施工事例
サイディング外壁とセメント瓦の屋根をまとめて塗装したM様邸
はじめに
この記事で紹介するのは、M様邸の施工事例です。
M様邸は、新築時から12年ほどが経過するご住宅。
外壁塗装と屋根塗装の同時施工をご希望でした。
この記事をご覧いただけば、外壁塗装と屋根塗装をまとめて施工する工事の様子をくわしく知ることが可能です。
外壁と屋根の同時塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Before
外壁塗装を行う前のM様邸の状態がこちらです。
外壁は全体的に色あせ、黒ずみ汚れが定着している部分も多く見られます。
M様邸の外壁に用いられているのは、“サイディングボード”と呼ばれる外壁材です。サイディングボードは、外壁の表面に貼りつけて用いる板状の外壁材。
サイディングボードを用いた外壁は“サイディング外壁”と呼ばれ、導入コストが安い上にデザイン性が豊富であることから、近年の新築住宅における主流な外壁となっています。
After
外壁塗装が完成したM様邸の様子がこちらです。
施工前の色あせて古びた印象はどこへやら、ピカピカで美しい外壁へと変身していますね!
外壁だけではなく雨どいや軒天(屋根の、壁より外側にせり出している部分の裏側)などの付帯部分もまとめて塗装を行ったため、M様邸はまるで新築住宅のような美しさを取り戻しました。
次の章では、まずはM様邸の外壁塗装の工事の様子を紹介します。
施工手順
足場設置
外壁塗装でも屋根塗装でも、工事の基礎となるのは足場です。
上の画像を見ると、M様邸の周囲に足場が設置され、黒いメッシュシートが設置されている様子が確認できますね。
このメッシュシートは、塗装中の塗料や高圧洗浄中の水しぶきなどが隣家や庭に飛ばないために保護するシートです。
メッシュなので風通しもよく、塗料の乾燥を阻害する心配はありません。
高圧洗浄
足場を組み終えると、次は“高圧洗浄”と呼ばれる作業工程へと移ります。
高圧洗浄とは、業務用の高圧洗浄機を使用し、圧力をかけて噴射する水の力で、外壁の汚れやコケなどを洗い流す作業のことです。
外壁塗装でも屋根塗装でも、塗装作業の前に、高圧洗浄で塗装面の汚れを落としておくことは非常に大切です。
なぜなら、塗装面に汚れが残ったまま塗装をすると、塗膜の密着度が悪くなり、塗料が持っている本来の耐用年数よりも短い年数で塗膜が剥がれるから。
外壁塗装や屋根塗装を長持ちさせるためには、塗装作業の前の高圧洗浄が欠かせないのです。
養生作業
高圧洗浄が完了すると、次は“養生”と呼ばれる工程へと移ります。
養生とは、窓ガラスや玄関ドアなどの塗料が付いて汚れては困る部分を、ビニールシートと養生テープなどで覆って保護する作業です。
コ-キング
養生が完了すると、次は“コーキング”を使った補修作業を行います。
コーキングとは、樹脂を主原料とし、乾燥して固まると硬いゴム状になる建築剤です。
M様邸のようなサイディング外壁では、外壁材の目地部分にコーキングが詰められています。
新築時に設置されるコーキングは、5〜10年ほどで寿命を迎えるのが一般的であり、塗装工事を行う頃にはすでに傷んでいるケースがほとんどです。
上の画像は、施工前のM様邸のコーキングの状態を写したものです。
小さなひび割れが無数に生じているグレーの部分がありますね。このグレーの部分が、コーキングで埋められた外壁のつなぎ目部分です。
寿命を迎えたコーキングには、上の画像のようにひび割れが発生し、さらに劣化が進むとコーキングの中心部分が裂ける“破断”と呼ばれるトラブルへ発展する場合もあります。
ひび割れが大きくなったり破断が発生したりすると、そこから雨水や湿気が外壁内部へ侵入し、柱など住宅の構造部分を傷める可能性も。
そういった大きなトラブルが起きないよう、塗装工事のタイミングでコーキングを補修することが大切です。
サイディング外壁のコーキング補修では、まずは古くなったコーキングを撤去した後、“コーキングプライマー”と呼ばれる下塗り剤を下地へ塗布します。
コーキングプライマーには、コーキングがしっかり定着するのを助ける役割があります。
もし、コーキングプライマーを塗らずに新しいコーキング剤を注入すると、本来の耐用年数よりも短い年数で剥離トラブルが生じかねません。
コーキングプライマーを塗り終えると、新しいコーキング剤を注入し、表面を平たくならして補修作業は完了です。上の画像はコーキング補修後の様子です。
今のままでは白い補修跡が目立ちますが、上から塗装をすれば目立たなくなります。
下塗り
コーキングの補修作業が完了すると、ここからは外壁の塗装作業を行います。
上の画像は、1度目の塗装作業である下塗りが完了した後に撮影されたものです。
外壁塗装では、たった1度だけ塗装をすれば工事が完了するわけではなく、「下塗り・中塗り・上塗り」と呼ばれる合計3回の重ね塗りをする必要があります。
外壁の色にムラがあるように見えますが、下塗りは外壁材と上塗り塗料(中塗りと上塗りで使用する塗料)を密着させるために塗る下塗り剤なので、この状態で問題ありません。
下塗りで重要なのは、まんべんなく塗ることです。
中塗り
続いて、2度目の塗装作業である中塗りを行います。上の画像は、中塗りが完了した後に撮影されたものです。
下塗り後の外壁とはずいぶん雰囲気が変わり、まるで外壁塗装が完了したかのようにきれいな仕上がりですね!
