施工事例
コケがこびりつきひび割れたモルタルを外壁塗装した事例(神奈川県三浦市)
はじめに
今回紹介する施工事例は、コケが生えるほど劣化したモルタル外壁を塗り変えた工事です。
ご依頼いただいたK様邸は新築から15年近くが経過し、外壁の汚れがひどい状態でした。
さらに、一部にはクラック(ひび割れのこと)が見られたため、そちらの補修も行っています。
モルタル外壁の住宅にお住まいの方が参考にしやすい施工事例ですので、ぜひ最後までご覧ください。
Before
こちらが外壁塗装施工前のK様邸です。
上の画像を見ると、外壁が緑色になっていることがわかりますね。これは外壁に発生したコケです。
通常、外壁は表面を塗膜(塗料が固まってできる膜)でコーティングされていて、コケが生えにくくなっています。
しかし、塗膜が劣化すると耐久性がなくなり、コケが生えやすくなってしまうのです。
とくに、湿気が高くなる北側の外壁は、コケが発生しやすい傾向にあります。
もしあなたのご自宅の外壁にコケが生えているようでしたら、それは塗膜が劣化しているなによりの証拠です。ぜひ外壁塗装をご検討ください。
こちらはK様邸の外壁の別の部分を撮影した様子です。
コケは生えていないものの、黒ずみ汚れがあります。新築時の外壁は真っ白だったそうですが、現在では見る影もありません。
After
K様邸の外壁塗装が完成した様子がこちらです。
以前のような黒ずみは一切なく、真っ白で清潔感のある印象へと生まれ変わっています。
コケの生えていた部分もきちんと洗浄し、新しい塗料で塗り直しました。
K様邸で使用したシリコン塗料は、耐用年数が約10〜13年です。コケが生える心配はしばらくしないですみますね。
施工手順
足場設置
外壁塗装の工事では、実際に塗料を塗り始める前に、さまざまな事前準備が必要となります。その最初の作業が足場の設置です。
足場設置とは、職人が高い場所で作業をするために必要不可欠な足場を組み立てていく作業です。
足場を設置することには、「職人の安全確保」以外にも理由が存在しています。
それは、業務の効率化を図ることです。頑丈な足場があれば職人は作業に集中しやすいので、よりスピーディーな施工ができるようになります。
また、安定した足場を組むことで手元の正確性も上がり、塗装品質も向上します。
高圧洗浄
足場の設置作業が完了すると、次は外壁の洗浄を行います。
外壁の洗浄で使用するのが、高圧洗浄機。もしかすると、家庭用の高圧洗浄機を使ってご自分で外壁を洗浄している方もいらっしゃるかもしれませんね。
同じ高圧洗浄機ではありますが、家庭用の高圧洗浄機といえふくの高圧洗浄機とでは、異なるポイントもあります。それは、いえふくが使用しているのは、業務用の威力が強い高圧洗浄機であることです。
放出する水の圧力は家庭用のものよりも強いので、スピーディーに汚れを落とせます。
上の画像は、高圧洗浄を終えた後の様子です。
作業開始前よりはきれいになりましたが、やはりまだ黒ずみは残っています。高圧洗浄でも落とせない黒ずみは、塗装でカバーできます。
養生作業
高圧洗浄の次は、窓や玄関ドアなどの養生作業を行います。
この作業の目的は、塗装中に窓や玄関ドアなどを汚さないようにすることであり、塗料で汚れては困る箇所をビニールシートなどで覆います。
エアコンの室外機なども養生の対象です。
室外機を養生している間、エアコンは使えません。室外機を養生したままエアコンを稼働すると、室外機が故障したり養生シートが破れたりする恐れがあるからです。
幸い、今回の施工は心地よい気候である春に行ったため、施工中に施主様がエアコンを使用することはありませんでした。
しかし、暑い夏などの外壁塗装時には、1日中エアコンをつけないわけにはいきません。
このような場合は、室外機近くの外壁を塗装するなどの必要な時だけ室外機を養生するかたちで施工いたします。
コ-キング
K様邸のモルタル外壁には、上の画像のようなクラックが発生していました。
外壁にクラックを見つけたとき、「すぐに補修しなくては!」と焦る人もいるかもしれません。しかし、慌てる必要はないです。
モルタル外壁でクラックが発生するのは、めずらしいことではないのです。細く浅いクラック(幅0.3mm以下、深さ4㎜以下)であれば、すぐに雨漏りが起こる心配はありません。
しかし、クラックを長期間放っておくと、ひび割れの大きさが拡大しその部分から雨水が浸入する恐れがあります。
