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外壁通気工法って何?塗り替えや張り替えのときは何に気をつければ良いの?

外壁通気工法とは、建物の躯体と外壁の間に通気層を設けることで、壁体内に水分や湿度が溜まることを防ぐ工法のことです。
これにより、壁体内の内部結露を減らすことができ、建物の耐久性を向上させることができます。

現在では主流となっている外壁通気工法ですが、昔の住宅では採用されていないものも多く、壁体内結露による腐朽に気をつける必要があります。
なお、現在住まわれているお家に外壁通気工法が採用されていない時は、張り替えで外壁通気工法の外壁に変えることができます。

ここでは、外壁通気工法の特徴や、メリット、デメリット、塗り替えや張り替え時の注意点についてお伝えします。

目次
  1. 外壁の通気について
  2. 外壁通気工法とは
  3. 外壁通気工法のメリットとデメリット
  4. 通気工法サイディングの塗り替え
  5. まとめ

外壁の通気について

ここでは、まず外壁の通気についてお伝えします。なぜ、外壁に通気が必要なのでしょうか?

壁体内結露(内部結露)とは

木造住宅の外壁の中に室内からの湿気が入り込むと、壁体内結露(内部結露)を引き起こす可能性があります。
実際、過去に建てられた在来工法や2×4工法の建物では、寒冷地を中心に壁内の湿気によって結露が発生する事例が多く見られます。

なお、在来工法は柱や梁を用いた伝統的な工法で、2×4工法は北米由来の枠組壁工法とも呼ばれる面を活かした工法ですが、このどちらにも内部結露は起こりえます。

壁体内結露が発生すると、その結露によって壁内の木材が腐ってしまい、建物の耐久性が低下したり、カビが発生して室内環境に影響を及ぼしたりします。

こうした、壁体内結露による被害を防ぐために開発された方法が「外壁通気工法(壁体内通気工法)」です。

外壁通気工法では、透湿防水シートという材料で壁を覆い、さらに壁と外壁材との間に通気層を設けることで、壁内の湿気を外部に放出します。

高気密高断熱住宅ほど通気が必要

最近の住宅は高気密高断熱住宅であることが多いですが、高気密高断熱住宅ほど通気が必要です。

高気密高断熱住宅は、冬の寒さが厳しいヨーロッパで建てられたのを初めに、日本では北海道から徐々に広がりました。

ヨーロッパや北海道では、冬の暖房の熱を逃さないことを主な目的として採用されていましたが、冷房も効きやすくなるということで日本の各地域にも普及しました。

日本の伝統的な建築は、蒸し暑い夏を過ごしやすいように間口が広く、壁の少ない風の通りやすい住宅が主で、冬は寒いものの湿気が溜まりにくい造りになっていました。

一方、高気密高断熱住宅は、冷房や暖房で適温になった空気が逃にくいため、夏涼しく、冬暖かい環境で過ごしやすいのですが、同時に湿気も溜まりやすいという特徴があります。

こうしたことから、最近ではサイディングなどを外壁に使用する場合はほとんどが外壁通気工法を採用して湿気を外に逃す構造となっているのです。

外壁通気工法とは

壁体内結露による建物の劣化やカビの発生を防ぐために開発された外壁通気工法は、壁に外壁材を設置するときの工法の一つだと考えると良いでしょう。

例えば、最近の住宅で主流となっているサイディングの張り方には、通気工法サイディングと直張工法サイディングがあります。

通気工法サイディングと直張 工法サイディング

直張工法サイディングは日本で長年使われてきた工法で、柱の外側に防水紙を張り、その上から外壁材を直接張り付けます。

直張工法で張られたサイディングはぴったり柱にくっつくため、隙間(通気層)はありません。

一方、通気工法では柱と外壁材の間に一定の隙間(通気層)を設けます。また、室内から発生する湿気に対しては、断熱材の外部に透湿防水シートを張ります。

外壁通気工法の通気層と透湿防水シート


引用:アウルホーム

外壁通気工法の仕組みは簡単で、外壁と壁との間に上と下に通る隙間(通気層)を設け、また壁内の水蒸気を通気層に出すように透湿防水シートを張ります。

これにより、外側からやってきた水分や湿気は壁に入る前に通気層で止められ、また内側からの湿気は壁内で留まることなく壁と外壁材の間の隙間(通気層)に逃がされ、外に排出されます。

