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みんなの外壁塗装ガイド

外壁の吹き付け塗装はこんなに奥深い!特徴やお手入れ法など丸ごと解明

『吹き付け塗装』という言葉に聞き覚えがない人でも、細かな石粒や砂を吹き付けたような外壁の住宅を目にしたことがあることでしょう。それは「吹き付け塗装」の一種です。
最近は施工例が少なくなっている工法ですが、仕上がりの多彩さや独特の趣から今でも根強い人気があります。

この記事では、吹き付け塗装の特徴とメリット・デメリット、DIYでできるメンテナンス方法や塗り替えリフォーム時の注意点を紹介します。
吹き付け塗装の住宅にお住いの人、これから住む家で吹き付け塗装を検討している人は、外壁の仕上げ方法や日々のお手入れ、塗り替えリフォームを検討する際の参考にしてください。

目次

外壁の『吹き付け塗装』とは?

吹き付け塗装では、塗料の種類や仕上げ方法によって外見や特徴も変わります。
この章では、吹き付け塗装の特徴や種類、メリット・デメリットを紹介します。

吹き付け塗装とは

『吹き付け塗装』とは、その名の通り塗料を吹き付けて仕上げる塗装方法です。
「スプレーガン」で圧力をかけ、塗料を塗装面に噴射します。
スプレーガンは塗料を塗装面に噴射する工具で、吹き付け塗装には欠かせないアイテムです。

吹き付け塗装は、主にモルタル外壁の仕上げに施工される塗装方法です。
モルタルとはセメントに水と砂を混ぜたもので、外壁の下地にモルタルを塗りつけて仕上げたものがモルタル外壁です。

1980年代頃までは一般住宅にはモルタル外壁を採用するのが主流であったため、吹き付け塗装の外壁も広く施工されていました。
吹き付け塗装に使用するスプレーガンには主に以下のような種類があります。

エアスプレーガン

※引用:grim shop
圧縮した空気を用いて塗料を霧状にし、噴霧する工具。
塗料と空気を混合させる方式の違いにより、重力式・吸上式・圧送式などの種類があります。

エアレススプレーガン

※引用:KK moon
空気を使わず、塗料に圧力をかけて小さなノズルから噴射し、塗料を霧状にして噴射する工具。

特殊な用途別のスプレーガン

モルタル外壁の仕上げ塗装として行う吹き付け塗装では、吹き付ける塗料や模様のつけ方によって、「リシンガン」「スタッコガン」「タイルガン」など専用のスプレーガンがあります。
【リシンガン】

※引用:アネスト岩田キャンベル

【スタッコガン】

※引用:アネスト岩田

【タイルガン】

※引用:近畿製作所

ノズルを付け替えることで塗料や模様の違いに対応するタイプや、調節機能でさまざまな仕上げに対応できるタイプも流通しています。

コンプレッサー、プランジャー

※引用:フローバル

スプレーガンを使った塗装では、塗装に使う空気や塗料自体に圧力をかけて噴射します。
そのため、

  • エアスプレーガンではコンプレッサー
  • エアレススプレーガンではプランジャー

と呼ばれる機械に接続して使用します。
これらの機器は使用時に掃除機並の大きな音がするため、作業時は近隣への配慮が必要です。

ローラー

モルタル外壁に吹き付け塗装を施す場合、吹き付けた後に塗装表面をローラーでおさえることで、模様に変化をつけるために使用します。

吹き付け塗装の割合・施工可能な職人は減少傾向

先述の通り、吹き付け塗装は、主にモルタル外壁の仕上げに施工される塗装方法です。
モルタルを何度も塗り重ねて仕上げるモルタル外壁は、厚みがあり、防火性能や耐火性能に優れています。
一方で、モルタルを乾燥させる時間が必要なため、工期が長くなる欠点があるのです。

施工が容易で工期も短いサイディングが普及するにつれて、モルタル外壁と吹き付け塗装の需要は減少しており、平成29年度には新築物件の4%程度の調査結果があります。
モルタル外壁や吹き付け塗装の施工数が減少しているため、現在では吹き付け塗装ができる塗装業者の数も減りつつあるのです。
※引用:「フラット35住宅仕様実態調査報告」(住宅金融支援機構)

