施工事例
コーキングの劣化が激しかった事例(神奈川県南足柄市)
はじめに
外壁塗装は時間が経過するにつれて、どうしても劣化が進んでしまうものです。
どれだけ耐久性の高い塗料であっても、永久に塗り直しが必要ない塗料は存在しません。
また、サイディング外壁の場合、隙間を埋めるコーキングの劣化・破損という問題も存在します。
寿命を長くするためにも定期的に外壁の状態を確認することが大切です。
H様邸は破断や剥離など、複数個所のコーキングの劣化が見つかったことをきっかけに、外壁塗装を決断されました。
コーキング材を打ち替えて、将来起こりうる問題に早めの対策をした施工事例です。
また、補修に加えて外壁の塗り直しを行い、家全体の印象も大きく変えています。
施工の前後でどのように変わったのか、写真を見ながら解説していきます。
Before
外壁塗装を行う前のH様邸の写真です。
外壁に大きなひび割れなどは見当たりませんが、細かくチェックするとサイディングや付帯部分の汚れ、くすみが目立っています。
サイディングの隙間を埋めるコーキング部分に破断が起きています。
破断は劣化が進んだために起こる症状で、コーキング材が寿命を迎えた状態です。
そのまま放置しておくと住宅内部へ水が侵入し、住宅の損傷につながる可能性があります。
別の箇所のコーキング部分では、外壁との間に隙間ができる剥離が発生しています。
剥離は施工時に問題がある場合に発生しやすく、破断と同じく放置しておいては良くない症状です。
After
塗装が完了した後の外壁を撮影した写真です。
上から塗装されたため分かりづらいですが、新たなコーキング材でしっかりと補修が行われています。
外壁も白ベースの塗料で塗装され、施工前の汚れがまったく分からない見た目です。
塗装が完了した別の部分の写真です。
外壁に加えて付帯部分も丁寧に塗装され、ツヤのある仕上がりになっています。
施工手順
足場設置
外壁塗装における最初の工程は足場の設置です。
H様邸は2階建てとなっているので、足場をしっかり組んで高所での作業を安定させています。
足場は塗装をする際の危険を軽減できるだけでなく、職人が実力を発揮しやすい環境を整えるためにも必要な設備です。
また、H様邸は近隣の住宅との距離が近いですが、足場にメッシュシートをかけることで塗料の飛散を防いでいます。
高圧洗浄
足場を組み終えたら、高圧洗浄の作業へと移ります。
高圧洗浄はその名前の通り、高圧洗浄機を使って外壁の汚れを洗い流す作業です。
時間経過に伴い、外壁にはさまざまな汚れが付着しています。
見た目には分からなくても、細かな汚れが付いていることが多いです。
汚れは見栄えを悪くするだけにとどまらず、塗料の密着性に悪影響を与える要素なので、洗い残しのないよう丁寧に作業を進めていきます。
養生作業
足場設置や高圧洗浄と同様に塗装前の工程として重要なのが、養生作業です。
窓ガラスや出窓の屋根など、塗料が付着しては困る部分も存在します。
養生作業はそういった部分をビニールシートやマスキングテープなどで保護する作業のことです。
単純そうに見えますが、真っ直ぐテープを貼らないと塗装後に違和感を覚える仕上がりになってしまうこともあります。
そういった事態にならないよう、1箇所ずつ丁寧に作業を進めていきます。
コ-キング
破断・剥離など、傷んでいるコーキングを新しいものに替えていきます。
既存のコーキング材を除去した後、新たにコーキング材の注入を行っていく「打ち替え」と呼ばれる施工です。
コーキングが剥がれやすくなる3面接着を防ぐため、ボンドブレーカーと呼ばれるテープを入れて2面接着になるようにしてから注入を始めます。
3面接着は目地のへこんでいる部分の3面にコーキング剤が密着するように注入する方法で、サイディングなど動きのある部分へ使用すると破損につながる恐れもあります。
下塗り
コーキングの補修が完了した後、塗装の作業へと移ります。
塗装は1回限りで終わるものではなく、大きく下塗り・中塗り・上塗りという3つの段階に分けられています。
最初の塗装作業である下塗りは、この後に行う中塗り・上塗りのために大切な準備段階となっています。
下塗り塗料には上塗り塗料と外壁を密着させる役割があります。
施工後すぐに塗膜が剥がれるような不備を避けるため、念入りに下塗りを行っています。
中塗り
2回目の塗装作業は中塗りと呼ばれます。
下塗りが乾いた後で、上塗りと同じ塗料を用いて塗装していく作業です。
同じ塗料を重ねることで、製品本来の耐久性を確保することができます。
上塗り
中塗りに続く3回目の塗装が上塗りです。
塗りムラがないように中塗りと同じ塗料でローラー塗装を行います。
単純な作業に見えますが、職人の技量に大きく左右される工程です。
塗料の耐候性や防カビ・防藻といった特性を活かすため、適切な塗布量になるよう、注意しながら進めていきます。
仕上がり
塗装作業が完了した外壁の様子です。
塗りムラのないきれいな仕上がりは見た目に美しいだけでなく、家を保護するという意味でも重要な役割を持っています。
付帯部分に塗料が付着していますが、上塗りの後で塗装を行うため問題はありません。
付帯部分の塗装
H様邸の施工事例では軒天や雨戸など、付帯部分の塗装も行いました。
外壁だけを塗り替えても、付帯部分がくすんでいるとちぐはぐな印象になってしまいます。
これを防ぐために、外壁塗装においては付帯部分を同時に施工するのが基本です。
まとめ
H様邸はコーキング部分に破断・剥離といった症状が発生していましたが、補修を行うことで耐久性の問題を解消できました。
さらに以前とは違う色で塗り直したことにより、従来の外観にはなかった明るい印象があります。
コーキング部分の劣化は、サイディング外壁の家で発生しやすいトラブルです。
気づかないうちに劣化が進んでしまっていることもあるため、定期的にチェックを行いましょう。
もし問題が発生していると感じたなら、専門業者に連絡して早めに診断してもらうことをおすすめします。