施工事例
フッ素塗料で耐久性を万全に(神奈川県綾瀬市)
本質を重んじた塗装
T様邸は周りに畑が多く、隣近所と離れているため、終日陽が当たり、雨風の厳しい自然現象にもさらされます。
T様は立地条件から、「家屋の劣化が早まるのでは」と心配されていました。
前回の外壁塗装から7年くらいしか経っていませんが、早くも2回目の塗装をすることになりました。
一見すると、塗装の必要がない状態です。
塗装前後の演出差は大きくないかもしれませんが、塗装は劣化してからではなく、劣化する前にするのが理想です。
T様は家の美観以上に、塗装の物理的な機能性や耐久性を大切にしています。
今回は特に塗料の品質に注目し、より耐久性の高い塗料にこだわって塗装することとなりました。
Before
前回の塗装よりまだ日が浅く、手入れが行き届いているので、塗装に大きな劣化はありません。
ところが、壁の一部にサイデング自体の浮きが見られました。
大きな浮きではありませんが、念のためにくぎ打ちをして抑えました。
工事に先立ち足場を掛けましたが、隣家とは離れているので、ネットは簡単に設置できました。
After
日当たりを全室いっぱいに取り入れるため、大きな掃出し窓が多く、雨戸が多い家です。
壁塗装だけではなく、10枚ほどの雨戸もきれいに塗り替える必要がありました。
壁も雨戸も艶やかに輝いています。
Beforeもきれいですが、より美しくなり、Afterとの差が出てT様も安心されていました。
新しい塗料のにおいが辺り一面に漂い、塗り替えたことを実感します。
施工手順
高圧洗浄
塗装の前に、外壁を高圧洗浄機で洗浄します。
壁には多くのゴミやホコリ、古い塗装の塗膜、カビやコケなどが付着しています。
高圧洗浄でなければ落ちません。
高圧洗浄は、次の工程である「下塗り」にも影響します。
汚れが付着したままだと、上に塗る塗料のノリが悪くなり、すぐに剥落するのです。
高圧洗浄は、壁の耐久性にも影響する大切な作業です。
養生作業
外壁を塗装する場合、窓や雨戸、樋やバルコニー、空調の室外機や給排気口などに、半透明の薄いビニールシートを掛けてカバーします。
汚したくない場所をペイントの汚れから守るためで、養生といいます。
一見、簡単な作業に思えますが、意外に細かな神経が要求される仕事です。
塗装するところとしないところの境目をきれいに仕上げるために、養生テープは慎重で丁寧に貼ります。
丁寧に貼らないと、窓枠にペンキが付着したりはみ出したりして、塗装の見た目が台無しになってしまうのです。
下塗り
外壁の塗装は通常3回塗りです。
まずは「下塗り」、次に「中塗り」、最後に「上塗り」で仕上げます。
つまり、塗膜が3層に塗装されます。
最初の「下塗り」には、シーラ―やプライマーと呼ばれる粘着性に富んだ下地塗料を使い、中塗りの密着性を高めます。
下塗りは、壁と中塗りの仲立ちの役目があるといえるでしょう。
中塗り
下塗りが終わると、今度は「中塗り」です。
中塗りは基本的に「上塗り」と同じ種類のペンキが用いられ、外壁の耐候性や耐久性を決定づけます。
塗料はメーカーや種類により、性質が異なります。
性能の高い順に、大きく分けて次の4種類があります。
- 「フッ素樹脂」耐久年数は10~15年
- 「シリコン樹脂」耐久年数は8~12年
- 「ウレタン樹脂」耐久年数は6~10年
- 「アクリル樹脂」耐久年数は4~7年
塗料の種類で比較すると、最短で4年、最長で15年と耐久年数には差があり、価格にも反映されます。
T様は家を取り巻く条件から自然環境の厳しさを考えて、一番高品質なフッ素樹脂の塗料を選択しました。
フッ素樹脂塗料の耐久年数から、最短である10年を目安として、次回の塗り替えの時期を決定したのです。
本当に慎重な選び方ですね。
上塗り
中塗りが終わると、今度は仕上げの「上塗り」です。
上塗りは性能的にも美観的にも重要な塗装です。
出来るだけ美観を保ちつつ、直射日光による紫外線、雨や雪、真夏の酷暑と真冬の酷寒を耐え抜かなければならないのが上塗りです。
フッ素系塗料は、金属などが腐食しにくい耐蝕(たいしょく)性、耐汚染性、耐候性、耐熱性、防汚性など、様々な点で他の塗料よりも優れていて期待できます。
T様の次回の塗り替え予定が10年後の目安ならば、ビフォーとアフターにあまり違いが見られないかもしれません。
優れ者の塗料です。
破風板や樋(とい)の塗装
仕上げ塗装には、屋根の破風板や雨戸、樋などの付帯箇所も含みます。
T様邸の付帯箇所は、材質が金属や樹脂なので、性能面よりも美観的な要素を塗装に求めました。
数が多く塗装面積が大きい雨戸にも、全てケレン作業と塗装をしました。
ケレン作業とは、さびや古い塗料をヤスリやサウンドペーパーで落とす、手間のかかる作業です。
丁寧に作業をして仕上げ塗料を施すと、新築のような美しさを取り戻しました。
付帯部分も塗装することで、新しい外壁塗装に花を添えられました。
完成
上塗りを終えてきれいに仕上がりました。
足場の養生ネットを落とすと、塗装後の全体が現われます。
何かホッとした表情にも思えます。
まとめ
T様邸は塗装前から大変きれいだったので、Afterはあまり代わり映えしないかもと予測されました。
しかし、外壁塗装の間隔を空ければ、塗装前後の仕上がりの差は大きくなります。
良い状態を継続して家を保持する意味では、塗装前後の差が少ないメンテナンスの方が理想的です。
健康な体を維持するのが、早め早めの治療をすれば大事に至らないことに似ています。
T様は最高品質の塗料を選択され、万全の外壁塗装となりました。