サイディングでも吹き付け塗装は可能

モルタル外壁の減少とともに施工件数が減っている吹き付け塗装ですが、規格品であるサイディングにはない趣を出せるため、根強い人気があります。
サイディング外壁でも吹き付け塗装を採用したい場合、無塗装のサイディングを外壁材にし、その表面に吹き付け塗装を施すこともあります。

一般住宅の外壁塗装ではローラー塗装が主流

スプレーガンによる吹き付け塗装は、モルタル外壁以外の外壁を一般的な塗料で塗装する際にも行われていました。
しかし、現在ではローラーを使った塗装が主流です。
ローラー塗装が主流となったのには、以下の理由があります。

理由・施工スピードは吹き付け塗装が勝っているが、一般住宅の外壁面積ではローラー塗装で十分対応できる。
・スプレー塗装よりも塗料の無駄が少ない。
塗料が塗装面以外に飛散する割合は、
>一般的なエアスプレーでは50~70%
>エアレススプレーでは30~50%
・塗料が近隣に飛散しないのでクレームの心配が少ない。
・養生や工具の清掃が吹き付け塗装よりも容易。

ローラー塗装が主流となっている現在でも、使用する塗料や塗装面の特性、求める仕上がりの状態などによっては吹き付け塗装が適している場合もあります。

吹き付け塗装の種類と特徴

この項では、モルタル外壁の吹き付け塗装の種類と特徴を紹介します。

リシン:1㎡あたり1,500円~

塗料の中に、骨材と呼ばれる砂状の材料を混ぜたものを吹き付ける塗装方法で、砂壁のようなざらつきがあります。
戦後の公団住宅の外壁に採用されたこともあり、かつての日本の住宅で広く普及していた外壁の仕上げ方法です。
塗料に混ぜる骨材の大きさによって塗装面の仕上がりは変わります。

リシンは基材となる塗料が耐久性の低いアクリルが多く、塗料の膜が固くヒビが入りやすい欠点があります。
基材となる塗料に弾力性を持たせてヒビが入りにくくした、弾性リシンも開発されています。
リシンの耐用年数は、アクリルリシンで4~6年、弾性リシンで8~10年とされています。

スタッコ:1㎡あたり2,800円~

塗料にセメントと骨材を混ぜたものを吹き付ける塗装方法で、リシンよりも塗装膜に厚みがあり、重厚感がある仕上がりになります。
吹き付けるだけでなく、少し塗料が固まったところで上から押さえて塗装面の表情を変える、「押さえ仕上げ」も行われます。

スタッコには吹き付け塗装だけではなく、コテで塗りつける塗装法もあり、非常に多彩な仕上げが可能です。
ただし、技術と経験を要するので、施工できる職人は限定されます。
スタッコの耐用年数は基材となる塗料がアクリルの場合で4~6年、セラミック系塗料の場合で8~10年程度です。

吹き付けタイル:1㎡あたり2,600円~

粘度の高い専用の塗料(主剤)を吹き付けて凸凹の模様をつけ、上から塗料を塗り重ねて完成させる塗装方法です。
ドロドロの主剤を噴射する際の様子から「玉吹き」とも呼ばれています。
主剤の上から上塗り剤を塗り重ねて完成させるためツヤがあり、耐用年数も長くて20年です。

ジョリパット、ベルアート

「ジョリパット」も「ベルアート」も、モルタル外壁の仕上げ塗装に使用される塗料の商標名です。
上で紹介したような吹き付け塗装独特の加工はもちろん、色のバリエーションが豊富です。
コテやローラーを使った多彩な表現が可能です。

塗料にフッ素やセラミックシリコンを採用しているタイプは耐久性が高く、汚れが付きにくい機能も持っています。
そのため、一般的な吹き付け塗装よりもきれいな状態が続くと期待できます。

商品のシリーズによって価格は異なり、耐候性の高いタイプや低温環境でも施工可能なタイプなど、高付加価値なシリーズは施工費用も高額です。

吹き付け塗装のメリットとデメリット

現在では施工数が少なくなっている吹き付け塗装ですが、そのメリット・デメリットはどういったものがあるのでしょうか?