しかし、外壁の塗膜は上塗りを終えるまで完全な状態にはなりません。
上塗りまで行ってはじめて塗料は万全な状態になり、塗料が持っている本来の性能を発揮できるようになるのです。
上塗り
こちらは、3度目の塗装作業である上塗りを行っている途中に撮影された画像です。画像をよく見ると、外壁の左の方だけ少し色が明るくなっていることがわかります。
これは、中塗りと上塗りでわずかに色の異なる塗料を使用しているからです。
中塗りと上塗りで塗料の色を変える理由は、その方が施主様にご見学いただいた際、工程ごとの変化を実感いただきやすくなるからです。
仕上がり
外壁塗装の工事が無事に完了し、このような仕上がりになりました。
M様はツヤありタイプの塗料をお選びになったため、施工前にはなかったツヤ感が生まれています。
塗料にはツヤのあるものとないものがあり、施主様のご希望に応じてお選びいただくことが可能です。また、ツヤありタイプにはツヤの程度を選べる製品もあり、こちらもお好みに合わせてお選びいただくといいでしょう。
次の工程では、ここまでには紹介できなかった屋根塗装の作業の様子を紹介します。
屋根塗装
塗装をする前のM様邸の屋根の状態がこちらです。
おしゃれなセメント瓦(1:2から1:3くらいの比率でセメントと川砂を混ぜて作られる屋根材)が使用されていますが、汚れがたまっていて古びた印象がありますね。
「屋根は下からは見えないから、塗装しなくても(汚れていても)問題ないのでは?」と感じる方がいるかもしれません。
しかしセメント瓦など一部の屋根材では、定期的に塗装メンテナンスをしなければ、部材自体がどんどん劣化していきます。
塗装をせずに放置していると、雨漏りの原因になるケースがあるため、屋根を長持ちさせるためには定期的な塗装が必要なのです。
屋根塗装の工事でも、外壁の時と同様に3度塗りで塗装をするのが基本です。上の画像は、1度目の下塗りでシーラー塗装を行っている様子です。
画像の右上に、職人が塗料の缶を持って塗装している様子が写っています。屋根塗装の際には、こうやって屋根に登って塗装作業を行います。
下塗りが完了すると、次は2度目の中塗りを行います。上の画像は、中塗りが完了した後の様子です。
M様は外壁と同じくツヤあり塗料をお選びになったため、太陽の光を浴びてキラキラ輝いていますね。
こちらは上塗りを行っている作業中の画像です。
安全上の理由から、施主様には屋根塗装の見学はご遠慮いただいています。
お客様にお見せすることはないため、外壁の時と違って、屋根塗装で中塗りと上塗りの色を変えることは基本的にありません。
上塗りが完了し、塗料でくっついた屋根材同士の間に隙間を空ける作業“縁切り”を行い、屋根塗装も完成です。
施工前の古びた印象はすっかりなくなり、屋根全体をリフォームしたかのようにピカピカの屋根に生まれ変わっています。
付帯部分塗装
外壁塗装の工事では、外壁以外にも、雨どいなど“付帯部分”と呼ばれる箇所の塗装を行います。
付帯部分の多くは住宅の防水機能や排水機能を担っており、定期的に塗装をして、部材を紫外線などから保護する塗膜を維持することが大切です。
上の画像は軒天を塗装している作業中の様子です。
外壁の下塗りと中塗りの間に作業を行いました。
上の画像は、雨どいの塗装前に“ケレン”と呼ばれる下地処理を実施している作業中のものです。
ケレンとは、ヤスリやタワシで表面を磨き、汚れやサビを落とす作業。塗装部分に微細な傷をつけることで、塗膜が密着しやすい環境を整える目的もあります。
ケレンが完了すると、外壁や屋根と同様に下塗り・中塗り・上塗りと3度塗りを行います。上の画像は、3度目の上塗りを行っている様子です。
続いて、シャッターボックスのケレンを行います。
シャッターボックスや雨戸のような金属製の付帯部分は、経年劣化でサビが発生していることも多いので、塗装前のケレンが欠かせません。
ケレンが完了すると、これまでと同様に3度塗りで塗装をし、シャッターボックス塗装も完了です。
まとめ
この記事では、サイディング外壁とセメント瓦の屋根をまとめて塗装工事したM様邸の施工事例を紹介しました。
施工前には汚れて古びた印象のあったM様邸が、塗装工事が完了した後にはピカピカの美しさを取り戻す様子を確認できましたね。
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