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施工事例

明るいイエローとブラックで引き締まった色合いに(神奈川県海老名市)

はじめに

モルタル外壁で注意したいのが、ヒビ割れです。
外壁に亀裂が生じたまま放置すると、建て替えを余儀なくされます。
壁の亀裂には段階があり、チョーキングを見逃すと、ヒビ割れが待ち受けています。

チョーキングとは、外壁を触ったとき手に白い粉がつくことです。
外壁の塗膜が剥がれ、塗装の耐用年数が限界を迎えた状態です。

I様の依頼は、窓枠や玄関周りを含めた外壁塗装でした。
家は木造2階建て、外壁はモルタル仕上げです。
見積もりで訪れた際、チョーキングを確認しましたが、初期段階だったため、ヒビ割れはありませんでした。

今回の外壁塗装ではI様邸の特徴である幕板を生かし、鉄部の強化を意識しました。

Before

I様邸は切妻型と呼ばれる三角形状の屋根で、軒下の付け柱、その下に伸びる目地、横に流す幕板が交差するモルタル外壁です。
アクセントを付ける黒色の幕板や目地、外壁が色あせていて、塗装前は老朽化して見えます。

外壁より汚れが目立つベランダは、従来の色が分からないほど変色しています。
雨戸にいたっては、塗装がほぼ剥がれた状態です。

After

窓枠や幕板を含む外壁全体を塗り替えたことで、メリハリのある美しい仕上がりになりました。
黒色の幕板や窓枠が、薄黄色の外壁を引き立てています。

外壁と雨戸を塗り直し、新築さながらの見た目に変りました。
雨戸にはさび止め塗料を塗り、さび対策も万全です。

施工手順

I様邸では、足場、養生、下塗り、中塗り、上塗りの工程で塗装します。
幕板や目地のポイントを踏まえて、各工程の様子を見ていきましょう。

足場設置

凹凸の少ない家なので、外壁に沿って四方に足場を設置しました。

養生作業

足場と家全体を覆うように、ネットを張りました。

玄関の養生は、マスカーを使用します。
マスカーとは、養生フィルムとテープが一体化した、作業効率が増す道具の1つです。
作業面にテープを貼り、フィルムを引き伸ばして使います。

窓枠をマスカーで覆い、簡易ルーフの上にもコンクリートパネル(合板)を敷き、塗料の飛散を防ぎました。

下塗り

外壁と幕板を下塗りします。
下塗り用の塗料は、白色や透明など目立たない色を使います。
下塗りの後に、中塗りを施し、最後に上塗りをします。

上塗り

上塗り後は、外壁や幕板、窓枠の鮮やかな色合いが一目瞭然です。
幕板は寒さに弱く、膨張や反り、剥離現象(剥がれ)を起こします。
定期的に塗装すると耐久性が高まるのです。

付け柱の下にのびる目地も、ハケを使って丁寧に塗り替えます。
I様邸はモルタル外壁なので、本来は目地がありません。
あえて、目地を設けて耐震性を増しています。
I様邸の目地は木材なので、塗装効果で腐敗が防げます。

軒下には、ワンポイントでチョコレート系統の色合いを取り入れました。
外壁塗装は美観が重要ですが、見えにくい軒下をオシャレに演出する楽しみも大切です。

仕上がり

幅木をグレイにして、本来のコンクリートの色合いを印象づけています。
エアコンの排水ホースを部分的に幕板と同じ色にしたのもポイントです。

玄関の周りを幕板と同じ黒で塗り直しました。
重厚感のある玄関に仕上がり、外壁とのバランスも保てるデザインです。

まとめ

一見、シンプルな外壁塗装に見えますが、実は家のことを考えた工事内容です。
凹凸が少なく塗りにくい箇所もない分、家の耐震性や耐久性を上げる塗装をしました。
鉄材が使用された窓枠や玄関周りはさびが目立ったため、さび止め塗料を使いました。
さびに悩まされていたI様も満足されていました。

外壁塗装は見た目を変化させるだけでなく、家を守る手段でもあります。
モルタル外壁の場合、劣化の度合いによってはリフォームが必要です。
家のことを考えるなら、まずは専門業者の診断を受けてはいかがでしょうか。