施工事例
明るい色の外壁とダークブラウンのコントラストが鮮やか(神奈川県逗子市)
はじめに
建物の外観は面と線とで構成されています。
その価値は、家の内部のように空間や容積ではありません。
建物の外観美とは、面と線とのメリとハリであり、色彩の対比と構成のバランスであり、そしてその建物を取り囲むエクステリアや、また借景や背景とのマッチングともなってくるでしょう。
しかしそれでさえ、やがて外壁の塗装が劣化してくると、その美観は損なわれるものとなってきます。
つまりそのことで、面と線、色彩や構成がぼやけて、崩れてしまう結果となるからです。
ですから建物の美観を守るには、外壁の定期的な塗装メンテナンスがとても大切なこととなっています。
またそれは、建物内部の空間や容積を守ることにもつながり、しいてはご家族を守るものともなることでしょう。
今回は、その考え方にふさわしい、S様邸の外壁塗装を見てまいりましょう。
Before
新築より10年ほどを経たS様邸の外観となっています。
勾配の高いシャープな切妻屋根に、明るくシンプルな色彩の外壁が、アーリーアメリカンのスタイルをイメージさせる、たいへんスマートな意匠性で魅せています。
ところが、全体としての外観の色彩や輪郭が、経年劣化で幾分ぼやけてきたようです。
その状況はまた、外壁の防水性や耐候性、そして耐久性の劣化さえ示唆するものともなっています。
そろそろ塗り替え時です。建物の美と性能を取り戻す、外壁塗装が大切です。
After
塗り替えられて、すっかり新築時の美しさを取り戻したS様邸となりました。
切妻屋根の破風や樋、また外壁の雨戸や出窓の屋根、さらに玄関扉や濡れ縁までが新しく塗装され、きれいで明るく輝く外観となって、とても良いコントラストで実に鮮やかです。
またその外壁面に配置された窓が、額縁となってメリハリを付けています。
屋根の勾配がきついので高級な屋根材の面も見えていて、壁の平面と屋根の傾斜面との絶妙なバランスが、余計に塗装効果を高めました。
家全体の構成美や輪郭と色彩美が、鮮烈に対比されたシャープな状況を取り戻しました。
施工手順
足場設置
建物に足場が設置されました。
せっかくのスマートな外観が、ネットで覆われてしまいちょっと残念ですが、よりきれいになるための準備として必要なこととなっています。
良い仕事をするためには足場の確保が必要ですし、施主様や近隣の方々へ安心感を与えるためにも必要な措置となっています。
心置きなく工事を進める体勢が整いました。
高圧洗浄
長い年月によって、外壁には多くの汚れがこびりついています。
場合によってはコケやカビさえも生えていますから、洗浄は高圧洗浄機によって行われます。
高圧噴射での洗浄であれば、頑固な汚れも容易に取り除かれます。
女性が良いお化粧を施すために、しっかりと洗顔をすることと似ています。
コ-キング
S様邸の外壁にはほとんど見られませんでしたが、一般的には、外壁にクラック(ひび割れ)が走っていたり、塗装の一部が剥がれていたりします。
さらに窓やドアとの境目に施されたコーキングが劣化していたり、あるいは、家の外部から内部まで取り込まれている配管の、外壁側のパテが割れていたりする場合が多く見られます。
もしそのままで外壁塗装をするなら、塗装の意味がまったく無くなります。防水性が阻害されるからです。
したがって、そうした修理を施す必要を「下地調整」と呼んでいます。仕事としては目立たないですが、とても大切な仕事となっています。
使用塗料
塗装材料にはいくつかの種類がありますが、長持ちする塗料を期間で大別して、6年から8年くらいのもの、また8年から12年くらいのもの、そして10年から15年くらい持つものの3種類があります。
いえふくでは写真のような高品質のペンキをお奨めしています。一時的には費用がかさむかもしれませんが、そのほうが絶対にお得です。
なぜなら、最も安いペンキを使って短期間で何度も塗装のやり直しをしなければならないものが、一番良いペンキを使うことにより一度で済むことになり、足場の費用だけでも倍近く違ってくるからです。
