるリフォームを行う必要があります。
なお、本来スレートとは天然の粘板岩の薄板を指すものです。天然スレートはヨーロッパの歴史的建造物のほか、東京駅丸の内駅舎にも使用されていますが、非常に高価であるために一般的な住宅で使用されることはありません。

粘土瓦

粘土瓦は、粘土を板状に成形し、高温で焼き固めた屋根材です。
耐久性が高く、塗装などのリフォームは不要です。
スレートや金属板の屋根材と比較すると高価ですが、メンテナンスの費用がかからないのでトータルコストは変わらないという意見もあります。
他の屋根材よりも重量があるため、地震対策として瓦から他の屋根材に変える場合もありますが、最近では軽量化した瓦も流通しています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金でメッキされた鋼の薄板です。
薄く軽量で加工がしやすい、耐久性が高いなどの多くのメリットがあり、粘土瓦やスレートと並ぶ主要な屋根材のひとつです。

ただし、薄いために雨音がよく響く、断熱性がない欠点もあります。
劣化したスレートの屋根材の上からガルバリウム鋼板で覆う「重ね葺き」のリフォームも広く行われています。

石粒付ガルバリウム(ジンカリウム)

石粒付ガルバリウム鋼板は、ガルバリウム鋼板の表面に天然の細かな石粒を吹き付け、トップコートでコーティングしたものを指します。
「ジンカリウム」と呼ぶ場合もあります。
表面の石粒が雨音を拡散させ、紫外線の熱が伝わりづらくなる効果があるといわれています。

ステンレス

ステンレスの屋根は、耐久性が高いとされているガルバリウム鋼板よりもさらに耐久性が高く、メンテナンスもほぼ不要とされています。
ただし、価格が非常に高いデメリットがあります。

銅の屋根も、耐久性が高いとされています。
加えて銅は、経年劣化によって緑青(ろくしょう)の美しい色を楽しむこともできます。
純和風建築で採用されることが多い屋根材ですが、非常に高価である点がデメリットです。

トタン

トタンとは、亜鉛でメッキをした鋼の薄板です。安価で加工がしやすくさびにくいことから戦後の住宅で広く利用されていましたが、よりさびにくいガルバリウム鋼板の普及により、新築住宅で使用される例は少なくなっています。

セメント瓦

セメント瓦は、その名の通りセメントを成形した瓦です。
粘土瓦に較べて安価であったために、30~40年ほど前に使用されました。

セメント自体に防水性はないため、粘土瓦にくらべると耐久性が低く、表面の塗装によるメンテナンスが必要となります。
重量があり耐震性に問題がある点から、塗装によるメンテナンスではなく他の屋根材に葺き替えるメンテナンスを選択する場合もあります。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、グラスファイバーをアスファルトで固め、表面に細かな石粒を吹き付けた屋根材で、北米では80%以上のシェアを有しています。
薄く柔軟性があるために加工が容易で、曲面にも施工ができる長所があります。

アスファルトは燃えやすいため、以前の製品は防火地域などでは使用できませんでしたが、最近は防火性のある製品も販売されています。

ROOGA

ROOGA(ルーガ)は、屋根材メーカー最大手のケイミューが販売する軽量セメント瓦です。
原料がスレートと同じであるため、厚型スレート瓦とも呼ばれています。

粘土瓦と異なり軽量で、非常に割れにくく、釘で屋根本体に固定させるために風で飛ばされる心配がない長所があります。
しかし、施工費用が高いデメリットもあります。

屋根のトラブルの種類と修理の相場

屋根の形、屋根材には多くの種類があることを紹介してきました。
この章では、屋根に起こりうるトラブルにはどのような種類があり、修理にはどの程度の費用がかかるのかを紹介します。

屋根のトラブルといえば、まず雨漏りが挙げられますが、雨漏りは既にトラブルが相当に進行した状態です。
雨漏りで異常に気がついたときには、屋根や外壁の内部がひどい状態になっている可能性が高いのです。

