施工事例
コーキングのヒビ割れたALC外壁を塗り替え!美しさを取り戻した事例(東京都八王子市)
はじめに
こちらの記事で紹介する施工事例は、新築から10年近くが経過するT様邸です。
T様邸は、ALC外壁の住宅でした。
ALCとは、軽量気泡コンクリート(内部に気泡があるため、従来よりも軽量なコンクリート)です。このALCでできたパネルを表面に貼りつけて仕上げられた外壁を、ALC外壁と呼びます。
T様邸では、外壁にそれほど大きな劣化は見られませんでした。
しかし、ALC外壁の目地(パネル同士の継ぎ目)の部分に充填(じゅうてん)された”コーキング”には劣化が見られました。
コーキングとは、乾燥して固まると硬いゴム状になる充填剤です。
今回の外壁塗装ではコーキング補修も行っていますので、ご自宅にALC外壁などを導入している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Before
こちらが外壁塗装を施工する前のT様邸です。
外壁の汚れはそれほど目立ちませんが、軒天(外壁を下から見上げた時の天井部分のこと)の汚れがひどくなっています。
次に、上の画像をご覧ください。ALC外壁の目地部分に、縦にヒビ割れが発生していることがわかります。これは、コーキングに発生したヒビ割れです。
コーキングにヒビ割れが生じていると、その部分から雨水が外壁内部へ浸入する恐れがあります。
外壁の内部に雨水が入り込むと、柱などの構造部分が傷むほか、シロアリ発生の原因になることもあるので、対策が必要です。
こういったトラブルを防ぐために、外壁塗装時にはコーキング補修を行います。
After
こちらが外壁塗装を終えた後のT様邸です。施工後のT様邸は美しいクリーム色の外壁となり、まるで新築時の姿がよみがえったかのようですね。
この様子をご覧になったT様は、「マイホームを新築した時みたいな気持ちだよ」とお話になっておりました。
コーキング補修を行ったので、ヒビ割れが生じていた部分もすっかりきれいになりました。
次の項目からは、T様邸が生まれ変わっていく工程について、画像を交えながらくわしく解説していきます。
施工手順
足場設置
外壁塗装工事で最初に行うのは、足場を設置する作業です。上の画像は、ちょうど足場を組み立てている最中の様子です。
T様邸は隣家とのスペースに余裕がなかったため、”単管足場”と呼ばれる足場を採用しています。単管足場とは、鉄パイプだけを組み合わせることで作業場所を確保する、足場の一種です。
上の画像を見ると、2本の鉄パイプが平行に並んでいることが確認できますね。職人はその部分に足をかけたり塗料の缶を置いたりして、作業を行うのです。
高圧洗浄
足場の設置作業が終わると、次は高圧洗浄を実施します。上の画像を見ると、T様邸の外壁にたまった汚れが、高圧洗浄によってみるみるうちに流れ落ちていくのがわかりますね。
高圧洗浄で外壁表面の汚れを洗い流し、塗膜(塗料が乾燥して形成する膜)が生成されやすい環境を整えるのです。
なお、いえふくで使用している高圧洗浄機は、家庭用のものよりも威力が強い業務用の製品です。これにより、家庭用高圧洗浄機よりスピーディーに洗浄できるほか、ガンコな汚れも落としやすくなります。
ただし威力が強いぶん、洗浄部分の素材によっては、常にフルパワーだと部材を傷める恐れも。そのためいえふくの職人は、部材の硬さを十分に確認し、適切な威力に調節しながら洗浄作業を行っております。
養生作業
高圧洗浄を終えると、窓ガラスや玄関ドアなどをビニールシートで覆う”養生”の作業を行います。
上の画像を見ると、T様邸の窓ガラスがビニールシートで覆われていることが確認できますね。
このように、塗装中窓ガラスなどに塗料が付着して汚れないよう、事前に対策しておくことが重要なのです。
コ-キング
高圧洗浄を終えると、次はヒビ割れているコーキングの補修作業を行います。
