施工事例
汚れの目立つ外壁をクリアー塗装で塗り替え!清潔感を取り戻した事例(神奈川県海老名市)
はじめに
この記事で紹介させていただく施工事例は、Y様邸の外壁塗装です。
Y様邸は新築時から13年ほどが経過する住宅。「最近外壁の汚れがひどくなってきた」とのことで、この度いえふくまでご相談いただきました。
事前点検でY様邸の状況を確認したところ、外壁の劣化状況はかなり深刻でした。
“サイディングボード”と呼ばれる板状の建材を表面に貼り合わせたサイディング外壁は、目地部分が“コーキング”と呼ばれる硬いゴム状の建材で埋められています。
このコーキングに剥離トラブルが現れ、外壁自体もかなり汚れていました。
このまま外壁塗装をせずに放置していたら、数年後には外壁材のサイディングボード自体に亀裂が入っていたかもしれません。もう少し早くに外壁塗装をしてもよかったですね。
この記事をお読みになっている方の中にも「外壁塗装はまだもう少し先でいいや」と先延ばしにしている方がいるかもしれません。そんな方は、ぜひご自宅の状況と照らし合わせながらご覧ください。
Before
こちらが外壁塗装を施工する前のY様邸です。外壁が黒ずんでいるのは、すべて表面に付着した汚れです。
サイディングの味のあるデザインのおかげで、黒ずみ汚れはそこまで目立ちません。しかし、外壁が汚れているのは事実。
外壁が汚れているのは、表面の塗膜(塗料が乾燥して形成する膜)が劣化している証拠なのです。
画像の左側に写る、縦方向のグレーの線が確認できるでしょうか?
これが、目地(サイディングボード同士の隙間)に打ち込まれているコーキング(樹脂を主原料とし、乾燥して固まるとゴム状になる建築材)です。
Y様邸は外壁だけではなくコーキングも寿命を迎え、補修を要する状況でした。
Y様邸の別の外壁を撮影した画像がこちら。
うっすらと緑色になっていることが確認できます。緑色になっているのは、藻が生えてきている部分です。
外壁は、塗膜が劣化したまま放置していると、藻やコケが生えることがあります。
ご自宅の外壁に藻やコケが発生しているようでしたら、なるべくお早めの外壁塗装を強くおすすめします。
こちらはY様邸の雨どいを上から撮影した様子です。Y様邸の雨どい部分には、立派なコケが生えておりました。
庭や石垣に生えるコケは「味がある」と最近話題になっていますが、雨どいにコケが生えると雨水が流れにくくなるので、この状況はよくありません。
After
外壁塗装を終えたY様邸の様子がこちら。Y様は透明の塗料で外壁塗装をする”クリアー塗装”をお選びになりました。
クリアー塗装は本来、汚れなどの経年劣化が少ない外壁にだけ実施する施工です。透明の塗料で塗るので、ひび割れ補修の跡などを隠せないからです。
しかし、今回の施工ではY様がクリアー塗装を強く希望されましたので、できる限り補修跡が目立たないように工夫して施工させていただきました。
Y様のご希望通り、もとのサイディングのデザインもしっかり残ったまま、見た目だけがきれいに生まれ変わっていますね!