メリット・工場規格品であるスレートと異なり、オリジナリティのある外壁を実現できる通常リスト
・塗装に厚みがあるため、重厚感を出せる
・コテで波型や横筋状の模様をつけて仕上げる工法よりも費用が安い場合が多い
・透湿性(湿気を逃がす性能)が高く内部結露を防止できるため、外壁の保存性がよい

デメリット・凸凹があるために汚れがつきやすい
・ヒビが入りやすい
・リシン仕上げの場合は耐久性が低い

吹き付け塗装ならではの外壁の表情にこだわりたい人、コテ仕上げなどの高価な仕上げ方法よりも塗装費用を節約したい人には吹き付け塗装がおすすめです。

ただし、汚れやすい点や仕上げ方法によっては比較的早い時期に塗り替えを検討する必要がある点に注意が必要です。

吹き付け塗装外壁の家庭でできるお手入れ方法

凸凹が多く、雨水や汚れが表面に溜まりやすい吹き付け塗装は、汚れが目立つのが難点です。
きれいな外壁を保てるよう、吹き付け塗装の外壁の汚れの種類や家庭でできるお手入れの方法、注意点をお伝えします。

吹き付け塗装の外壁につく汚れの種類

ほこり

外壁全体、特に凸凹の上側が茶色くくすんでいるのは、ほこりによる汚れです。

ほこり汚れの原因・舗装されていない道路
・校庭や運動場
・庭や畑
屋外ならどこでも土ほこりがついて回りますが、上記のような場所の近くに建つ家では、とくにほこりが多くなりがちです。

雨だれ

窓の下など、外壁の表面で雨がよく流れ落ちる部分に沿ってできるしみが雨だれです。

雨だれの原因工場の排煙や車の排気ガス中に含まれる酸化ガスは、大気中で酸性物質に変化し、雨とともに地上に降りてきます。
酸性の雨は外壁や車などの塗装を傷めることが知られています。
雨にさらされている外壁の中でも、雨が集中して流れる部分にその影響が強く出るため、シミとなって汚れが目立つのです。

カビ・コケ

外壁の凸凹部分に溜まった雨水と汚れから、カビやコケが発生しやすくなります。

カビ・コケの原因・日当たりが悪い家屋の北側
・隣家やブロック塀などで、日差しと風通しが遮られている場所
・周囲に木が多く、カビの胞子が外壁に付着しやすい場所
・窪地や、川や沼などが近いなど、湿気が溜まりやすい立地

外壁の汚れにはいくつかの原因がありますが、汚れやすい立地や環境の場合、日常のお手入れを行っても、すぐにまた汚れることを覚悟する必要があります。

  • 吹き付け塗装以外の外壁を選択する
  • 汚れが付きにくい塗料で再塗装する

などの方法も検討するとよいでしょう。

家庭でできる、吹き付け塗装外壁の手入れ

家庭でできるお手入れには、以下の方法があります。

ホースで水を散布する

土ほこりなどは水をかけるだけでも、ある程度洗い流すことができます。
水で流された汚れは下に落ちるので、2階部分から始めるようにしましょう。

ホースで水を散布する際の注意点・排気ガスなどで外壁に油性の汚れが付着している場合はあまり効果がない
・コケ・カビにも効果はない
・通気口や換気扇の排気口、軒裏に水をかけない

室内の空気を排気する部分に水をかけると、室内に水が入り込むことがあります。
軒裏は、屋根に上がってきた熱や湿気を排出するために設けられた排気口が設置されている場合があります。
ここに水をかけると屋根の内部に水が入り込み、雨漏りの原因になる恐れもあるので注意が必要です。

スポンジ・ブラシで洗う

水をかけても落ちない汚れは、スポンジやブラシでこすり洗いをします。
外壁に傷をつけないよう、洗車用ブラシなど柔らかい材質のものがおすすめです。

吹き付けタイル仕上げの外壁は、リシンやスタッコよりも表面が滑らかなので、こすり洗いがしやすいでしょう。
外壁の汚れには排気ガス中のススなど油性の汚れも含まれるため、汚れが落ちにくい際は食器洗い用の中性洗剤や外壁専用の洗剤を使って洗うと汚れが落ちやすくなります。

スポンジ・ブラシでこすり洗いをする際の注意点・強い力でこすらない
塗装を傷つけないよう、強くこすり過ぎないことが重要です。とくにリシンは砂粒が落ちやすいので、力の加減に注意しましょう。
・研磨剤の入った洗剤は使わない
研磨剤が塗装表面を傷つけ、汚れやすくなったり塗装の劣化を早めたりする恐れがあります。
・洗剤を使用する際はよく水で洗い流す
洗剤が残っていると外壁を傷める原因となるので、しっかり水で洗い流しましょう。