なお、一般的にはサイディングの最も下面(外壁水切り)を空け、空気の入り口とするとともに、軒裏などに換気口を設けることで空気の出口とします。

横胴縁と縦胴縁


引用:ウエキハウス株式会社

外壁通気工法の施工には、建物の躯体と外壁との間に施工される「胴縁」の扱いが重要です。

胴縁は、一般的に外壁の仕上げ材を施工する際の下地としての役割を持つもので、胴縁に外壁の仕上げ材が固定されることで外壁工事が進められます。

そのため、外壁の張り方によって縦に胴縁を施工する縦胴縁と横に胴縁を施工する横胴縁があります。

胴縁は建物の躯体と外壁の間に455mm間隔に施工されるもので、施工された胴縁と胴縁の間が通気層となります。

そのため、横胴縁では一定間隔(一般的には1,820mm程度)ごとに30mm以上の隙間を設けて、縦胴縁では窓周りの上下で30mm以上離して施工することで空気の通り道とします。

モルタル外壁と通気工法

サイディングでは外壁通気工法で施工されるのがほとんどですが、モルタル外壁ではどうなっているのでしょうか?

モルタル外壁では、柱の上にラスという素材を張ってモルタルを塗り重ねますが、柱とラスの間に通気層がないものも少なくありません。

ただ、サイディングと同様通気層を設ける外壁通気工法でも施工できないことはありません。

最近では防水シートと通気シートが一体となっているものをラスと一緒に張り付けることで、サイディングの胴縁と同じような役割を持たせられる商品が開発されています。

外壁通気工法のメリットとデメリット

外壁通気工法には、湿度や水分を防ぎ、木材の腐食やカビによる健康被害を防ぐというメリットがある一方、デメリットも存在します。

ここでは、外壁通気工法のメリットとデメリットをお伝えします。

外壁通気工法のメリット

外壁通気工法のメリットは、防湿・防水効果を高めることで壁体内結露を少なくし、結果として建物の耐久性を向上させられる点と、カビの発生を抑え、健康被害などを防げる点です。

建物の耐久性を高める

外壁通気工法には、壁と外壁の間に設けた通気層と、外壁の外側に張った透湿防水シートで湿気や水分を外に逃すという、防湿効果と防水効果を高める効果があります。

壁体内に発生した湿気をそのままにしていると、建物の柱など構造に関わる部分が水を吸って腐食してしまい、建物の耐久性を落とすことにつながってしまいます。

つまり、外壁通気工法を採用することで建物の耐久性を高めることにつながるのです。

カビによる健康被害を防ぐ

壁の中に湿気や水分が溜まったとしても拭き取ることはできず、自然に乾燥するのを待つしかありません。
しかし、湿気や水分の溜まった状態は、カビが発生しやすい環境です。
そして、カビが発生したまま放置すると、木材の奥深くまで根付き、簡単に除去できなくなるでしょう。

また、カビがそこら中に広がり室内に進出すると、住人の健康にも影響を及ぼします。
具体的には、気管支喘息や肺炎、結膜炎などの原因となり、場合によっては命に関わる大きな病気にかかることもあります。

外壁通気工法を採用することで、建物の躯体と外壁との間に通気層が設けられ、カビのもととなる湿気や水分を排出でき、このことがひいては健康被害からあなたを守ることにつながるのです。

外壁通気工法のデメリット

一方、外壁通気工法には、外壁の強度や厚み、火災時の問題など、多少ながらデメリットも存在します。

外壁の強度

外壁通気工法のデメリットとしては、外壁の強度が落ちてしまうことがあります。

外壁通気工法では、外壁と柱の間に通気層を設けて施工しますが、隙間がある分、留具(釘)の負担は大きくなります。
直張工法であれば簡単には外れにくい釘も、隙間の大きい外壁通気工法では衝撃を受けると外れてしまう可能性があります。

実際に、新潟県で起きた中越沖地震では外壁通気工法で建てられた住宅の外壁が落下した例が多かったといいます。

建物が通気層の厚み分大きくなる

外壁通気工法により設けられた通気層分だけ、外壁に厚みができるため建物が大きくなってしまいます。
これにより、敷地に希望通りの建物が建てられないケースも考えられます。