外壁に付着していた汚れや藻は、すべて高圧洗浄の段階できれいさっぱりと洗い流しました。そのため、透明の塗料で塗装をしても、汚れが目立つ心配はありません。
クリアー塗装の工事は、通常の色のついた塗料を使う外壁塗装とは少しだけ流れが異なります。そのためクリアー塗装に興味のある方は、次の項目で紹介する工事の流れにぜひ注目してみてください。
施工手順
足場設置
クリアー塗装の工事でも、塗装作業の前に行う準備段階は、通常の外壁塗装のときと同じ。
まずは職人が作業をするための、足場を設置するところから工事が始まります。
上の画像の左側を見ると、組み立てられた足場にネットが張られているのが確認できます。
これは飛散防止ネットといって、高圧洗浄中の水しぶきや塗装中の塗料が隣の住宅へ飛ばないように保護しているのです。
高圧洗浄
足場を組んで飛散防止ネットを張ったら、次は塗装部分の汚れを洗い流す高圧洗浄を行います。
高圧洗浄では、業務用の高圧洗浄機を使用し、ガンコな汚れもスピーディーに洗い流していきます。
こちらは高圧洗浄を実施する前のY様邸の軒天(屋根の、壁より外側にせり出している部分の裏側)です。
写真を見ても、かなり汚れている様子が確認できます。虫の巣のようなものもありましたが、高圧洗浄機を使えば、これらすべてを簡単に洗い流すことが可能です。
軒天の高圧洗浄を終えた様子がこちら。
まるで塗装工事が完了したのかと思うほど、きれいな軒天が復活しました。高圧洗浄で汚れを洗い流すだけで、こんなにも清潔感を取り戻せるんですね。
しかし、汚れがひどいのは表面の塗膜が寿命を迎えているからなので、塗装工事をしなければ、また1〜2年のうちに汚れがひどくなることでしょう。
養生作業
高圧洗浄の作業を終えると、玄関ドアなどの汚れては困る部分を保護する”養生”を行います。
養生では、余計な部分を塗料で汚さないように、ビニールシートで覆って保護します。
こちらはもう少し後の塗装作業中の画像ですが、養生の様子がわかりやすいので掲載しました。
職人が軒天塗装を行っている様子であり、外壁や窓がすべてビニールシートで覆われているのがわかります。
これほど万全の状態で臨めば、外壁や窓ガラスに塗料が飛んで汚れてしまう心配はありません。
コ-キング
続いて、古くなってしまったコーキングを補修します。
まずは上の画像のように、古いコーキングを取り除きます。
続いてコーキングを打ち込む部分へ、ハケを使って”コーキングプライマー”を塗ります。
コーキングプライマーは下地とコーキング剤を密着させてくれるので、この一手間はとても重要です。
コーキングプライマーを塗り終えたら、新しいコーキング剤を打ち込んで補修は完了です。
今回は透明の塗料を使ってクリアー塗装するので、コーキングの補修跡が目立たないように、グレーのコーキング剤を使用しました。
またY様邸では、上の画像のように一部の釘の周囲のサイディングボードにひび割れが発生しておりました。
サイディングボードのひび割れを放っておくとそこから雨水が侵入し、住宅の柱の劣化が早まる恐れがあります。
そんな事態を防ぐためにも、このタイミングで補修を行います。
サイディングボードに発生したひび割れも、コーキング剤を打ち込んで補修を行いました。
コーキングは高い防水性を持っているので、きちんと補修すればひび割れから雨水が入る恐れはありません。
下塗り
コーキングの補修作業までが完了すると、いよいよ外壁の塗装作業へと移ります。
クリアー塗装が通常の外壁塗装と大きく異なるポイントは、下塗り作業を必要としない点です。
通常の外壁塗装では、「下塗り・中塗り・上塗り」の3度塗りをするのが基本です。一方のクリアー塗装の場合、「中塗り・上塗り」の2度塗りで工事が完了します。
これは、手を抜いているわけでもなんでもなく、単純に塗料の性質によるもの。
クリアー塗装で使う塗料は、2回の重ね塗りが最もベストコンディションに仕上がり、塗料が持つ本来の耐汚染性(汚れにくさ)や耐久性、防水性を発揮できるのです。
このようにクリアー塗装には、塗装回数が2回で済むため、工事日程も材料代も少なくなり、結果的にコストを抑えられるメリットがあります。
そのほかにも、クリアー塗装をすることには、次の2つのメリットがあります。
- サイディングボード本来のデザインを残せる
- 劣化によるチョーキング現象が発生しない
透明の塗料を塗るので、外壁の模様や色合いはそのまま残ります。
つまり、現在の外壁デザインを気に入っている方は、外壁のデザインを変えることなく外壁塗装ができるんです。
また、透明の塗料には、色の成分である“顔料”が使われていません。
顔料の劣化はチョーキング現象(外壁など塗装面に手で触れると白い粉が付く現象)を引き起こす原因になります。しかし、クリアー塗装の塗料にはそもそも顔料が使われていないので、チョーキング現象が発生しないのです。
こういったメリットに魅力を感じる方は、クリアー塗装を検討してみてはいかがでしょうか?