家庭用高圧洗浄機を使用する

吹き付け塗装の細かなくぼみには、家庭用の高圧洗浄機が効果的です。
リシンやスタッコ仕上げでは、スポンジやブラシが届かない細かなくぼみも洗浄することができます。

家庭用高圧洗浄機を使用する際の注意点・水圧に注意
リシンは砂粒がはがれやすいため、水圧を強め過ぎないように注意が必要です。
塗装面が劣化している場合には剥がれてしまうこともあります。
・シーリング部分は洗浄しない
シリコーンやゴムなどの柔らかい素材で充填しているシーリング部分は、強い水圧で傷んでしまうことがあります。
シーリング部分から外壁内部に水が入り込むこともあるので注意が必要です。

カビ・コケ取り剤を塗布する

外壁に繁殖したカビやコケは、軽くこすると落としづらく、強くこすれば外壁を傷めるため、やっかいです。
一般的な洗剤では効果がないため、外壁専用のカビ・コケ取り用の洗剤を使って落とすのがおすすめです。
洗剤をスプレーボトルに入れて吹き付けるか、モップやスポンジ、ブラシなどを使って外壁に洗剤を塗りつけます。
洗い流し不要なタイプであれば、洗剤を洗い流す手間も省けます。

※引用:30セカンズ ワンステップ・スプレー・クリーナー

カビ・コケ取り剤を使用する際の注意点・サッシや門扉など金属部分に付着させない
・サビの原因となります。
・指定の希釈率を守る
濃縮タイプの洗剤を希釈して使用する場合、説明書通りの希釈率を守らないと汚れが落ちなかったり、濃すぎて外壁を傷めたりする恐れがあります。

雨だれ汚れは「つけない」対策を

排気ガスや土ぼこりなどの汚れが、雨水の流れる部分に沿って筋状についているだけなら、中性洗剤や高圧洗浄によるお手入れで落ちる可能性があります。

しかし、雨水で塗装が劣化している場合は、洗浄しても汚れは落ちません。
一度ついたら落とせない雨水汚れには、落とすことよりも汚れをつけない対策を取りましょう。

雨だれ汚れがつきやすいサッシの隅に専用の「水切り」という金具を取り付けることで、汚れがつきにくくなります。
ただし、水切りの取り付けはネジなどを使うため、外壁を傷つける作業となります。
【水切り】

※引用:ケミュー
誤って外壁に深刻な傷をつけることがないよう、DIYではなく専門の業者に依頼することをおすすめします。

手が届かない部分は無理をしない

1階の高い部分や2階部分など、手が届かない部分の掃除は無理をしないことが重要です。
不慣れな人がイスや脚立の上に立って作業をすると、最悪の場合落下して大ケガをすることになります。
高い部分の洗浄は長いブラシなどを使い、それでも落ちない場合は業者に依頼することも検討しましょう。

ひび割れの補修や塗装は専門家に任せる

DIYに興味がある人なら、ひび割れの補修や塗り替えを自分でもできるのではないか?と思うかもしれません。しかし、洗浄以上の補修やリフォームはプロに任せるのが賢明です。

高所の作業には限界がある

徹底した高圧洗浄や補修・塗り直しは、長い柄のブラシで行うには限界があります。
脚立などを使って慣れない作業をした結果、転落して大怪我をする場合もあるのです。

正しい塗料の選択・塗装方法は難しい

既存の外壁に塗ってある塗料に応じて、適切な塗料を規定の方法で塗らなければ、早期に塗装が剥がれてしまいます。

DIYに失敗すると補修費用が高額になる

DIYの補修や塗装がうまく行かなかった場合、塗装業者がやり直す際に補修の作業が増え、結果として塗装費用が高くなる恐れがあります。
早期に剥がれる危険が高いため、外壁に合わない塗料や不適切な塗り方をした塗料を剥がす必要があるからです。

専門家による補修や塗装は決して安いものではありませんが、DIYで大切な資産である家を傷つける結果になっては本末転倒です。
くれぐれも無理をしないようご注意ください。