つまり15年の間に2回塗装するか1度で済ませるかの違いとなってくるということです。
S様邸の場合、2回の足場代が1回の足場代だけで済んで、少なくとも25万円は違ってきます。
海外旅行にも行けてしまうほどの大金です。
養生作業
養生という言葉には、人をいたわる、守る、また慰めるなどの意味があります。
建物の工事に関してもほぼ同じような意味で、その言い方を使います。
外壁塗装の際には、塗装予定でない部分がペンキで汚れたり、また傷付けられたりしないように、その部分を覆ってしまいます。
具体的には、窓や玄関の部分に半透明のビニールシートをかけたり、またプランターボックスや玄関照明灯に同じシートをかけて守るのです。
これを養生と呼んでいます。
下塗り
いよいよ塗装です。
洗浄できれいになった外壁に、シーラーやプライマーと呼ばれる下地塗料が塗られます。
この塗料は非常に粘着性が高いので、次に塗られるペンキの密着性を高めるものとなっています。
それが第一回目の塗装で、「下塗り」と呼んでいます。
中塗り
下塗りがしっかりと乾いたのを確かめてから、次の「中塗り」となります。
第一番目の塗膜がしっかり乾燥してからでないと、重ね塗りの効果が落ちるからです。
塗装は、それぞれの塗膜がしっかり重なり合うことによって、耐候性や耐久性、また耐褪色性の効果を高めます。
上塗り
最後に行われるペインティングを、「上塗り」と呼んでいます。
これが仕上げ塗装となります。
写真のすでに塗り終えられている中塗りのペンキの色と、今塗りつつある上塗りのペイントの色に、多少の違いがあることに気付かれたでしょうか。
これはその色の違いをあえて行うことによって、塗り忘れの部分が出ないようにするためです。
下地からまったく同じ色にすると、どこを塗り終え、またどこが塗られていないかの判断がつきにくくなるためです。
いえふくはそうした点にも細心の注意を払っています。
仕上がり
足場とネットが外されて、新しく輝くS様邸が現われました。
塗り終えられた外壁からは、新しいペンキのにおいが漂っています。
新築直後を思い出させるいい匂いです。ただでさえ美しい建物がより美しくなりました。
すると、人の性行には一般的に不思議な傾向が起きるようです。
家族のみなさんが、その美しい外壁に合わせるかのように、家の内部もきれいにするように心がける状況となったそうです。
誰が言うでもなく自然にそうなってゆくのです。
不思議です。
付帯部位
外壁の部分、つまり大きな面の部分の塗装は終わりました。
次はその他の部分、つまり線に相当する箇所の塗装となります。
例えばそれらは、破風、樋、出窓の霜除け(屋根)、換気フード、雨戸、濡れ縁などでしょう。
外壁の全面積と比べるなら、10分の1にも満たないかもしれませんが、デザイン的にも機能的にも大切な役割を果たしています。
もしそれらを怠るなら、仮に90%の外壁塗装は終えたとしても、美的に半分以下の成果しかなく、また機能的には30%の値打ちもない、いわゆる二足三文となってしまうことでしょう。
それほどに大切な事なのです。
軒裏天井と破風の塗装
出窓の霜除けと換気フードの錆止め塗装
出窓の霜除けと換気フードの仕上げ塗装
濡れ縁の塗装前
濡れ縁の塗装後
雨戸と雨どいの塗装後
玄関扉の塗装後
まとめ
総ての塗装が完了し、S様邸は再び元の美しさを取り戻しました。
全体に明るい色の外壁と、それを彩るダークブラウンの窓や破風、また雨戸などとの絶妙な彩色のハーモニー。
シャープな切妻屋根に良く似合う妻壁と、バランス感覚に優れた窓々の配置。
輝く平面な外壁に巧みに線を画したそれらの造形の美しさと麗しさのインパクト。
塗装前には失われていたそうした造形美と彩色美が、再びよみがえってまいりました。
と、同時に外壁が本来担っている、耐候性、耐久性、耐褪色性などの機能さえも取り戻したのです。
今、建物が美的にも物理的にも充実で輝いています。
いえふくではS様邸のように意匠性が高く、細やかな技術が要求されるレベルの高い外壁塗装も可能でございます。
お気軽にご相談くださいませ。