屋根の不具合が生じやすい場所を定期的にチェックし、不具合があれば早めに対処することで、深刻なトラブルを防ぐことができます。
※以下に挙げる金額は目安です

棟の傷み

屋根と屋根が接する棟は雨水が浸入しやすく、風による影響を受けて破損や劣化しやすい部分です。
補修の際、スレートや金属板では、棟板金と呼ばれる部材の交換が行われます。

日本瓦の場合は、棟の瓦を固定している漆喰(しっくい)を塗り直す補修が行われますが、日本瓦の補修ができる施工業者が減っているため、補修費用が高額になる場合があります。

棟の傷みが起こりやすい屋根の形

  • 切妻屋根、寄棟屋根、入母屋屋根、はかま腰屋根

棟の修復にかかる費用相場

  • スレート、金属板(棟板金の交換):3,000~5,000円/m
  • 瓦:(漆喰の塗り直し):3,000~7,000円/m

瓦の割れ・ズレ

粘土瓦は非常に耐久性が高い屋根材ではあります。
しかし、瓦を固定している漆喰の剥がれや瓦の重みなどによって、瓦がずれてくる場合があるのです。
さらに、瓦には割れやすい欠点があります。瓦の割れや欠けは以下のような原因が考えられます。

  • 台風や強風による飛来物
  • 瓦内部に吸収された水分が凍って膨張することによる凍害
  • 瓦を鉄釘で固定している場合、釘がさびることによる膨張

割れや欠けが見つかった場合には撤去し、新しい瓦に入れ替えます。

瓦の割れ・ズレが起こりやすい屋根の形

  • 瓦を用いた屋根全般

瓦の割れ・ズレの修復にかかる費用相場

  • 5~15万円(補修範囲による)

塗装剥がれ(屋根全体)

スレートやセメント瓦など、素材そのものに耐水性がない屋根材では、表面の塗装によって防水性能を保っています。
おおよその目安として、10年前後を目安に再塗装を検討しましょう。
屋根全体の再塗装では多くの場合、足場を組んでの作業となりますが、足場代だけで10~20万円前後の費用がかかります。
そのため、同じく足場を組んで作業をする外壁塗装に合わせて屋根の再塗装を行うとコストの削減ができます。

塗装剥がれが起こりやすい屋根の形

  • スレートやセメント瓦を使用している屋根全般

塗装剥がれの修復にかかる費用相場

  • 50~100万円(足場代、養生などの費用も含む/屋根面積・塗料の種類によって異なる)

破風や軒裏の劣化

屋根材そのものだけでなく、風雨や直射日光によって劣化しやすい破風(はふ)や軒裏も、定期的なメンテナンスが必要になります。
破損がない場合は塗装で補修します。
しかし、劣化の程度が進行し塗装での補修が難しい場合は、金属板の破風や新しい軒裏で補修するカバー工法か、交換による補修を行うことになります。

屋根の塗装と同様、破風や軒裏の補修作業では仮設の足場を組む必要があります。
総工事費用は下記の費用相場に足場代を加算したものとなるため、外壁塗装や屋根塗装とあわせて行うのが一般的です。

破風や軒下などの塗装剥がれが起こりやすい屋根の形

  • 破風の塗装、補修が必要な屋根:切妻屋根、招き屋根、はかま腰屋根など
  • 軒裏の塗装、補修が必要な屋根:軒がある屋根の形全般

破風や軒下などの塗装剥がれの修復にかかる費用相場

  • 破風の塗装:800~1,600円/m(塗料のグレードにより異なる)
  • 破風の板金補修:2,000~4,000円/m
  • 軒裏の塗装:50,000~150,000円(足場代別)
  • 軒裏のカバ―工法(傷んだ軒裏の上から新しい軒裏を乗せる):150,000~200,000円(足場代別)
  • 軒裏の交換:200,000~300,000円(足場代別)

雨樋の詰まり

屋根とはあまり関係がなさそうにみえる雨樋ですが、雨水を屋根から速やかに排出する重要な役割を果たしています。
雨樋の不具合で雨水があふれたり漏れたりすると、雨漏りの原因となるため注意が必要です。