こんな症状が出たら再塗装が必要

家庭でできるお手入れには限界があります。
以下のような症状が出たら、塗装面で劣化が進行しているサインです。
放置すれば外壁の内部に雨水が浸入する恐れもあるため、早期に塗り替え・補修を検討し、業者に相談しましょう。

汚れが落ちない

汚れがつきやすく落ちにくい吹き付け塗装の外壁は、洗浄による汚れ落としが難しいです。
無理に汚れを落とそうとすると塗装面を傷つけることになるため、再塗装を検討する必要があります。

色あせ・ツヤがなくなる

塗料の色を決める成分である顔料が直射日光や雨水などの影響で劣化すると、外壁が色あせてきます。
色が変わるだけなら大したことはないと思いがちですが、顔料の劣化は塗料の基材である合成樹脂が劣化していることを意味します。

合成樹脂の劣化は、塗装面のツヤがなくなってくることからも判別できます。
すぐに再塗装が必要な状態ではありませんが、いつ頃再塗装を行うか検討を始める時期といえるでしょう。

チョーキング

塗料の基材である合成樹脂の劣化が進むと、合成樹脂でコーティングされていた顔料が表面に剥き出しになり、触ると粉状の顔料が手につく状態になります。
この状態をチョーキングと呼びます。
塗装面の防水性能が落ちてきているので、再塗装に向けて具体的に動き始めてよい状態です。

ひび割れ(クラック)

吹き付け塗装をする外壁の多くはモルタル外壁ですが、モルタル外壁にはひび割れが生じやすい特徴があります。
モルタルの主原料は水で練ったセメントです。
モルタルに含まれる水分は、外壁の完成後もゆっくりと時間をかけて抜けてゆき、それにつれてモルタル事態もわずかながら収縮します。

この収縮によってモルタルの動きについていけない塗装面に、こまかなひびが生じるのです。
幅が0.3ミリ以下のひびであれば、それほど気にする必要はないです。
ひびの幅が0.3ミリを超えると、塗装面より下にひびが達しています。
放置していると防水性の低いモルタル層まで雨水が達し、雨漏りや外壁の劣化の原因となるのです。

塗装面の剥がれ

塗装面の劣化が進むと、劣化した塗料の膜が表面から剥がれてくることがあります。
先述の通り、モルタル層自体は防水性が低いため、塗装で保護されていない状態では雨水が浸み込み、雨漏りや腐食の原因となります。

吹き付け塗装の外壁をリフォームする際の注意点

高圧洗浄・下地補修はていねいに

再塗装が必要な吹き付け塗装の外壁は、カビやコケなどの落としにくい汚れやひびが生じていることがほとんどです。
汚れやひびを適切に処理していないと、せっかく再塗装を行っても、早い時期に塗膜が剥がれる恐れがあります。

塗装の持ちを左右する高圧洗浄

塗装業者による高圧洗浄では、家庭用の高圧洗浄機よりも強い水圧で洗浄ができる業務用の高圧洗浄機を使用し、外壁の汚れや劣化した塗料の膜を落とします。

カビやコケが繁殖している外壁には「バイオ洗浄」

吹き付け塗装の外壁では、一般的な高圧洗浄よりも費用はかかりますが、「バイオ洗浄」という専用の薬剤を使用した洗浄方法を選択しましょう。
洗浄液がカビやコケを死滅させるので、きれいな状態が長持ちします。

高圧洗浄は乾燥工程が重要

高圧洗浄を適切に行うためには最低でも1日、外壁の状態によっては2日間かかる場合もあります。
高圧洗浄後は外壁をしっかり乾燥させてから次の作業を行わないと、早期に塗装不良が生じる危険が高くなります。
高圧洗浄後の乾燥には最低でも24時間かかりますが、凸凹が多い吹き付け塗装では、くぼみに溜まった水分を乾燥させるため、さらに長い日数を取る必要があるのです。

塗装の仕上がりや持ちが向上する下地補修

劣化した塗膜をこすり落としたり、ひびを補修したりする作業を「下地補修」といいます。
とくに吹き付け塗装が施されているモルタル外壁はひびが生じていることが多く、下地補修は重要な作業です。