これは誤差といってよいほど小さな違いですが、特に狭小地に建てられた建物の場合には気をつけた方がよいといえるでしょう。

火災時、通気層から火炎が広がる

通気層は湿気や水分を防ぐために、土台の水切りなどから空気を取り入れ、小屋裏や軒裏から排気する、まるで「煙突」のような働きを持っています。

一方で、内部の木材は湿気や水分が取り除かれた乾燥した木材のため、通気口(土台の水切りなど)から火炎が入り込むと、通気層を通って一気に建物が燃え広がる危険性があります。

通気工法サイディングの塗り替え

外壁の塗り替えや張り替え時には、通気工法か直張工法かによって注意するべきことがあります。

まずは、ご自分の家の外壁が通気工法による施工なのか、直張工法による施工なのかを確認しましょう。

通気工法サイディングと直張工法サイディングの見分け方

今から10〜20年程前は、サイディングの張り付け方に明確な基準がなく、サイディングの裏に通気層のない直張工法でも、通気層のある通気工法でも建築可能でした。

直張工法と通気工法では、直張工法の方がコストが安かったこともあり、とくに価格を抑えた商品や建売住宅では直張工法が多く採用されていました。

それから数年経ち、直張工法の弱点である壁体内結露による被害や不具合が多く見受けられるようになり、新たに品確法で基準が設けられ、通気工法が推奨されるようになっています。

なお、品確法とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことで、住宅の基本的な性能に関する共通ルールを作ることなどを目的としています。

つまり、最近の建物であればほとんどが通気工法と想定されるのに対し、10〜20年前のサイディング張りの建物は直張工法であると想定されます。

なお、具体的に直張工法か通気工法かを見分ける方法には主に2つの方法があります。

土台の水切りから確認

1つ目は、建物の基礎と壁を隔てる部分にある水切りから隙間を覗いて、直張工法か通気工法か確認する方法です。

通気工法では胴縁の上から外壁材を施工することで通気層を設けているため、胴縁分だけ壁に厚みがあるのが分かります。

一方、直張工法にはそれがありません。

この方法で、通気工法か直張工法かを見分けることができます。

一部外壁を剥がして確認する

通気工法か直張工法かは、土台の水切りから壁の厚みを見ることで確認できますが、中には判別がつかないこともあります。

そこで、2つ目の方法として一部、外壁を剥がして確認する方法をお伝えします。

この方法では、まずコーキング部分にカッターを入れて剥がします。

次に、剥がしたコーキング部分にパールなどを入れて浮かせると、壁と外壁の中身を確認することができます。

確認した後は、剥がした部分のコーキングを打ちなおしましょう。

直張工法サイディングは塗り替えでなく張り替え推奨

上記工法で直張工法か通気工法かを確認した際、直張工法だった場合には、塗り替えではなく張り替えが推奨されています。

直張工法は、10〜20年前、日本でサイディングが普及し始めた頃に採用されていた方法で、後に壁体内結露を原因とする不具合が多く見つかっている工法です。

直張工法では、サイディングに水分が入り込むことで、湿気が蒸発するのと同時に塗膜が膨れたり剥がれたりする可能性があります。

そのため、直張工法のまま塗り替えるのではなく、通気工法に張り替えることが推奨されます。

通気工法サイディングは塗り替え

一方、通気工法か直張工法かを確認して、通気工法であることが分かったら張り替えでなく塗り替えで構いません。

塗り替えであれば、外壁内部まで手を入れないため、工法には何も影響がなく、また価格を安く抑えることができます。

もちろん、外壁の状態が悪くて張り替えしなければならない場合でも、再度通気工法で張り替えが可能です。

なお、建物を建てた会社によって、独自の通気工法を採用している可能性もありますが、建築図面を確認したり、業者に直接確認してもらったりすれば問題なく施工できるはずです。

まとめ

外壁の通気工法についてお伝えしてきました。

通気工法は通気層と透湿防水シートで壁体内結露を防ぐ工法で、現在ではサイディングを用いた外壁では主流となっています。

一方、10〜20年前に建てられた建物では通気工法ではなく、直張工法で施工されているものが多いため、塗り替えの際には注意が必要です。

直張工法か通気工法か、塗り替えか張り替えかについては、自分で確認することもできますが、業者に連絡すれば無料で確認、見積もりを取ってくれるはずです。
気になったら業者に問い合わせてみましょう。