施工事例
大きなひび割れ(クラック)を見事に補修(神奈川県座間市)
はじめに
「同じ時期に建てた近所の家はまだ塗装していないし・・・」とメンテナンスの時期を延ばした結果、雨漏りや外壁材がひどく傷んでしまうケースがあります。
いえふくには、外壁塗装をするタイミングについてのお問い合わせをよくいただきます。
塗装のタイミングは、築年数だけに関わりません。使用している外壁材や立地環境によっても家ごとに異なります。
今回ご依頼いただいたS様邸は、立地環境から周辺の住宅に比べて劣化が早く、傷みが進行していました。
塗装と共に補修をしながら耐久性を高めた、今回の施工事例を詳しく見ていきましょう。
Before
2階建てで広いバルコニーのあるS様邸です。
周囲に家が建っていないため、S様邸の外壁は長年にわたって紫外線や雨風の刺激を直接受け続けてきました。
そのため劣化が早く、壁の色はあせています。
耐久性が落ちている状態です。
汚れも付着しているため黒ずみがあり、日当たりが良くない場所にはコケも付いていました。
壁にはクラックと呼ばれるひび割れもあちこちに見つかりました。
特に写真の箇所にあるクラックは大きく、すぐに補修しないと雨漏りが起きる可能性があります。
After
あちこちに汚れやクラックが見つかり、色あせが起きていたS様邸の外壁は、塗装により耐久性が高められました。
雨戸や幕板などの付帯部分も塗り直したことで、見た目もメリハリのある美しい家に生まれ変わりました。
施工手順
足場設置
高所での作業を伴う外壁塗装は、足場の設置が必要です。足場を組むことで、より安全に効率的に塗装ができます。
足場は家の形に沿うように設置する必要があります。
S様邸の2階部分にあるバルコニーは幅が広いため、2階の足場はバルコニーに設置しました。
足場が組めたら、家の周辺へ塗料が飛び散ったり匂いが広がったりするのを防ぐために、飛散防止シートも設置します。
高圧洗浄
丁寧に塗装したのに、塗装後すぐに塗膜が剥がれてしまうトラブルがあります。原因のひとつが洗浄不足です。
外壁は紫外線や雨風にさらされ続けるため、空気中にあるチリやホコリが付着します。
日当たりの悪い場所では、写真のようにコケやカビも付着します。
これらの汚れをきれいに落とさないと、塗膜が剥がれやすくなり美しく仕上がりません。
洗浄は外壁塗装の中でも、重要な工程のひとつです。
高圧洗浄機を使って細部に付いた汚れも丁寧に落とします。
養生作業
玄関ドアやサッシなど、塗装したくない箇所をビニールやテープで覆う作業を「養生」といいます。
どんなに腕のいい職人でも、塗装時は周囲へ塗料が飛び散ってしまうためです。
養生がまっすぐにできると、塗装する箇所と塗装しない箇所の境目がはっきりとして、美しく仕上がります。
写真からも職人の丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
クラックの補修
次は壁にできたクラックの補修作業です。
まずは「Uカット」という、カッターでクラックの溝をUの字に切り込み、溝を広げる作業をします。
溝にコーキング材を注入したときに接着面積を広げ、補強効果を強める目的があります。
続いてクラックにプライマーと呼ばれる下地材を塗ります。
下地材を塗ることで、これから注入するコーキング材と壁との密着性を高めます。
コーキング材を注入し、コテで溝に埋め込んで均一にならします。
壁とコーキング材の間に空気が入らないように気をつけます。
最後に外壁と一緒に塗装をして仕上げます。
比較的大きなクラックでしたが無事に補修できました。
見た目も美しくなり、耐久性はグッとアップしました。
下塗り
外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3度塗りが基本です。
始めの下塗りには、この後に塗る塗料と壁との密着性を高める役割があります。
ローラーを使い、壁全体を塗っていきます。
中塗り
次の工程に移る前に、下塗りをしっかりと乾燥させます。
乾燥時間の不足も施工不良の原因のひとつで、乾燥しないうちに次の工程に移ると、剥がれやすい塗膜ができてしまいます。
塗装作業では乾燥が重要なため、湿度の高い日や雨天時には塗装作業を行いません。
見た目も美しく頑丈な塗膜を作るために、いえふくの職人はいつも天気予報とにらめっこしています。
下塗りが乾いたら、続いて中塗りです。
中塗りと次の上塗りでは同じ塗料を用います。
仕上げとなる塗装を2度重ねることで、ムラのない美しい塗膜が出来上がります。
上塗り
いよいよ最後の上塗りです。
この上塗りで塗装が仕上がるため、塗りムラや塗り残しができないように、細心の注意を払いながら塗装をします。
仕上がり
色あせや汚れ、クラックがあった外壁は、見事に塗装されました。
3度の重ね塗りにより、耐久性に優れる、美しい外壁に生まれ変わりました。
雨漏りの心配もなくなり、家の寿命も長く保てます。
付帯部分の塗装
雨戸や破風板など、屋根や外壁以外の塗装部分を付帯部分といいます。
外壁塗装する際は、一緒に付帯部分も塗装するのがおすすめです。
外壁塗装の見積もり書を確認すると、ほとんどの場合、足場代が大きな割合を占めています。
足場を組んだ機会に、付帯部分も一緒に塗装すると、足場を組む機会が減り、トータルコストがかかりません。
予算が心配な人は、色あせや劣化が激しい箇所の付帯部分だけでも塗装するといいでしょう。
幕板・破風板
1階と2階の中間部分に取り付けられた帯状の板を「幕板」といいます。
S様邸の外観を引き締めて見せ、アクセントとなっている部分です。
幕板が色あせていると、家もぼんやりとして見え、老朽化した印象を与えます。
黒色に塗装した幕板にはツヤが生まれ、家も若々しく見えるようになりました。
破風板は、外から家を見上げたときに目に付く場所で、家を印象付けるポイントのひとつです。
幕板と同じように色あせていた破風板も、黒色で塗り直したことでツヤが生まれ、家が引き締まって見えるようになりました。
雨戸
波形で凹凸のある雨戸は吹き付け塗装を行います。
ローラーや刷毛で塗るよりも高い技術が求められる塗装方法です。
ムラがでないように注意しながら、均一に塗装します。
雨にも強く耐水性に優れる雨戸に生まれ変わりました。
雨どい
雨どいもひどく色あせが起きていました。
雨どいは場所に応じて色を変えます。
家のアクセントとなる場所にある雨どいは、黒色で塗ります。
外壁の色になじませたい箇所にある雨どいは、ブラウン色で塗装しました。
まとめ
紫外線や雨風の影響を受け続ける外壁は時が経つにつれて劣化し、汚れが付いて黒ずんだり、色あせたりします。
さらに劣化が進むと、クラックといわれるひび割れが起こります。
クラックは雨漏りの原因となるトラブルで、家の内部に雨水が侵入すると、家の基礎部分を傷める可能性もあります。
クラックが見つかったら、すぐに外壁塗装をしましょう。
外壁の劣化速度は立地環境や外壁材により異なります。
近隣住宅のメンテナンスの頻度を参考にするのではなく、ご自宅の様子をよくチェックしてみましょう。
今回ご依頼いただいたS様邸は、周辺に家が建っておらず、劣化が早く進行しました。
今後は早め早めのメンテナンスを心がけるそうです。
「外壁塗装が必要な段階かどうかわからない」という方は、どうぞお気軽にいえふくへご相談ださい。