中塗り
クリアー塗装では、通常の外壁塗装の時と違う塗料を使いますが、塗装の方法自体はまったく同じ。
上の画像のように、職人がローラーを使って手作業で塗装を行います。
上塗り
1度目に塗った塗料が乾いたら、2度目の塗装である上塗りを行います。
上塗りでもすることは同じなので、職人は集中力を切らさずに淡々と作業を実施します。
仕上がり
クリアー塗装を終えたY様邸の様子です。
施工前にはなかったツヤ感が生まれ、見違えるほどきれいな外壁へと変身しています。
サイディングの風合いはそのままに残っているので、その様子をご覧になったY様もご満悦。「新築の頃を思い出すねえ!」とお喜びになっていました。
バルコニー防水塗装
Y様邸は、バルコニーの床の塗膜もかなり劣化していました。
Y様は「バルコニーも汚れがひどくて気になる」とお話しになり、外壁塗装の機会にまとめて塗装することを希望されました。
こちらでは、バルコニー塗装の流れを紹介します。
バルコニー塗装では、「下塗り・中塗り・上塗り」の3度塗りで塗装をしますが、いきなり塗装作業を始めるわけではありません。
塗装の前には“ケレン”と呼ばれる下地処理を行う必要があります。
ケレンとは、やすりなどで表面を磨き、汚れやサビを落とす作業のこと。
一般的には金属部分に対してケレンを行いますが、バルコニーの塗装をする前にも汚れを落とす意味で実施するのが基本です。
ケレンでバルコニーの下地の状態を整えたら、1度目の塗装作業である下塗りを行います。
下塗りで使うのは、“プライマー”と呼ばれるバルコニーの下塗り専用の塗料です。
下塗りで塗ったプライマーが十分に乾いたら、次は“トップコート”と呼ばれる塗料を中塗り・上塗りで重ね塗りします。
バルコニーの防水塗装を終えると、このような見た目になりました。
築10年を超える住宅だとは思えないほど、清潔感のあるバルコニーへと変身しましたね!
付帯部分塗装
最後に、Y様邸の付帯部分塗装の様子を紹介します。
付帯部分とは、雨戸や雨どいなど、外壁に付帯する部分のこと。
付帯部分の多くも塗装を必要とする箇所なので、外壁塗装のタイミングで塗装をするのが一般的です。
上の画像は、雨どいのケレンを実施しているところです。
金属ではない雨どいにケレンをする目的は、表面に微細な傷をつけて塗膜が密着しやすい環境を整えることです。
その後、下塗り・中塗り・上塗りと重ね塗りをして、雨どいの塗装は完了です。
こちらは、Y様邸のシャッターボックスの表面をケレンで整えているところです。Y様は5年ほど前に雨戸をシャッター式にリフォームされたそう。
シャッターボックスはまだそれほど劣化していませんでした。しかし「今やっておかないと塗装のタイミングを逃してしまう」とのことで、Y様はシャッターボックスの塗装も希望されました。
シャッターボックスのように金属でできている部分を塗装する時は、下塗りの際にサビ止め効果のある塗料を使用する必要があります。
上の画像は、金属部分専用のサビ止め塗料をシャッターボックスに塗り終えたところです。
下塗りのサビ止め塗料が乾いたら、中塗り・上塗りと重ね塗りをして塗装は完了となります。
まとめ
今回の記事では、黒ずみ汚れの発生していた外壁を高圧洗浄で洗い流し、クリアー塗装でピカピカに塗り替えた施工事例を紹介しました。
施工前には藻が生えるほど劣化していたY様邸が、クリアー塗装後には見違えるほど美しくなっていましたね!
記事内では、クリアー塗装の工事の特徴や選ぶメリットなどもお伝えしました。
いえふくでは、通常の外壁塗装はもちろん、クリアー塗装の施工にも対応しております。クリアー塗装を希望される方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。