外壁の内部へ雨水が浸入すると建材が傷む可能性もあるので、あまり長く放置せずに補修をしなければなりません。
クラックを補修すると、このようになりました。
モルタルに発生したクラック補修には、”コーキング”と呼ばれる、固まるとゴム状になる補修材を使用するのが一般的です。
今は補修跡が目立っていますが、上から塗装をすれば目立たなくなるので問題ありません。
下塗り
コーキング補修までの準備段階が終了すると、メインの作業である塗装工程へと移ります。
外壁塗装では3回の重ね塗りをするのが一般的で、最初に実施する塗装工程は”下塗り”と呼ばれています。
下塗りで使用する白い塗料が「下塗り材」です。
下塗り材にはプライマーやシーラーなどいくつかの種類がありますが、今回使用したのはフィラーという材料。
モルタル外壁で使用される機会の多いフィラーは、クラックの発生を予防する役目を持っています。
中塗り
下塗りを十分に乾かしたら、次は中塗りを行います。
2回目の塗装作業である中塗りからは、色のついた塗料を使用するのが一般的です。
面積の広い部分はローラーを使って塗装を行い、窓枠の周囲など細かい作業を要する部分では、ハケに持ち替えて作業を行います。
上塗り
中塗りの次は、3回目の塗装工程である上塗りを実施します。
中塗りでは、クリーム色に近い色の塗料を使用したのに対して、上塗りではオフホワイトの塗料を使用しました。
中塗りと上塗りで異なる色の塗料を使用すると、「塗り終えた部分とそうでない部分」が、施主様の目でも判別しやすくなります。
仕上がり
外壁塗装が完了すると、このような仕上がりになりました。
一点の黒ずみもない外壁は、清潔感があふれる美しい印象です。すっかり生まれ変わったご自宅の外壁を見て、施主様であるK様は感嘆の声を上げられていました。
付帯部分の塗装
K様邸では、外壁以外にも住宅のさまざまな部分が劣化していました。
たとえば、上の画像に写っている、破風板(はふいた)などが挙げられます。
古い塗膜はひどく剥がれ、下地である木材が露出しています。この状態のまま放置すると見栄えが悪いだけではなく、下地が雨水を吸って傷むでしょう。
そうならないように、破風板の塗装を実施します。
上の画像は塗装前の下地処理である「ケレン」を実施している様子です。
木や鉄でできている部分は、塗装前にケレンを行うのが一般的。ケレンには、古い塗膜や表面の汚れを落とす目的があります。
ケレンが完了すると、次は下塗りを実施します。
破風板の塗装でも、基本は3度塗り。まずは、白い下塗り塗料を塗布します。
下塗りが乾いたら、2度目の重ね塗りである中塗りを実施します。
K様は破風板の色にブラウンをお選びになったので、ブラウンの塗料を塗布しました。
中塗りも乾いたら、上塗りで仕上げて破風板塗装は完了です。
外壁では中塗りと上塗りで色を変えて塗装しましたが、破風板塗装では中塗りと上塗りで同じ色を塗りました。
これは、破風板で使用した塗料の場合は「同じ色を重ね塗りすることによって、塗膜がベストコンディションになる」と判断したからです。
いえふくでは、使用する塗料の性質や種類を見極め、最適な方法で施工を行っています。
次は雨戸の塗装作業の様子を紹介します。
K様邸の雨戸は金属でできていたので、破風板と同じようにまずはケレンを実施しました。
ケレンを終えると、中塗りを行いました。
「下塗りはしないの?」と疑問に感じる方がいらっしゃるかもしれません。
ひとくちに塗料といってもたくさんの種類があり、なかには2度塗りが適しているもの(下塗りが必要ないもの)もあります。
今回雨戸に使用した塗料は、2度塗りが適しているタイプのもの。下塗りなしで大丈夫ですので、ご安心ください。
中塗りが乾いたら、最後に上塗りで仕上げて雨戸塗装も完了です。
まとめ
今回紹介した施工事例は、コケや黒ずみ汚れの発生していたモルタル外壁を美しく塗り替えた事例です。
モルタル外壁は職人の手仕上げによる独特の風合いが魅力的ですが、10年程度に1回を目安に定期的な外壁塗装が必要となります。
モルタル外壁そのものは防水性が低く、塗膜で保護していないと水に弱いからです。
ご自宅にモルタル外壁を導入している方がいらっしゃいましたら、この機会に外壁の状態をチェックしてみてくださいね。
ひどく汚れていたりコケが生えていたりした場合は外壁塗装が必要な状態ですので、お気軽にいえふくへご相談ください。