合成樹脂製の雨樋の場合は、塗装による補修で劣化を抑え、耐久年数を延ばすことができます。

雨樋の不具合が起こりやすい屋根の形

  • 片流れ屋根、バタフライ屋根など、屋根面に降る雨水が雨樋に集中して流れる屋根の形

雨樋の補修にかかる費用相場

  • 一部分のみ:10,000~20,000円
  • 全体の塗装:50,000~100,000円(足場代別、塗料によって異なる)
  • 雨樋全体の交換:200,000~300,000円(足場代別)

屋根に積もった雪が落ちる

豪雪地帯では雪に対する備えがありますが、あまり雪の降らない地方では、数年に一度の大雪で大きな事故が起きることがあります。
広い屋根面に積もった雪は大量で、屋根からの落雪が堆積すると通行の妨げになるだけでなく、下にあるものを破壊する恐れがあるのです。

隣家に落雪した場合にはご近所トラブルに発展する可能性もあるので、注意が必要です。
とくに、落雪が1か所に集中するような屋根の形の場合には、落雪の危険はさらに高まります。

落雪によるトラブルを防止するためには、「雪止め」という金具を屋根面に設置します。

雪によるトラブルが起こりやすい屋根の形

  • 片流れ屋根
  • 軒の下にカーポートや物置、通路がある場合や、雪が隣家や道路に落ちる場合

雪止めの設置にかかる費用相場

  • 100,000~150,000円(足場代別)

防水層の劣化

屋根面が水平に近く、雨水を排出しにくい陸屋根では、ビルの屋上のように防水塗装を行うのが一般的です。
陸屋根に防水層が敷いてある場合、劣化が進行して防水層の敷き直しになる前に塗装を行うことで、メンテナンスにかかる費用を低く抑えることができます。
7~10年単位で塗装工事が発生すると考えておくとよいでしょう。

防水層の劣化が起こりやすい屋根の形

  • 陸屋根

陸屋根の塗装にかかる費用相場

  • 1,700~3,000円/㎡

雨漏り

多くの人が“屋根のトラブル”と聞いて思い浮かべる雨漏りです。
しかし、雨漏りは「雨から住まいを守る」屋根本来の役割が果たせなくなった状態のため、症状はかなり深刻です。

雨漏りは、屋根内部で腐食などの深刻なトラブルが進行している可能性や、雨漏りの原因が特定しづらい場合がある点でも厄介なトラブルです。
雨漏りはさまざまな要因で起こりうる上、雨漏りの原因箇所や屋根内部の状況次第で補修費用が異なるため、補修にかかる費用相場を簡単にまとめることはできません。

まずは、信頼できる屋根の修理業者に依頼し、雨漏りの原因特定と屋根や外壁内部の状況を把握するところから始めましょう。

屋根の形状変更

ここまで、屋根の形や屋根材の種類にはそれぞれ特徴があり、起こりやすいトラブルや補修にかかる費用が異なることを紹介しました。
この章では、単なる不具合箇所の補修ではなく、屋根の形自体を変えるような大規模なリフォームを行う場合の注意点を紹介します。
たとえば、

  • 中古物件を購入した際、建物の外観や居住スペースを希望通りにするため
  • 地震対策で日本瓦の屋根を見直す際、軽量瓦への葺き替えではなく屋根の形自体も見直す

などのケースが考えられます。

屋根の形状変更は非常に大がかりな工事となるため、場合によっては1,000万円を超える費用がかかることも珍しくありません。
さらに、工事の計画段階から以下の点に注意をする必要があります。

設計・構造計算

屋根の形状変更は大がかりな工事となるため、設計士による設計が不可欠となります。
その際、新しい屋根が建物の耐久性に影響を与えないかどうかを計算して確かめることを「構造計算」といいます。

