施工事例
早めの塗装で家の寿命を延ばす(神奈川県海老名市)
はじめに
「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖(つえ)」といった格言や教訓のとおり、家の手入れは普段から早め早めの対応が大切です。
例えば、台風が来る直前や台風がやって来てから修理のために屋根に登り、強風にあおられて転落するという事故が後を絶ちません。家に限らず何事も「泥縄式」では、取り返しのつかない結果を招いてしまう場合があるのです。
その意味で、今回ご紹介するK様邸の外壁は、一見するとまだ塗り直さなくてもよさそうに思えるほど、よく手入れされていました。しかし、何事にも先見の明のあるK様は、少し早めの外壁塗装に着手されました。その事例をご紹介します。
Before : 一見したところ、まだ大丈夫かなと思えるほどきれいでした。しかし、外壁本来の艶やかさはすでに失われていました。
After : 新築のようなツヤが戻ってきました。
工事は洗浄作業から
塗装前に、まず生地の汚れを全て落とさないと、きれいな仕上がりにはなりません。
例えば靴磨きのとき、ブラシやウェスで靴についた泥やほこりを落とすだけで、仕上げの靴クリームを塗るのは好ましくありません。まず、汚れ落とし専用のクリームで、靴の汚れを完全に拭ってから磨くのが正しい方法です。そうすれば、磨き上げたときの光沢が違い、革も長持ちします。
家の外壁も同じです。K様邸の場合、比較的新しいお住まいで、青カビや窓枠下の黒ずみ、油汚れなどは見られませんでした。しかし、小さく見えづらいほこりやごみ、古くなった塗膜などがこびりついていたのです。
まずは、それらを高圧洗浄でしっかり除去しました。
高い水圧で噴射される洗浄水により、でこぼこしたサイディング壁の隠れた汚れも、まんべんなく落としていきます。
養生作業とコーキング
つづいて、塗装しない箇所にペイントの汚れが付着しないために、ドアや窓、下屋(一階屋根)やバルコニーデッキに養生作業が必要です。
養生とは、塗装しない部分が汚れるのを防ぐために、半透明で薄いビニールや縁取りテープを貼ったり、紙製のカバーで覆ったりする作業のことです。塗料を塗ったりコンクリートを打った後に、それが乾いたり固まるまでの必要な期間は、養生期間という場合もあります。
養生は大変手間のかかる細かい仕事ですが、ないがしろにはできません。その出来具合が、プロとアマチュアを見分ける基準といっても過言ではありません。
壁の隙間にコーキングを施す前に、きれいにコーキングできるようサイディングのつなぎ目に養生テープを貼ります。また、コーキングが付着しやすくなるよう、コーキングプライマーを壁の隙間に塗布します。
コーキングがきれいに充填されました。これにより、雨が浸入する心配はなくなります。
玄関が半透明のビニールで覆われています。これがペンキの汚れを防ぐ養生です。
3度塗りの最初は「下塗り」
養生が終わったら、シーラーと呼ばれる塗料での「下塗り」に移ります。下塗りとは、塗装面の生地を整えて、下塗り以降の中塗り、上塗りで使う塗料が外壁に乗りやすくすると同時に、落ちにくくするための作業です。
中塗り以降のペイントを陰で支える「縁の下の力持ち」のような役目を果たします。これが1回目の塗装となります。
シーラーによる下塗り中
シーラーによる下塗り終了
軒裏なども塗ります
2回目は仕上げ塗装の「中塗り」
下塗りが終わると、次はペンキによる「中塗り」となります。中塗りは仕上げ塗装に該当しますが、直後にもう一度ペイントを行うこと(上塗り)により、外壁塗装の効果がさらに高まります。つまり、外壁を三層に塗るわけです。
中塗りの施工中です。ローラーはけにより、まんべんなく丁寧に塗られていきます。
中塗りが出来上がりました。壁がだいぶ艶やかになりました。
仕上げの3回目は「上塗り」
中塗りが終わり、いよいよ仕上げの「上塗り」です。これで、外壁の塗膜は三層となります。
上塗りの施工中
軒裏も上塗り
上塗りが終わりました。これで壁の塗装は終了です。
雨戸やトイの塗装も大切です
壁の塗装が終了したら、雨戸やトイ、屋根の破風などにも塗装を施します。これらは、外壁とは塗料の種類も色も違うため、外壁塗装の間では養生シートで隠されていました。
その養生を外して、雨戸やトイなどを塗装していきます。外壁に比べて雨戸やトイは、面積が小さく目立たない箇所です。しかし、それらを汚れたままにしていると、せっかくの外壁塗装も台無しになってしまいます。
例えば、新調のスーツを着ているのにワイシャツや靴が薄汚れていたら、かえって格好悪く見えてしまうようなものです。
つまり、壁のおしゃれも微細な点まで整えてこそ「完璧」になるのです。
雨トイも1本1本、塗装
雨戸と戸袋も塗装
まとめ
こうして全ての塗装が完了しました。
ペイントの塗り重ねはとても大切です。人は家によって守られていますが、家は屋根や外壁によって守られています。その外壁を守っているのが、こうした3回塗りによる塗膜なのです。
今回ご紹介した各工程の写真は、毎日早朝に出勤され、帰宅が深夜に及ぶ多忙なK様にお見せすることで、十分にご納得いただくと同時に、とても喜んでいただけました。施工業者にとっても、うれしい結果となりました。
このように、各工程の写真を撮り続けることは良心的な工事の証拠となり、お客様と業者の双方にとって確かで安心な記録となるのです。
なによりも、早めの外壁塗装に踏み切られたK様、なさることが完璧です。