コーキングを補修する際にまず行うのは、周囲にコーキング剤が付着しないよう、事前にマスキングテープを貼っておくことです。
続いて、補修部分にカッターナイフで切り込みを入れて、古いコーキングを撤去します。
上の画像は、古いコーキングを取り除いた後の様子です。
コーキングを撤去したら、”コーキングプライマー”と呼ばれる下塗り塗料を塗布します。
プライマーを塗ることで、コーキングが下地に密着しやすくなるのです。
プライマーを塗り終えると、”コーキングガン”と呼ばれる専用の道具を使い、新しいコーキングを充填します。
一見簡単そうに見えるこの作業も、熟練した職人だからこそ隙間なく打ち込める、難しい作業なのです。
コーキング補修を終えるとこのようになりました。
濃いグレーのコーキングを使用したため、現在のままでは補修跡が目立ってしまいます。しかし、この上から塗装をすれば補修跡も目立たなくなるので、ご安心ください。
下塗り
コーキング補修が完了すると、いよいよ外壁の塗装を実施します。今回の外壁塗装では、塗装の基本である”3度塗り”を実施します。
最初に行う”下塗り”は、1回目の塗装作業です。
中塗り
下塗り塗料が十分に乾いたら、2度目の塗装作業である”中塗り”を実施します。
上の画像は、中塗りを終えた後の様子です。夕方に撮影したため少しピンク色にも見えますが、実際に使っているのはクリーム色の塗料です。
上塗り
中塗りも十分に乾いたら、最後に仕上げとなる上塗りの作業を行います。
いえふくでは、中塗りと上塗りで若干色みの異なる塗料を使っています。その理由は、「色を変えると施主様が重ね塗りの回数を確認しやすいから」です。
外壁塗装を高品質に仕上げるためには、中塗りも上塗りも欠かせません。いえふくが正しい重ね塗りを実施していることを施主様にご理解いただけるよう、このように施工しているのです。
仕上がり
上塗りが完了すると、上の画像のようになりました。
黒ずみ汚れなどは一切なく、美しい仕上がりです。コーキングを補修した部分についても、コーキングの色みがわからない自然な仕上がりですね。
付帯部分塗装
外壁の塗装が終わっても、まだ工事は完了ではありません。次は付帯部分と呼ばれる、雨戸や雨どいなど、外壁に付帯する部分の塗装を行います。
上の画像は、施工前のT様邸の霧よけ(窓の上などに設ける小さな屋根。庇(ひさし)とも呼ばれる)です。トタンでできているので、金属特有の施工方法で対応します。
トタンなど金属でできている部分を塗装する際には、事前の下地処理として”ケレン”(やすりなどで表面を磨き、汚れやサビを落とす作業)が必要です。
ケレンには、塗装部分の表面に微細な傷をつけることで、塗料が密着しやすい環境を整える目的もあります。
ケレンが終わった後には、下塗りとしてサビ止め塗料を塗布します。サビ止め塗料とは金属の腐食を防ぐ性質を持った塗料です。これを塗ることでサビの発生を防ぐ効果を得られます。
サビ止め塗料による下塗りが終わると、重ね塗り(中塗り・上塗り)を行って、霧よけの塗装は完了です。T様は霧よけ部分について、黒い塗料をお選びになりました。
付帯部分の色も施主様のお好みで選べるので、住宅の雰囲気を変えたい時は「付帯部分塗装の色を変える」手段もありますよ。
次は、雨戸と戸袋の塗装を行います。
T様邸の雨戸は金属でできていたので、先ほどの霧よけの時と同じく、ケレンを行ってからサビ止め塗料を塗布しました。
その後、中塗り・上塗りを実施して、雨戸と戸袋の塗装も完了です。T様は雨戸と戸袋についてブラウンカラーをお選びになりました。
まとめ
今回の記事では、コーキングがヒビ割れたALC外壁を塗り替えた工事の様子を紹介しました。外壁塗装や、コーキング補修の手順が理解できましたね。
いえふくでは、ALCやサイディングの外壁については、外壁塗装の際のコーキング補修も徹底して行っております。「自宅のコーキングがヒビ割れている」「外壁の黒ずみ汚れが目立ってきた」などの劣化症状が見られたら、いえふくまでお気軽にご連絡ください。