木造二階建て住宅の場合、資格を持つ設計士が設計している建物であれば、構造計算は必須ではありませんが、計算を行っておく方が確実です。
もし、希望する屋根の形状に建物の基礎が耐えられない場合には、屋根の形状変更を諦めるか、どの程度の屋根の形状変更が可能かを、施工業者や建築士と十分に打ち合わせを行うようにしましょう。

構造計算にかかる費用相場

  • 100,000~200,000円

自治体への確認申請

屋根の形状変更によって「建築基準法」や「都市計画法」などの法律に抵触していないことを証明する書類を提出し、審査に合格する必要がある場合があります。

  • 屋根の高さが変わる
  • 屋根の軒の出が変わる(外壁から1m以上出る)

といった大きな形状の変更がある場合、確認申請を行う必要があると覚えておいてください。
片流れ屋根など、高さが必要となる屋根への変更は、建築基準法に抵触する場合もありえます。

本来確認申請は建物の所有者が行うものですが、専門知識がない人が行うのは難しいため、屋根の形状変更工事を行う業者に代行してもらう場合がほとんどです。

確認申請の代行にかかる費用相場

  • 150,000~300,000円

固定資産税が変わる

屋根の形状変更を行うことにより、固定資産税の額が変わる場合があります。
屋根の大きさや構造だけでなく、デザインや使用している材質によっても固定資産税額の評価は変わってきます。

一般に、より複雑な屋根形ほど評価額が上がる(=固定資産税額が上がる)ため、固定資産税を抑えるのであれば、片流れ屋根や切妻屋根など、シンプルな構造の屋根の形状を選ぶのも一つの方法です。

良い屋根工事業者の見つけ方

いざ屋根のメンテナンスや補修をやろうとなった場合、多くの人が悩むのが「どの業者に依頼すればいいのか?」です。
施工技術が高く、安心して住まいを任せられるのは当然のことで、できればリーズナブルな費用で補修をしたいものです。

どんな点を重視するかは人それぞれですが、自分の趣向に合う屋根工事業者を見つけるためのポイントをいくつか紹介します。

訪問業者には注意する

「近所で工事をしていて通りかかりました」
「お宅の家の屋根に気になる点がありますよ」
といったセリフでリフォーム会社の訪問営業を受けることがあります。
リフォーム業界で発生する悪徳業者による被害の多くは訪問セールスを行う業者によるものといわれており、安易に発注することはおすすめできません。
全ての訪問業者が必ず悪質とは限りませんが、信頼できる業者かどうかを確認するまでは見積もり依頼などの具体的な話を進めるのは控えましょう。

新築物件の販売会社に安易に発注しない

新築物件を販売していた会社なら、信用もあり安心と考える人がいます。
しかし、屋根専門の業者に外注されることもあり、販売会社の手数料の分は割高になることもあります。

「屋根屋」にはいくつものジャンルがある

一口に「屋根の工事」といっても、屋根塗装、棟の板金加工、瓦の補修など、それぞれ専門分野が異なります。
屋根塗装をしたい場合に瓦屋根専門の業者に依頼をしたため、業者が塗装業者に外注をして割高になるもありうるのです。

複数業者に見積もりを取る

時間と手間はかかりますが、現地調査や見積もりは複数の業者から取ることをおすすめします。
相場が確認できるだけではありません。
担当者が親身になって対応してくれるか、屋根工事に関する知識が十分かなど、複数の業者に依頼する中で最も信頼でき、費用に見合う品質の工事をしてくれる業者を選びましょう。

まとめ

自宅であっても普段目にすることが少ない屋根ですが、屋根の形や材質には多くの種類があり、それぞれ特徴が異なっています。
自宅の屋根の特徴を知り、不具合が起こる前にメンテナンスを行うことで、大切な資産である家を守ることができます。
また、屋根に関するメンテナンスは信頼できる屋根工事業者に依頼することも重要です。

屋根の耐久性を高める塗装リフォームをご検討の場合は、ぜひいえふくにご相談ください。
実績豊富な施工業者が、心をこめて皆さまの住まいを守るお手伝いをします。