施工事例
立地環境を配慮し、防汚性に優れる塗料で塗装しました(神奈川県愛川町)
はじめに
時が経つにつれて、外壁は色あせたり、ひび割れたり、コケが生えたりします。
外壁が劣化するのは、紫外線や雨風の影響、季節の温度変化、湿気などが原因です。
そして、汚れやすさはそれぞれの家ごとに異なります。
理由は外壁材の種類やデザインによる違いだけではなく、立地環境も影響します。
山や川など、周囲に緑が多い環境に立地する場合は、コケやカビが生えやすくなります。
今回ご依頼いただいたO様邸は、家の玄関側である表側と裏側で劣化の具合が異なる住まいです。
表側は日当たりが良く、裏側は日が当たりづらく山に面しています。
表側と裏側でどのような劣化の違いが見られるのでしょうか。
立地環境にも配慮しながら色選びをした、今回の施工事例を詳しく見ていきましょう。
Before
日当たりの良い玄関側は、外壁が色あせていました。
汚れが目立ちにくいグレーの外壁ですが、長年の紫外線や雨風の影響で、ホコリなどの汚れも付着しています。
家の裏側の写真です。
O様邸は表側よりも裏側に汚れが付いているのが特徴的です。
原因は家の裏手にある山です。
日当たりもよくないため湿気がこもりやすく、コケも生えています。
2階部分の白色の壁には、特に黒い汚れが目立ちます。
After
O様邸の1階部分は元々汚れが目立ちにくいグレーでしたが、今回は雰囲気を変えるためにブラウンにしました。
ブラウンも汚れが目立ちにくく、ナチュラルな雰囲気が出せる色です。
緑の多い近隣の景観にもよく調和しています。
汚れが目立ちやすかった2階部分は純白から黄色を帯びたオフホワイトに塗り替えました。
施工手順
足場設置
次は足場の設置です。安全でスピーディーに作業をするために、外壁塗装では足場を必ず組みます。
高台に立地するO様邸は、眺望を良くするために家の土台部分が底上げされています。
そのため、足場の機材を運ぶ際は階段を登らなければなりません。
階段を踏み外したり機材を落としたりして、思わぬ事故が起こらないように気をつけながら慎重に運びます。
足場が組めたら、塗料の飛び散りを防ぐために飛散防止シートも設置します。
高圧洗浄
雨風にさらされ続ける外壁には、空気中のチリやホコリが付着します。
壁に汚れが付いたままでは塗装をしても剥がれやすくなり、美しく仕上げられません。
塗装する前に、高圧洗浄機を使って汚れを落とします。
自然に囲まれた環境に立地するO様邸の外壁には、汚れがひどく付着していたため、細部まで丁寧に洗浄しました。
養生作業
塗装時は周囲へ塗料が飛び散ることがあります。
塗料が付いて欲しくない場所をシートやテープで覆う作業を「養生」といいます。
玄関ドア、植木や車などを養生しますが、サッシなど塗装部分との境目となる部分の養生は、まっすぐに覆う必要があります。
きれいに養生できていないと、仕上がりも曲がったりガタガタになったりするのです。
簡単な作業に見えますが、慎重さと丁寧さが求められる工程です。
下塗り
いよいよ塗装の開始です。
外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの順に、3回に分けて塗ります。
一番始めは「下塗り」で、外壁にある小さなひび割れや傷、凹凸などをならす役割があります。
下塗りすることで、これから塗る塗料が壁により密着しやすくなります。
中塗り
下塗りがしっかり乾いたら次は「中塗り」です。
中塗りと次の上塗りでは、同じ塗料を用います。
仕上げの塗りを2度行い、塗装を仕上げます。
1度の仕上げ塗りだけでは、気泡ができたり塗りムラができたりするためです。
ローラーを使って壁全体を塗っていきます。
細かい部分は刷毛を使って塗ります。
刷毛は均一に塗るのが難しく、塗りムラができやすいため、技術の必要な塗装方法です。
上塗り
最後に「上塗り」をして仕上げます。
中塗りをしたときにできた気泡の跡を埋め、塗りムラがないか、チェックしながら丁寧に仕上げていきます。
仕上がり
3度塗りにより、雨風や紫外線に強い、耐久性に優れた塗膜が完成しました。
塗り残しやムラがなく、美しい仕上がりです。壁にはツヤが生まれました。
付帯部分の塗装
いえふくでは外壁塗装で足場を組む機会に、雨どいや破風板などの付帯部分の塗装もおすすめしています。
今後のメンテナンスの周期もそろうため、メンテナンスもしやすくなります。
今回はベランダの防水工事も一緒に行いました。
軒天・破風板
汚れが付き、くすんでいた軒天は白色で塗装しました。
写真のように真上を見上げながら手を上げて塗装する必要のある軒天は、塗装が大変な場所です。
しかし、美しく仕上げるためにも、いえふくの職人は一切妥協しません。
細部まで手を抜かず、丁寧に塗っていきます。
丁寧な塗装により、軒天はピカピカと光っています。
軒天が明るくなったことで、室内に差し込む光も明るくなります。
破風板も白い色で塗ります。
軒天や破風板は、汚れや劣化に気がつきにくい場所ですが、外から家を眺めたときに目につきやすい場所でもあります。
お客様が来て家を眺めたときに、軒天や破風板がピカピカだと、家の印象もグッと良くなります。
雨戸
鉄部でできた雨戸は、塗装する前に「ケレン」といわれる、たわしのような専用の工具を用いて、古い塗膜や汚れを落とす作業を行います。
より剥がれにくく、美しい塗膜を作るためには欠かせない重要な工程です。
雨戸はスプレーガンを使い、吹き付け塗装をします。
ローラーや刷毛を使って塗装するよりもさらに高い技術力が必要です。ムラができないように均一に塗料を吹き付けていきます。
ベランダ
ベランダも劣化が起こりやすく、雨漏りしやすい場所のひとつです。
今回はベランダの防水工事も行いました。
きれいに汚れを洗浄した後、プライマーといわれる下地材を塗ります。
塗料との密着性を高めるために、しっかりと塗布します。
ガラスや炭素などの繊維をプラスチックに入れて強度を高めたFRP防水マットを貼ります。
FRP樹脂を塗布して防水層を作ります。
最後にトップコートを塗布してベランダの防水工事の完了です。
雨漏りしやすいベランダですが、塗装により耐水性が上がったので安心です。
まとめ
今回ご依頼いただいたO様邸は、高台にある緑に囲まれた環境に立地しています。
美しい眺望と自然豊かな場所は住む人を癒してくれますが、外壁にとっては汚れが付着しやすく劣化しやすい環境です。
汚れが付きやすい環境に立地している場合は、塗装する際に防汚性に優れる塗料を選んだり、色選びに注意したりするなどの工夫をするといいでしょう。
いえふくでは、立地する住まいの環境に合わせて、塗料の種類や色の提案も致します。
お気軽にお問い合わせください。