大きなひびはシーリング材による補修が必要

ひびの幅が0.3ミリ程度のヘアクラックであれば、上からの塗装で補修が可能ですが、それ以上のひびはシーリング材による補修が必要です。
ひびの上からただシーリング材を注入しても、ひびの奥まで届きづらく、補修部分から剥がれてしまうこともあります。
まず専用の器具でひびをU字に削り、下地調整剤を塗ってからシーリング材を注入します。

劣化した塗膜は手作業で完全に剥がしきる

高圧洗浄でも剥がれなかった劣化した塗膜は、ヘラややすりなどの工具を使い、手作業で剥がします。
劣化した塗膜の上から塗料を重ねると、塗装直後はきれいになったように見えても、早期に剥がれてくる場合があるのです。

塗料の選択に注意

せっかく塗り替えを行うのだから好みの塗料で自由に塗装をしたいと、誰でも思うところです。
しかし、塗料にはツヤの有無や防汚性(カビやコケなどの汚れがつきにくい)、耐久性の高さなどさまざまな特徴があり、求める仕上がりに合わせて選ぶ必要があります。
また、先に使用された塗料の特性によっては、塗り替えに使用する塗料が制限されることがあるのです。

弾性塗料で塗装済みの外壁には弾性塗料を選ぶ

塗装面にまでひびが生じることを防ぐため、モルタル外壁にはよく伸びる弾性塗料を使用することがあります。
リシン、スタッコ、吹き付けタイル、ジョリパットなど、吹き付け塗装の塗装でもよく使われます。

弾性塗料で仕上げた塗装面の上に伸びのない一般的な塗料を重ねると、ひび割れが起きやすいです。
そのため、塗り替えに使用する塗料は弾性塗料を選ぶ必要があります。

ジョリパットのシリーズにはジョリパットの塗り替えに特化した塗料を使用するのが安心です。

表面の凸凹は塗り替えで消すことはできない

吹き付け塗装は表面の多彩な模様が特徴ですが、塗り替えで表面の凸凹を完全に平らにならすことはできません。
ただし、下塗りに「フィラー」という凸凹を埋める働きのある塗料を用いると、ある程度までは表面が滑らかになります。フィラーでの下塗り後に上塗りすれば、汚れやすさは軽減します。

反対に、リシンやスタッコのざらついた表面の仕上げを気に入っている場合には、一般的な塗り替え方法では「塗り替えでのっぺりしてしまった」と後悔する可能性もあります。
元の仕上げ方法や使用した塗料、塗装面の状況によって選択できる塗料は変わってきます。

カビやコケに悩んでいるなら塗り替えにはツヤありを選ぶ

一般に、塗料はツヤがある方が、防汚性が高い傾向があります。
吹き付け塗装の汚れやすさに手を焼いているなら、表面の凸凹を埋めるような塗装方法とともに、ツヤありタイプの塗料を選ぶことで汚れやすさが軽減されます。

一方で、ツヤありの塗料を選ぶと家の印象が変わり、「ツヤなしの方が良かった」と後悔する可能性もあります。
リシンやスタッコは表面のざらつきもさることながら、ツヤを抑えた落ち着いた雰囲気が好まれている場合もあります。

吹き付け塗装の実績豊富な塗装業者に依頼する

吹き付け塗装で仕上げるモルタル外壁の割合が減り続けているため、塗装業者の中には吹き付け塗装の実績が少ないものもあります。
塗り替えも吹き付け塗装にしたい施主様に、強引にローラー仕上げを提案するケースもみられます。
吹き付け塗装の外壁の塗り替えでは、外壁の印象が変わることもあります。

塗り替えを行う塗装業者を選ぶ際は、施工技術は言わずもがなですが、経験や実績をふまえたアドバイスをしてくれるかも重要です。
吹き付け外壁を手掛けた実績が豊富で、最適な塗装方法を提案できる塗装業者を選びましょう。
塗り替えを行う塗装業者と仕上がりのイメージを十分に打ち合わせすることも重要です。

まとめ

吹き付け塗装は施工数が減っているとはいえ、根強い人気がある塗装方法です。
このコラムで吹き付け塗装の特徴やお手入れの方法、塗り替える際の注意点を知り、きれいな吹き付け塗装の外壁を維持してください。
吹き付け塗装の外壁を塗り替える際には、ぜひいえふくにご相談ください。
実績豊富な施工業者が、心をこめて皆さまの住まいを守るお手伝いをします。